現実は非モテでも、転生先ではモテモテで求婚されまくりで迷惑です

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アランさん

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屋敷の門を入り、まず向かったのはクロウリーの馬房だった。

『やっと着いたか…疲れた…早く飯を食わせろっての』

クロウリーの愚痴が私の耳に突き刺さる。
しかし、そんな愚痴はクロウさんには届くはずも無く、馬房近くで私達は馬から下りた。

「あとは任した」

クロウさんは馬房を管理する人にクロウリーを任せ、さっさと馬房を後にしようとした。

『ちっ、少しはテメェが引いていけっての』

そんな愚痴を聞いて私はつい口が出てしまった…。

「あの、走ったからお腹空かせてるみたいです、早くご飯をあげて下さい」

管理する人は私の声に驚いた様子だった。無理もない…初めて見る奴にそんな事を言われたのだから…。
でも、嫌な顔はせず

「えぇ、もちろんです。お任せください」

私は深々と頭を下げた。

『あんたが主人だったら良いのにな』

クロウリーの本音が私に届き、少し照れ、赤くなった。

「なに赤くなってんだ?」

クロウさんはさっさと屋敷に入る様に私を急かした…。


馬房から屋敷入口に向かう道中、初めてクロウさんと二人きりになった…。
私の右に人一人分くらい距離を離して歩いていたが、何故か私の方に距離を詰めてきた。

(なんか、怪しいな…)

と思い、私は左にまた人一人分、距離を離した。
だが、また寄ってくる…。

「あの…何故寄るんですか?」

「え!?いや…あ、足が少し痛くてな。ははっ…」

(そういえば、狩りで落馬したと言っていたような…)

寄られて嫌な気持ちだったが、理由を忘れていた自分を少し嫌な奴だなと感じた…。

そして、屋敷に入る為、階段を登り始めると私達に声を掛ける人物がいた。

「やっと帰ってきたか、クロウ」

私は声のする方を見ると男性が見えた。

「わざわざ待ち構えているとはな、アラン」

私達は階段を登り切る。

「んっ?そちらは?」

男性はこれまた高貴な人なんだろうか、街で見た感じとは違い、着ている服はシルクを素材にしているのか光沢があり、羽織る赤いローブがまた良く似合う感じだった。
また、背が高く、綺麗に後ろに纏められたシルバーの髪がこれまた良く似合っていた。

そんな人を私は少し見惚れてしまった…。

「あやか、だ」

「あやかさん…ここでは珍しい名前だな。はじめまして。ローツェ=アランと申します」

アランさんは私の前で膝をつき、挨拶をした。

(全然クロウさんと違う…)

挨拶を終え、顔を上げるアランさんだったが、私はジーっと見ていてしまい、困惑させてしまってる様子だった。

「あの…私の顔に何か付いてますか?」

「あっ、すみません!」

すぐに頭を下げ、謝った。

「いいえ、大丈夫ですよ。顔を上げて下さい。
クロウ、あやかさんを何故連れてきたんだ?」

「こいつは、医師だ。俺の足を見てすぐ分かったんだ。それに馬の気持ちもわかるらしい、凄いだろ!
だから連れてきた」

自信満々に答えるクロウさんをアランさんは見ずに私の方を見てきた。
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