11 / 120
生まれた子と王・王妃
しおりを挟む
ほぎゃあ、ほぎゃあ…
「おっ、生まれたみたいだな」
中から医師達が出てきて、二人に伝える。
「クロウ様、アラン様、お生まれになりましたよ、元気な男の子であります」
「男、か…」
クロウさんは何故か残念そうな顔を見せるが、アランさんは嬉しそうだ。
「これでその子は第五王子だな、クロウ」
「ちっ、女は生まれないのか…この国には…」
二人を見る私はどちらに声を掛けるべきか悩んだ。
いや、今は声を掛けるより二人で話すべきじゃないかなとも思ったので、少し距離を置くことにした。
でも、クロウさんが私を見る。
目が合い、咄嗟に目を逸らし廊下の窓に目を向けた。
「おい、あやか。中に入れ」
「えっ…何故ですか?部外者ですよ、私」
首を横に振り、中に入るのを拒否したが、つかつかと近づき、私の服を掴み、中に連れていった。
続いてアランさんも入る。
中には生まれたばかりの小さな男の子が眠らされている。
それに近くにはこの国の王様と出産を終えたばかりの女性がいた。
椅子に座る王様はアランさんと同じシルクの服を着ており、勲章と見られる装飾を幾つもつけていた。
「おぉ、クロウにアランか。生まれたぞ。お前達の弟だ」
クロウさんが
「父よ、おめでとうございます」と言えば
「父上、また一つ宝が増えましたね」とアランさんは
言う。
私はただ二人の後ろで戸惑いながら立っていた。
「おや、誰だ?そなたは?」
「あっ、あの、私は…」
「俺が連れてきた医者だ。いいだろう、父よ。一人くらい増えても」
クロウさんは許可を得る前に強引に屋敷に置こうとしてきた。
私の気持ちなんてお構いなしに…。
「医者か…構わんが、とりあえず近くで顔を見せてくれないか?」
クロウさんは私の背中をグッと押し、王様の前に行く様に促し、私はゆっくりと前を歩いた。
(髪見せろって言われたらどうしよう…ビックリして部屋の外の兵を呼ばれるんじゃ…)
私は歩きながら両手に握り拳を作ってしまった。
王様の前に立ち、しばらく私の顔をじっくりと見てきた。
(この王様…目が青い…)
私は髪の事を忘れ、ジッと王様の目を見続けてしまっていた。
「そんな固くなるな、医者なんだって?」
「父よ、医者でもあるが、馬の気持ちも分かるらしい。こんな医者を手放すのは惜しいと思うぞ?」
「ほぉ…馬もか。珍しいな、いいだろう。おい、この者に部屋を用意しろ」
王様は部屋に給仕としていたメイドに私の部屋を用意する様に指示していた。
私はホッと息を一つ吐くと同時に髪を見られたりされなくて良かった…と安堵の表情を見せた。
「あなた…お名前は?」
出産を終えた女性…ここでは王様の奥様だろうが私に声を掛けてきた。
とても髪が長く、色はブロンズだ。
顔が小さく、目筋がしっかりとしており、同じ女性だが、見惚れてしまう程だった…。
「あの…」
私は少しボーッとしてしまっていた。
「あっ!すみません、えっと…」
私はフルネームで答えるべきかどうかを迷った。
この世界には無い名前だからクロウさんみたいに聞き取れないのでは無いだろうかと思ったからだ。
「私は…あやか、といいます」
名字は言わずに分かりやすく名前だけを答えた。
「おっ、生まれたみたいだな」
中から医師達が出てきて、二人に伝える。
「クロウ様、アラン様、お生まれになりましたよ、元気な男の子であります」
「男、か…」
クロウさんは何故か残念そうな顔を見せるが、アランさんは嬉しそうだ。
「これでその子は第五王子だな、クロウ」
「ちっ、女は生まれないのか…この国には…」
二人を見る私はどちらに声を掛けるべきか悩んだ。
いや、今は声を掛けるより二人で話すべきじゃないかなとも思ったので、少し距離を置くことにした。
でも、クロウさんが私を見る。
目が合い、咄嗟に目を逸らし廊下の窓に目を向けた。
「おい、あやか。中に入れ」
「えっ…何故ですか?部外者ですよ、私」
首を横に振り、中に入るのを拒否したが、つかつかと近づき、私の服を掴み、中に連れていった。
続いてアランさんも入る。
中には生まれたばかりの小さな男の子が眠らされている。
それに近くにはこの国の王様と出産を終えたばかりの女性がいた。
椅子に座る王様はアランさんと同じシルクの服を着ており、勲章と見られる装飾を幾つもつけていた。
「おぉ、クロウにアランか。生まれたぞ。お前達の弟だ」
クロウさんが
「父よ、おめでとうございます」と言えば
「父上、また一つ宝が増えましたね」とアランさんは
言う。
私はただ二人の後ろで戸惑いながら立っていた。
「おや、誰だ?そなたは?」
「あっ、あの、私は…」
「俺が連れてきた医者だ。いいだろう、父よ。一人くらい増えても」
クロウさんは許可を得る前に強引に屋敷に置こうとしてきた。
私の気持ちなんてお構いなしに…。
「医者か…構わんが、とりあえず近くで顔を見せてくれないか?」
クロウさんは私の背中をグッと押し、王様の前に行く様に促し、私はゆっくりと前を歩いた。
(髪見せろって言われたらどうしよう…ビックリして部屋の外の兵を呼ばれるんじゃ…)
私は歩きながら両手に握り拳を作ってしまった。
王様の前に立ち、しばらく私の顔をじっくりと見てきた。
(この王様…目が青い…)
私は髪の事を忘れ、ジッと王様の目を見続けてしまっていた。
「そんな固くなるな、医者なんだって?」
「父よ、医者でもあるが、馬の気持ちも分かるらしい。こんな医者を手放すのは惜しいと思うぞ?」
「ほぉ…馬もか。珍しいな、いいだろう。おい、この者に部屋を用意しろ」
王様は部屋に給仕としていたメイドに私の部屋を用意する様に指示していた。
私はホッと息を一つ吐くと同時に髪を見られたりされなくて良かった…と安堵の表情を見せた。
「あなた…お名前は?」
出産を終えた女性…ここでは王様の奥様だろうが私に声を掛けてきた。
とても髪が長く、色はブロンズだ。
顔が小さく、目筋がしっかりとしており、同じ女性だが、見惚れてしまう程だった…。
「あの…」
私は少しボーッとしてしまっていた。
「あっ!すみません、えっと…」
私はフルネームで答えるべきかどうかを迷った。
この世界には無い名前だからクロウさんみたいに聞き取れないのでは無いだろうかと思ったからだ。
「私は…あやか、といいます」
名字は言わずに分かりやすく名前だけを答えた。
0
あなたにおすすめの小説
聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!
碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった!
落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。
オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。
ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!?
*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月 瑠々奈
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
四葉美名
恋愛
「危険です! 突然現れたそんな女など処刑して下さい!」
ある日突然、そんな怒号が飛び交う異世界に迷い込んでしまった橘莉子(たちばなりこ)。
竜王が統べるその世界では「迷い人」という、国に恩恵を与える異世界人がいたというが、莉子には全くそんな能力はなく平凡そのもの。
そのうえ莉子が現れたのは、竜王が初めて開いた「婚約者候補」を集めた夜会。しかも口に怪我をした治療として竜王にキスをされてしまい、一気に莉子は竜人女性の目の敵にされてしまう。
それでもひっそりと真面目に生きていこうと気を取り直すが、今度は竜王の子供を産む「運命の花嫁」に選ばれていた。
その「運命の花嫁」とはお腹に「竜王の子供の魂が宿る」というもので、なんと朝起きたらお腹から勝手に子供が話しかけてきた!
『ママ! 早く僕を産んでよ!』
「私に竜王様のお妃様は無理だよ!」
お腹に入ってしまった子供の魂は私をせっつくけど、「運命の花嫁」だとバレないように必死に隠さなきゃ命がない!
それでも少しずつ「お腹にいる未来の息子」にほだされ、竜王とも心を通わせていくのだが、次々と嫌がらせや命の危険が襲ってきて――!
これはちょっと不遇な育ちの平凡ヒロインが、知らなかった能力を開花させ竜王様に溺愛されるお話。
設定はゆるゆるです。他サイトでも重複投稿しています。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】旦那様!単身赴任だけは勘弁して下さい!
たまこ
恋愛
エミリーの大好きな夫、アランは王宮騎士団の副団長。ある日、栄転の為に辺境へ異動することになり、エミリーはてっきり夫婦で引っ越すものだと思い込み、いそいそと荷造りを始める。
だが、アランの部下に「副団長は単身赴任すると言っていた」と聞き、エミリーは呆然としてしまう。アランが大好きで離れたくないエミリーが取った行動とは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる