色彩色盲

カミーユ R-35

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食堂でバトル⁉

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転校生「あっ!良かったら反対の席────…」

「「お前は黙ってろ‼」」
篝と凛は最後まで聞かずにたたみかける。
転校生の「はい…すみません」と言う声も、今の彼らには届いてないみたいだ。何なら、更に二人の行動がヒートアップする始末。

篝「光輝。今直ぐ金属バットを持ってきて」

りー君「ちょっと一発かましてやんよ!」

流石に見兼ねた光輝が「まあまあ。篝ちゃん。」と宥める。
相手側の祐二も「凛‼いい加減にしろ!」と叱られていた。2人は思わず顔を見合わせたが、すぐにそっぽを向いた。取り敢えず落ち着いた様。

祐二「うちの凛がすみません…」

光輝「ええよ、ええよ。ウチん処も迷惑かけてもうたんや。お互い様ちゅーことや」

その言葉に、2人の顔色が変わった。

篝「迷惑って⁉光輝僕は何も悪く無いしッ‼」

りー君「祐二何で⁉」

「煩いし子供みたい」
2人は終始無言で聞いていた。篝は信じられない様子で聞き、りー君は悲しそうに目を伏せていた。

りー君「そこまで言わなくて良いじゃん……」
篝「光輝のばか……」

少しは反省したのか二人共大人しくなり、光輝と祐二がほっと胸をなでおろした。とりあえず収まりはついた様だ。

祐二「この席6人用なんで、空いてる方良かったらどうぞ」

光輝「ええんか?悪いな。なんか気使わせてへん?」

祐二「いえいえ、みんな気にしてませんからどうぞ」
な?と言う祐二の掛け声に、キラが大きく頷き同意し、凛の方は嫌そうな顔をしつつも小さく頷いた。

光輝「そう? ほならお言葉に甘えて。おおきに」

光輝「そや、自己紹介が遅れましたな。
ウチの名前は田賀 光輝。で、このちっこいのが篝 翔真。二人共3年生や、よろしゅうしたってな~」

篝「……」
隣で篝が静かに眉を顰める気配を感じとった光輝が、誤魔化す様に「ほんま篝ちゃんは人見知りやねんから」と笑いながら空いた席に腰掛けると、篝も同様に隣の席に浅く腰掛けた。横目でそれを眺めながら祐二からタブレットを受け取る。

祐二「先輩方だったんですね。
自分は北野 祐二って言います、どうぞ宜しくお願いしますね。先輩」
祐二は爽やかな笑顔で挨拶をした。
それを横目で見つつ、受け取ったタブレットからメニューを瞬時に選び、決定ボタンを押す光輝。隣にいる篝も同様に、タブレットを渡すが「いつもの…」って返されたので代わりに注文してあげた。
お互いの注文も済、顔を上げて祐二の方に顔を向ける。

光輝「ちゅーことは自分ら後輩君?ええでそう云うの気にせんで。それよか、自分。祐二って言うた?いや~、まさか君みたいな普通の子がウチらみたいな奴と仲良くしたってくれて、嬉しわ~」

祐二「そうですか?きっと他の方々も"お二人"と仲良くしたがってると思いますよ。
まあ先輩が言うように俺はですから」

光輝「そうかそうか。君もなかなかオモロいなあ。」
祐二と光輝は互いに自己紹介し合って握手を交わしていた。
この2人、実はかなり相性が良いかもしれない。
純粋にそう感じたキラは、交互に二人を見合っていると、視線に気づいた光輝と目が合った。

光輝「それはそうと、自分、もしかして例の転校生君か?」
確認する様問われ。「あっ!はい、近堂 キラっていいます」って返すと「へ~、」と一瞬値踏みする様な眼差しを向けられた気がした。
だが、それも気の所為だろ。
光輝はケラケラと笑みながら手を出してきた。それをキラも応える様に手を握り返す。

キラ「こちらこそ、宜しくお願いします」
キラが握手を返しながら頭を下げる。
(初対面の人と握手……)内心、高揚感も相俟ってキラはソワソワした。

光輝「噂は聞いてんで。大変やろうけど、何かあったら先輩のウチらに相談するとええ」

キラ「はい…その時は」





……。
暫くして光輝達の注文したモノが届いた時、祐二達も丁度食べ終わった。

光輝が運ばれてきた料理に目を輝かせた。対する篝が注文したモノを見て凛が微妙な顔をした。

りー君「えっ、それお子様ランチじゃない?」

篝「は?違うけど」

りー君「ふーん……。どっからどう見てもお子様ランチの量じゃん、それ」

篝「アンタ本当ウザい。
僕はアンタと違って少食で食が細いだつーの。バーカ」負けじと言い返す両者を見て、不味いと感じた祐二が慌てて席を立ち「そろそろ俺達も行こっか!」と二人を急かした。特に凛に関しては、腕を取り引っ張った。
キラも慌てふためきながら「先輩方、失礼しました」と声を掛け、席を立ちおぼんを戻そうとした。
しかし、それをさらに追い打ちをかけてくる人物がいた。

篝「おい、アンタ」

キラ「はいっ!!」
反射的に振り返ると、そこには先程篝と説明された先輩がキラをギロッと睨みつけていた。
(りー君で飽き足らず、今度は俺に⁉)

キラ「あの……何か?」
内心ビクビクしながら。恐る恐る尋ねるキラに篝は怒った口調で話しかける。

篝「アンタ気おつけな」
質問意味が分からず、聞き返すと、その人はキッパリと言い放つ。

篝「あいつ等とつるむの…。特にあのクソ生意気な方は特に危険」

(コレは親切で言ってるのか、それとも嫌いだから言ってるのか…判断出来ないな)
キラ「あ、でも。二人共友達ですし…。急にそんな事言われても────…」困ります…と続けた言葉を遮る様に彼が「それでもだ。大事に成りたくなければな…」なんて強めに強調するかの様に言われた言葉が、どうしても心に深く突き刺さってしょうがない。
(親切なんだろうけど、大きなお世話)
その時の俺は、深く考えなかった。ただ、この学校で出来た、初めての友人なら尚更だった。

キラ「気おつけます…」とだけ残すと、俺は慌てて二人の後を追っていった。
背中にビシビシと感じる視線を無視して───…。





一方その頃
光輝「えらい珍しいな、篝ちゃんが他人に関与するやなんて…」

篝「別に…。ただ気に入らなかっただけ」
芋蔓式に大変なクジをくるのでは無いか、と言う悪い予感がした光輝が!「大丈夫なん?」って聞き返す。
だが、篝の言葉を全く違う意味に受け取ったようだ。

篝「理解に苦しむことこそ、人間の裏が見えてくる…」
易々と答えた。

光輝「それってつまり……」

篝「バカ犬さんには、少し難しかったかもね」

光輝「え?ソレってウチに言ってます?」

篝「実はもっと邪悪な獣達が意図が働いているかも」

光輝「……?」
(全く意味が分からわ)
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