現実は非モテでも、転生先ではモテモテで求婚されまくりで迷惑です

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厚意とは逆の望み

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「あやか、さん。珍しいお名前ですね」

私に語りかける口調がとても柔らかく、品の良い人だとすぐに分かった。
出産直後とは言え、部外者の私にも丁寧に接する王妃様からクロウさんみたいな人が生まれるなんて…と少し残念に感じてしまった。

「すみません…部外者の私がこんな場所にいて…」

「いいえ、王があなたを迎えたのですから、もう部外者ではありませんよ。ゆっくりしていってください」

「あ、ありがとうございます」

話が終わったタイミングで私はメイドに声を掛けられた。

「どうぞ、こちらに」

クロウさんやアランさんはそのまま部屋に残り、しばしの団欒を過ごす様だった。
部屋を出て、私はメイドの後をついて行く。
だが、何回も右に左にと曲がり、今どこら辺かが分からなくなってしまった。

「こちらがあなた様の部屋になります」

ガチャっと開けると一人で使うには広すぎる部屋だった。元の世界では六畳程しかないワンルームだったのに、いまではゆうに数人程きても余るくらいな部屋だった。

「こんな部屋を一人で…?」

「お気に召さなかったですか?この部屋は今は誰も使ってないのですが…」

「あっ、いえ、私には十分過ぎます。大丈夫です。ありがとうございます」

「そうですか、ごゆっくりお過ごし下さい」

メイドさんは私に頭を下げ、扉を閉めた。

私は部屋の中を改めて見て回った…。
十分過ぎる大きさ、部屋に置かれたテーブルや椅子も多分アンティークだ。
ベットに至っては一人じゃ広すぎるキングサイズ…。
客人をもてなす用にある豪華な応接セット。
私1人にこれだけの部屋を用意出来る位の人なんだなとしみじみ思い返した。

ふと窓の外を見ると真っ暗になっていた。

(あ…寝たら私、戻れるかな、日本に…)

グゥゥゥ…

そう言えば全く何も食べていなかったのを今更になって思い出した。

コンコン…

ノックの音がし、私は返事をする。

「はい。どうぞ」

ガチャっと開けて入ってきたのはクロウさんだった。

「あやか、どうだ?この部屋は、気に入ったか?」

「私には大き過ぎます。なにもかも…」

「そうかそうか、まぁ、ゆっくりしていけば良い」

グゥゥゥ…

私はまた盛大にお腹の虫を鳴かせてしまった。

「ははははっ!そんなに腹が減ってるのか!待ってろ、すぐ持ってきてやる」

私は顔を真っ赤にして下を向いた。
1度ならずとも2度もクロウさんに聞かれてしまった。
クロウさんはそんな私を笑いながら部屋を出ていく。
いきなり色々な事が起こり、頭の中は混乱しっぱなしだ。
寝たら戻れる…ただ、それだけを願い、クロウさんがご飯を持ってきてくれるよりも前に私は一際大きなベットに戻り込み、目を閉じた。
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