現実は非モテでも、転生先ではモテモテで求婚されまくりで迷惑です

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兄弟

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私を見るアランさんは何も言わなかった。

「あの…」

「失礼…お美しいと思い、見惚れてしまいました。申し訳ありません」

再び私に向け、頭を下げた。

「さぁ、こんなところではなんですから中にどうぞ」

アランさんは立ち、私を中に招こうとした。
しかし、クロウさんは不機嫌そうに言う。

「おい、アラン。今の言葉はなんだ?」

「今のとは?」

「あやかに対してだ。『見惚れた』ってなんだ?俺が最初に思ったんだ、邪魔するな!」

あろう事か…私はアランさんにも好意を持たれたみたいだった…。
私の何が良いのだろうか…?

声を上げるクロウさんにアランさんは近づき、耳元で何かを話した。
その言葉は私には聞こえなかったが、クロウさんは少し動揺とも苛立ちとも取れる顔を見せていた。

「ちっ、卑怯だな、お前」

「ははっ、順番を恨むんだね。さぁ、行きましょうか、あやかさん」

私はアランさんの後に続き屋敷の中に初めて足を入れた。


「うわぁ…」


中は豪華絢爛な装飾や美術品などが多数あった。
一つ一つがとても高く壊したらとんでもないだろうなとはすぐに分かった…。

「あやか、壊したら働いても返せる物じゃないぞ?」

「わ、分かってます。触りませんよ…」

アランさんを先頭に私とクロウさんは広い廊下を歩く。
周りはいくつも扉があり、その一つ一つに凝った装飾が施されている。
見ると花をモチーフにしているものが大半だった。

「この花のモチーフは誰が作るように?」

アランさんが足を止めて言う。

「それは、私です。メイド達が少しでも気持ち良く働いてくれたらと思って」

「そうなんですか」

(アランさんって結構ロマンチストなのかな?女性の気持ちとかちゃんと汲み取ってくれそうかも…)

私がアランさんと話す姿を見てクロウさんが間を割って入ってきた。

「アラン、わざわざ屋敷前で俺を待つなら何か用があったんだろう?なんだ?」

アランさんは、ふぅ…と一息吐き、クロウさんと向き合った。

「もう少し経てば王の子が生まれるだろう?それなのに狩りにいくとは…自由気ままな兄を迎えたのにそれはないのでは?」

「あぁ…そういえばそうだったな。気にも留めなかった」

私は聞き逃さなかった…。

「ちょ、ちょっと待ってください…お二人、兄弟なんですか??」

クロウさんとアランさんは私の声に同時に反応し言う。

「あぁ」
「そうですよ」

(同じ兄弟でも性格も違いすぎる…)

廊下で私達がやり取りしていると、メイドと思われる人がやって来た。
その様子は酷く慌てている感じだ。

「あっ、こんな所にいたんですか、アラン様。…それにクロウ様も。早くいらしてください!もうすぐお生まれになります!早く!?」

二人に伝言を伝えるとメイドは直ぐに引き返していく。

しかし、二人はメイドを追いかける訳でもなくその場に留まった…。
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