皇帝陛下!私はただの専属給仕です!

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祝宴前夜

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ビックリだった。
母とミク専属長…。
知らないとこで繋がっているんだなと思い、手渡されたケーキを部屋に持ち帰る。

「おかえり、マール…ってケーキ?」
「そう。いろんな思いが詰まったケーキ」
ミーネに私の母とミク専属長の話をし、このケーキが出来たことを伝えた。
「そうだったんだね~、陛下が好きなんだ。クリームは絶対NGだと暗黙のルールになっていたけど、これなら~なんだね」
「そうみたい。パーティーには陛下も出るはずだし、コッソリ出してみようかなって思ってる」
「喜ぶと良いね~、それに、マールも雑用には戻りたくないしね」
「そこ!?それが一番大事!もうナーシャさんはこき使うし、細かいし、揚げ足とるし、こりごりだよ…」

ガチャ

「?!」

「おやっ、今日はケーキなんだね」
「フラン!脅かさないでよ!ナーシャさんかと思った~」
「あははは」
事情を知らないフランはポカンとした顔をしたけど、私のケーキに手を伸ばし、食べ始めた。


とうとう明日が祝宴日。

巨大なケーキは完成間近、様々な料理にデザート。
テーブルセッティングなど最終チェックをしながらミク専属長は周りに指示を出しながら部屋を歩き回る。
私も、あのケーキをどのタイミングで出そうか思案している。
妃主催のパーティーだから要人やら沢山来るはずだし、そこを見計らって…。
それか、巨大なケーキを切り分けて渡すけど、実はこのケーキ、みたいなドッキリとか…。

「マール、明日は色んな方が見えるけど、あのケーキは忘れずに」
ミク専属長も気にしてくれてるみたいだし、頑張らねば。

バンッ

「陛下!」

「お~、明日だからどうかと思い、見に来たが出来たみたいだな」
「はい、皆が頑張ったおかげで無事に」

一通り辺りをぐるりと見渡しながら満足げな顔をしている。
周りでは最後の追い上げのため、準備をする給仕達。
もちろん、その中に私もいる。

「ミク、少し話がある。後で私の部屋に来い」
「かしこまりました、陛下」

帰り際、私の前を通る陛下は少し足を止め
「おい、あれは出すのか?」
と小声で私に話した。

どうやら、気に入ってるのは本当みたいで。

何も言わず、私は出来たばかりのあのケーキを差し出し、陛下は軽く笑みを浮かべ、部屋を出た。

そして…

パーティー当日を迎える。
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