現実は非モテでも、転生先ではモテモテで求婚されまくりで迷惑です

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パーティーまであと数分

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中に入ってくるのはマリーさんだった。

「クロウ様。…あ、あやかさん、いたの?」

「すみません…」

「なんだ?もう時間か?」

さっき見た時は1時間位あったはずなのに、と思い再び時計を見ると、言われていた2時間が経とうとしていた。

マリーさんは、ご準備を。と告げるとクロウさんは椅子から立ち扉へと向かった。
それを横目で見ると私に近づいて耳打ちをしてくる。

「大丈夫?」

「えっ…」

クロウさんが近くにいる為か、マリーさんはそれ以上何も言わなかった。

「あやか、いくぞ」

スッと私から離れるマリーさんは、こくりと頷くが、その目は何か言いたげだった。

(なんだろう…大丈夫って)

でも、今はクロウさんについて行かないと、と思い椅子から立ち私も扉へと向かい、2人で部屋を出た。
部屋にマリーさんを残したまま…。

「会場は何処なんですか?」

「こっちだ」

クロウさんの部屋を出て屋敷のさらに奥に進むと一際大きな扉が姿を現した。
そして、デカくモチーフが施されているが、これは…
星座?

何座かは分からなかったがなんとなく見た覚えがある感じがした。

扉の前で立ち止まり、扉のモチーフを見ている私に対しクロウさんは少し口調強めで言ってきた。

「もう少ししたら客人が来る。そろそろ妻として俺を意識しろ」

妻…。
さっきまでそんな意識は全くなく接して来た。
いきなり言われた事で、ついに始まるんだと不安になってきた。

さらにクロウさんは続ける。

「今までみたいに、『さん』付けで呼ぶな。
『あなた』とかそんな感じにしろ。いいな」

「…急に言われても」

「なら、一度呼んでみろ。俺を、『あなた』と」

私はクロウさんと向き合ったが、なかなかその言葉を発する事が出来なかった。
付き合った事さえ無かったのに、いきなり『あなた』なんてハードルが高かったからだ。

「早くしろ、来るぞ?」

「あ、あな、あな…た…」

「なんだ、それ。ちゃんと呼べ。もう一度だ。
それに、こんな呼び方以上のことをこれからするんだぞ?なに照れている?」

そう、呼ぶなんてまだ序の口だった。
私にはまだダンスがある…。
そう思い、言葉を発した。

「あなた」

私よりクロウさんの方が恥ずかしかったのか赤くなっていた。
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