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『キジンの復活』編
第4話 ⑧
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「たっだいま~っ!」
と元気よくアスカが戻ってきた時には、オレ達はすでにヴァシティガの洞窟にたどり着いていた。
「あれ、もう着いてたんだ。もしかして私を待ってた?」
「いや、馬車を急がせたってのもあるし、思ってたほどの距離でもなかったみたいだぜ。
たった今到着したばかりだから待っちゃいないよ」
「戦女神様もご帰還されたようだな?」
「あ、ああ……」
「よし、では向かおうか」
サアルにリーダーを持っていかれてる気がしてなんとも微妙な気分だ。
だが、こうしてオレ達は薄暗い洞窟に足を踏み入れた。
冷たい空気と湿った土の臭い。環境の変化に五感が一気に刺激される。
「暗いな。待っていろ、俺が明かりを灯そう」
と言って、サアルは右手の手皿を胸の前に持っていき、呪文を唱える。
「──〈グロウ・ブライト〉」
サアルの手に現れた光の球が辺りを明るく照らす。
見えたのはコケだらけの岩肌むき出しの変哲のない洞窟。モンスターの姿はない。
「光魔法、便利だナ」
「そうですね。明かりなら炎魔法でも出せますけど、狭い通路だと熱くて大変なんですよ」
「はは。この程度、お安い御用だ」
どうせオレは明かりすら出せないですよーだ。
って、何考えてんだオレは。これじゃオレの方が歩く嫉妬心じゃねぇか……
「──どうしたのよ、ガウル。さっきからムスッとしちゃって……」
「別に。なんでもないよ」
「そういえば、やたら経験値が入ってたけど、私がいない間に何かあったの?」
「ああ、お前が消えた直後にな──」
オレはアスカに事の次第を説明した。
「──というわけで、あいつが大活躍ってなわけ」
「なるほど。で、嫉妬してたんだ、ガウル」
「してねぇよっ!」
バレてるっ……
「まあ、サアルって全体的にステータス高いしね」
「マジかよ……」
「さすがに魔法攻撃力はシェルティが、武器攻撃力と素早さはリゼの方が上だけど。専門職だしね、二人共」
「オレは? オレがサアルに勝ってるところは!」
「ああ、うーん……ないわね!」
うああ……あんまりだぁっ!
英雄って! 英雄って何!?
「まあ、全体的にステータス高くても最終的に器用貧乏になりそうだし──って、聞いてる? ガウル?」
「……オレの存在意義って、一体……」
「ああ、聞こえてないわ。これ……
せっかく英雄限定の『超必殺技』の話、しようと思ったのに」
超……必殺技? 英雄限定!?
「なんだ、それ! この際、その安直すぎるネーミングにはつっこまないから詳しく教えてくれ!」
「ガウル。あんたも大概単純ね。私的にはその方がいいけどさ。
超必殺技っていうのは、私達の『コミュレベル』がお互いに五になった時に使えるようになるらしいの」
「コミュレベル?」
「コミュニティレベル。信頼度や絆の値のことかしら」
オレとアスカの信頼度まで数値化されても困るんだが。そもそもどういう基準で数値にしてんだよ……
「ちなみに、今のオレ達は?」
「それがさぁ……二人共、四で止まってるのよ」
「止まってる? って、上がらなくなったのか?」
「そう。次のレベルまであといくつって数字が出るんだけど、それも〇になったまま上がらないのよ。何か特別な条件でも必要なのかしら?」
「オレに聞かれても……」
普段からオレが心の中でブツブツ文句言ってるのが影響してるんだろうか。
何それ、心まで見透かされてるの? 怖い……
「ちなみに、超必殺技ってどんなのだ?」
「さぁ? 単純に大ダメージを与える技か、防御に徹する技か、実際に覚えてみないとわからないわよ」
「行き当たりばったりだな、おい……」
何度も感じてるけど、戦女神の英雄なのに戦女神の管理下にないような気がする。
やっぱりアスカは戦女神じゃな──待て。そんな考えが超必殺技の修得を妨げてるのかも。
「この前の〈ヒロイック・コンビネーション〉だって行き当たりばったりだったでしょ。
そういえばあれって、他の組み合わせでもできるのかしら?」
「とにかく、一緒に頑張ろうぜ! 戦女神様っ!」
「何よ、いきなりキモいわね。笑顔引きつってるし……」
オレだって仲良くなろうと頑張ってるのに、キモい発言はひどいだろ。
コミュレベル、上がる気がしないな、これ……
「でもさ、ガウルはガウルができることをすればいいんじゃないの?」
少し困ったように呆れたように、でも優しく、アスカはそんな笑顔を浮かべてオレにそう言った。
「……えっ……」
一瞬、何か胸の奥で震えた気がした。その感情が何だったのかオレにはわからない。
「その『できること』がないから嘆いてるんだよ……」
シェルティもリゼもサアルだって、みんな実力者ぞろいだ。それに比べて、オレはつい最近まで小さな村のしがない自警団員だった。嫌でもみんなと比べちゃうんだよなぁ……
そして、オレはただ情けなく、そう言い捨てることしかできなかった。
***
──その後、洞窟を進んだオレ達は、ラットなどの弱いモンスターに何度か遭遇したものの、特に何事もなく最深部に到着した。
最深部は洞窟内でありながら広いドーム型の広場になっていて、そこにあったのはたった一つの白い金属製の扉。
中央には扉が開かないように四角い緑色の石がはめ込まれていて、キラキラと輝いている。
「モンスターが狂暴化していると聞いたが、洞窟内部のモンスターは平常だ。むしろ少ないくらいだが……」
「洞窟はモンスターの根城になりやすいですからね。確かにここのモンスターは異常に少ない気がしました」
「でもまあ、とりあえずオレ達はまず調査だな……」
オレ達はそろって白い金属製の扉を見上げた。高さは三メートルはありそうだ。
「でも、これが例の開かずの扉? 周囲の風景に馴染まナイ、変な扉ダナ」
「周りはコケと土と岩ばかりですしね。調査というのは具体的に何をすればよいのでしょう?」
しばらく周囲を見て回るオレ達。もちろん扉はどうやっても開かず、他に特に何か変な場所もない。
オレ達が行き詰まっている中、ふとアスカが扉の石に近付く。
「四角い緑色の石。明らかに人工的な石よね。エメラルドかしら、これ……」
アスカが石に触れた瞬間、地面が揺れて地中から扉の石と同じ石が二個飛び出してきた。
「なんだ、あれ!?」
「攻撃魔法と同じ気配……。皆さん、気を付けてください!
ただの石にしか見えませんがモンスターだと思います!」
「なんだって!」
オレ達は慌てて武器を取って身構えた。アスカは〈ラプソディ〉を使い、敵の注意を引く。
二個の石はクルクル回りながら中央に浮いていただけだったが、そのうちの一個が勢いよくサアルに突進していく。
「なっ、なんだ! こいつらはっ──」
サアルは石を避けながら叫ぶが、その石がいきなり直角に曲がって避けきれずに突き倒された。
「お、おい! 大丈夫か!」
「ぐっ……構うな、平気だ」
「オレに攻撃してこない。ってことは〈ラプソディ〉が効かない? 石だから意思がないからか?」
「何それ、オヤジギャグ?」
「違うわっ! アスカ、そんなこと言ってる場合じゃないっての!」
この期に及んで笑えない漫才しててどうする。サアルはオレを無視して銃を構える。
「おのれ、雷撃弾装填! 迸れ!」
サアルの銃から放たれた弾丸が石に当たると、カキュンッと跳ね返ってオレの足元に着弾してバチバチと放電した。
「う、うわっ!」
「あっ……。跳弾に気を付けたまえ」
「あっ……って何だよ! 撃ってから言うなっ!」
オレとサアルが遊んでいると、リゼは瞬間移動で石を短刀で斬りつける。
だが、膜のようなものにはじかれてしまう。
「今の〈パッシブ・ガード〉? 魔族以外でも使えるノカ!?」
「短刀を弾いたなら物理攻撃がダメってことか」
「なら、魔法で攻撃するだけですね。わたくしにお任せを!」
シェルティが呪文を唱え始めた瞬間、石が猛スピードでシェルティの体にぶつかっていく。
彼女は悲鳴にならない声をあげて激しく地面に倒された。
「マズいわ、ガウル! 何度か〈ラプソディ〉をかけてるのに全く意味がないみたい。
さっきの一撃でシェルティのHPも半分くらい減っちゃったし……」
シェルティを守らないといけないのは確かだ。だけど、あの石の速度は相当速い。
走って逃げ切るのは難しいだろうし、直角にも曲がれるようで動きが読めない。
どうすればいい……と考えてもすぐに答えは見付かりそうもない。
とりあえずまずやるべきことを優先させないと。
「回復魔法だ! シェルティの回復を!」
「了解した」
ゆっくり上半身を起こしたシェルティに駆け寄ると、サアルが呪文を唱えようとするが、そこでシェルティの声が響く。
「待ってください、サアルさん!」
直後、今度はサアルの方へ石は飛んでいく。
それが背中に直撃してサアルはシェルティを押し倒すように地面に突っ伏す。
「……痛たた。鎧がなければ危なかったな」
「サアルさん……あの……手をどけてください」
「うおぁっ! こ、これは不可抗力だ。断じてわざとでは断じてないっ!」
断じて、を二回言うくらい焦って飛び起きるサアル。
オレからは見えなかったけど、どこ触ったんだ……あいつ……
「って、イチャついてる場合じゃないぞ。あいつ、呪文を唱えようとすると攻撃をしかけてくるみたいだ!」
「はい。攻撃魔法でも回復魔法でも、全ての魔法に反応してしまうようです」
「武器が効かズ、魔法は唱えられナイ。なら、どうすればイイ!?」
確かにどうすればいいんだ、この状況……
と元気よくアスカが戻ってきた時には、オレ達はすでにヴァシティガの洞窟にたどり着いていた。
「あれ、もう着いてたんだ。もしかして私を待ってた?」
「いや、馬車を急がせたってのもあるし、思ってたほどの距離でもなかったみたいだぜ。
たった今到着したばかりだから待っちゃいないよ」
「戦女神様もご帰還されたようだな?」
「あ、ああ……」
「よし、では向かおうか」
サアルにリーダーを持っていかれてる気がしてなんとも微妙な気分だ。
だが、こうしてオレ達は薄暗い洞窟に足を踏み入れた。
冷たい空気と湿った土の臭い。環境の変化に五感が一気に刺激される。
「暗いな。待っていろ、俺が明かりを灯そう」
と言って、サアルは右手の手皿を胸の前に持っていき、呪文を唱える。
「──〈グロウ・ブライト〉」
サアルの手に現れた光の球が辺りを明るく照らす。
見えたのはコケだらけの岩肌むき出しの変哲のない洞窟。モンスターの姿はない。
「光魔法、便利だナ」
「そうですね。明かりなら炎魔法でも出せますけど、狭い通路だと熱くて大変なんですよ」
「はは。この程度、お安い御用だ」
どうせオレは明かりすら出せないですよーだ。
って、何考えてんだオレは。これじゃオレの方が歩く嫉妬心じゃねぇか……
「──どうしたのよ、ガウル。さっきからムスッとしちゃって……」
「別に。なんでもないよ」
「そういえば、やたら経験値が入ってたけど、私がいない間に何かあったの?」
「ああ、お前が消えた直後にな──」
オレはアスカに事の次第を説明した。
「──というわけで、あいつが大活躍ってなわけ」
「なるほど。で、嫉妬してたんだ、ガウル」
「してねぇよっ!」
バレてるっ……
「まあ、サアルって全体的にステータス高いしね」
「マジかよ……」
「さすがに魔法攻撃力はシェルティが、武器攻撃力と素早さはリゼの方が上だけど。専門職だしね、二人共」
「オレは? オレがサアルに勝ってるところは!」
「ああ、うーん……ないわね!」
うああ……あんまりだぁっ!
英雄って! 英雄って何!?
「まあ、全体的にステータス高くても最終的に器用貧乏になりそうだし──って、聞いてる? ガウル?」
「……オレの存在意義って、一体……」
「ああ、聞こえてないわ。これ……
せっかく英雄限定の『超必殺技』の話、しようと思ったのに」
超……必殺技? 英雄限定!?
「なんだ、それ! この際、その安直すぎるネーミングにはつっこまないから詳しく教えてくれ!」
「ガウル。あんたも大概単純ね。私的にはその方がいいけどさ。
超必殺技っていうのは、私達の『コミュレベル』がお互いに五になった時に使えるようになるらしいの」
「コミュレベル?」
「コミュニティレベル。信頼度や絆の値のことかしら」
オレとアスカの信頼度まで数値化されても困るんだが。そもそもどういう基準で数値にしてんだよ……
「ちなみに、今のオレ達は?」
「それがさぁ……二人共、四で止まってるのよ」
「止まってる? って、上がらなくなったのか?」
「そう。次のレベルまであといくつって数字が出るんだけど、それも〇になったまま上がらないのよ。何か特別な条件でも必要なのかしら?」
「オレに聞かれても……」
普段からオレが心の中でブツブツ文句言ってるのが影響してるんだろうか。
何それ、心まで見透かされてるの? 怖い……
「ちなみに、超必殺技ってどんなのだ?」
「さぁ? 単純に大ダメージを与える技か、防御に徹する技か、実際に覚えてみないとわからないわよ」
「行き当たりばったりだな、おい……」
何度も感じてるけど、戦女神の英雄なのに戦女神の管理下にないような気がする。
やっぱりアスカは戦女神じゃな──待て。そんな考えが超必殺技の修得を妨げてるのかも。
「この前の〈ヒロイック・コンビネーション〉だって行き当たりばったりだったでしょ。
そういえばあれって、他の組み合わせでもできるのかしら?」
「とにかく、一緒に頑張ろうぜ! 戦女神様っ!」
「何よ、いきなりキモいわね。笑顔引きつってるし……」
オレだって仲良くなろうと頑張ってるのに、キモい発言はひどいだろ。
コミュレベル、上がる気がしないな、これ……
「でもさ、ガウルはガウルができることをすればいいんじゃないの?」
少し困ったように呆れたように、でも優しく、アスカはそんな笑顔を浮かべてオレにそう言った。
「……えっ……」
一瞬、何か胸の奥で震えた気がした。その感情が何だったのかオレにはわからない。
「その『できること』がないから嘆いてるんだよ……」
シェルティもリゼもサアルだって、みんな実力者ぞろいだ。それに比べて、オレはつい最近まで小さな村のしがない自警団員だった。嫌でもみんなと比べちゃうんだよなぁ……
そして、オレはただ情けなく、そう言い捨てることしかできなかった。
***
──その後、洞窟を進んだオレ達は、ラットなどの弱いモンスターに何度か遭遇したものの、特に何事もなく最深部に到着した。
最深部は洞窟内でありながら広いドーム型の広場になっていて、そこにあったのはたった一つの白い金属製の扉。
中央には扉が開かないように四角い緑色の石がはめ込まれていて、キラキラと輝いている。
「モンスターが狂暴化していると聞いたが、洞窟内部のモンスターは平常だ。むしろ少ないくらいだが……」
「洞窟はモンスターの根城になりやすいですからね。確かにここのモンスターは異常に少ない気がしました」
「でもまあ、とりあえずオレ達はまず調査だな……」
オレ達はそろって白い金属製の扉を見上げた。高さは三メートルはありそうだ。
「でも、これが例の開かずの扉? 周囲の風景に馴染まナイ、変な扉ダナ」
「周りはコケと土と岩ばかりですしね。調査というのは具体的に何をすればよいのでしょう?」
しばらく周囲を見て回るオレ達。もちろん扉はどうやっても開かず、他に特に何か変な場所もない。
オレ達が行き詰まっている中、ふとアスカが扉の石に近付く。
「四角い緑色の石。明らかに人工的な石よね。エメラルドかしら、これ……」
アスカが石に触れた瞬間、地面が揺れて地中から扉の石と同じ石が二個飛び出してきた。
「なんだ、あれ!?」
「攻撃魔法と同じ気配……。皆さん、気を付けてください!
ただの石にしか見えませんがモンスターだと思います!」
「なんだって!」
オレ達は慌てて武器を取って身構えた。アスカは〈ラプソディ〉を使い、敵の注意を引く。
二個の石はクルクル回りながら中央に浮いていただけだったが、そのうちの一個が勢いよくサアルに突進していく。
「なっ、なんだ! こいつらはっ──」
サアルは石を避けながら叫ぶが、その石がいきなり直角に曲がって避けきれずに突き倒された。
「お、おい! 大丈夫か!」
「ぐっ……構うな、平気だ」
「オレに攻撃してこない。ってことは〈ラプソディ〉が効かない? 石だから意思がないからか?」
「何それ、オヤジギャグ?」
「違うわっ! アスカ、そんなこと言ってる場合じゃないっての!」
この期に及んで笑えない漫才しててどうする。サアルはオレを無視して銃を構える。
「おのれ、雷撃弾装填! 迸れ!」
サアルの銃から放たれた弾丸が石に当たると、カキュンッと跳ね返ってオレの足元に着弾してバチバチと放電した。
「う、うわっ!」
「あっ……。跳弾に気を付けたまえ」
「あっ……って何だよ! 撃ってから言うなっ!」
オレとサアルが遊んでいると、リゼは瞬間移動で石を短刀で斬りつける。
だが、膜のようなものにはじかれてしまう。
「今の〈パッシブ・ガード〉? 魔族以外でも使えるノカ!?」
「短刀を弾いたなら物理攻撃がダメってことか」
「なら、魔法で攻撃するだけですね。わたくしにお任せを!」
シェルティが呪文を唱え始めた瞬間、石が猛スピードでシェルティの体にぶつかっていく。
彼女は悲鳴にならない声をあげて激しく地面に倒された。
「マズいわ、ガウル! 何度か〈ラプソディ〉をかけてるのに全く意味がないみたい。
さっきの一撃でシェルティのHPも半分くらい減っちゃったし……」
シェルティを守らないといけないのは確かだ。だけど、あの石の速度は相当速い。
走って逃げ切るのは難しいだろうし、直角にも曲がれるようで動きが読めない。
どうすればいい……と考えてもすぐに答えは見付かりそうもない。
とりあえずまずやるべきことを優先させないと。
「回復魔法だ! シェルティの回復を!」
「了解した」
ゆっくり上半身を起こしたシェルティに駆け寄ると、サアルが呪文を唱えようとするが、そこでシェルティの声が響く。
「待ってください、サアルさん!」
直後、今度はサアルの方へ石は飛んでいく。
それが背中に直撃してサアルはシェルティを押し倒すように地面に突っ伏す。
「……痛たた。鎧がなければ危なかったな」
「サアルさん……あの……手をどけてください」
「うおぁっ! こ、これは不可抗力だ。断じてわざとでは断じてないっ!」
断じて、を二回言うくらい焦って飛び起きるサアル。
オレからは見えなかったけど、どこ触ったんだ……あいつ……
「って、イチャついてる場合じゃないぞ。あいつ、呪文を唱えようとすると攻撃をしかけてくるみたいだ!」
「はい。攻撃魔法でも回復魔法でも、全ての魔法に反応してしまうようです」
「武器が効かズ、魔法は唱えられナイ。なら、どうすればイイ!?」
確かにどうすればいいんだ、この状況……
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