色彩色盲

カミーユ R-35

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生徒会その後

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【星宮視点】

あらら。会長チラチラ見すぎwそんなんじゃ、椋橋 にバレちゃうよw
会長が椋橋に好意を抱いたのは今日が初めてじゃない。ずっと前からだ。
椋橋もきっと気づいているけど、知らんぷり。奴はそういう人だから。けど、同じ男として少しイラっときた。なぜ?俺でさえ会長とは昔からの長い付き合いのお陰で今の関係が気附たと言うのに、奴は1ヵ月足らずで会長の心を誘惑した。本気じゃない?恋愛感情は無い?ふざけんなッ。
会長の最愛の親友は俺であって、奴じゃないッ!
あーこれって、もしかして…。

星宮「俺は奴に、嫉妬してんのか…」
声に出して認めてみると、腑におちた気がした。そうだ。俺は嫉妬しているんだ。きっと、この学校でいちばん会長の近くにいるのは奴だから。奴と出会えなければ会長はずっと俺と────…。

でもこんな自己中な俺を知ったら会長は、俺のことを嫌いになるだろうか?別にいい…。自分を偽り相手を欺きただ、毅然とした態度でいつも通りを向き合う。
俺はこの先誰にも心を揺らがせないし半端な感情で乱れたりしない。会長が俺をいつまでもの親友と呼んでくれるなら…。だけど本当の俺は、会長に嫌われたくないらしい。
嫌われてもいいだなんて言っていたくせに、本当は俺が会長を嫌いになることなんて望んでいないじゃないか…。

俺が自己分析をしている間にも会長の話が続き、椋橋はそれを黙って聞いている。(いけ好かない奴)

星宮「てか、会長。今度の企画書どうすんの?」
愛想笑いで感情を圧し殺す。

会長「大体は終わってから、後は風紀連中にもこの企画書の確認をしてもらって了承を貰えば完了」

星宮「ふ~ん。もう終わったんだ」

会長「ああ、昨日の内に企画の作成を終わらせといた。期限も近かったし。まあ、連中の了承待ちだな、後は」

星宮「…………ッ、じゃん…」 
ほとんどの仕事は自分で終わらせて、俺等が手を出す時には全てが片付いている。(それって、俺ら必要なくない?)

会長「ん?悪い。聞き取りきれなかった。今何って言ったんだ?」

星宮「い~や。別に…。
お腹空いたから、朝ご飯買って来るね!って言ったの」

会長「珍しいな。基本朝は食べないじゃんなかったか?」

(は?何で覚えってんだよ…、そんな昔に言ったこと)
星宮「気分?はは!じゃあ行ってきまーす!」

俺は居ても立っても居られず、そう言って俺は会長から逃げるように生徒会室を出て行った。
【会長って普段は面倒くさがりで、適当にはぐらかしたりする癖に、たまにそうやって見透かしたような事を言って来てくるよね~】さっき自分が言った言葉を思い出して、無性に腹が立った。
何だよ。何なんだよッ!
鈍感で、めんどくさがり屋で、でもなんだかんだ面倒見が良い会長をずっと見てきたから分かる。

会長は、椋橋の事が好き。それは変わらない事実。
それでも、会長と俺は────…。

星宮「ンッなの!気分ブチ下りなんですケド‼‼」
俺は誰も居ない廊下で一人、叫んでやった。














【その頃、生徒会室】
会長「おい!今なんか不穏な言葉が聞こえてきたんだが!?」
生徒会長が声を張り上げた。

会長「どういうことなんだ……」
しばらく考え込むようなポーズを取っていた会長だったが、急に動きを止め呟く。

会長「俺も腹が減ってるのかもしれないな…
椋橋 、お前も───って…、そう言えば椋橋も朝は食べないんだっけか?」

書記「うん…」

会長「ちゃんと食べてるのか?」

書記「必要最低限の補給はしてるから大丈夫」

会長「そうか……。いや、違うな。
すまん───俺もお前も、今日は少しおかしい様だ」

書記「……」
(無理した笑顔…)何故そんな顔を今するの?

会長「じゃ……じゃあさ」
少しだけ勇気を出して、ほんの少しだけ普段は言わない踏み込んだ話を持ちかけ「俺と一緒にお昼とか、しないか…?」てみた。

そこで初めて、椋橋 の手が止まった。
書記「それって僕と一緒に食事がしたいって事?」
そこでようやく椋橋と目が合った。
まさかそんな事を言われるとは思わなかったのか、彼は目をぱちくりとさせたあと……軽く肩をすくめてみせる。初めてみせる椋橋 の反応に、俺は少し、嬉しくなった。(そんな顔も出来たんだ…)


会長「ああ…。普段椋橋 はお昼帯、此処には来ないからてっきり誰かとお昼に行っているのかと思ってたが、違ったか?もし先約があるなら、別の日でも構わないが…」

椋橋は少し考えた後、「………、初めてだから」と呟く声が、俺の耳に入った。

会長「はッ、初めてとは⁉」
ドキドキと胸の鼓動が激しい。俺は今、期待の思いでいっぱいだった。(別に深い意味では無い⁉)

書記「人に食事を誘われるの…。初めてだから」

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