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第15回『脳震盪-桜餅-メモ帳』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第回『』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約60分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=lImc3eqkhUs
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
おばあちゃんが入院したと知ったのは、午後の講義が終わり母からのメールを開いたときだった。
家から歩いて10分もしないところに住んでいるおばあちゃんに私は小さいころから遊んでもらっていた。
私が一人目の孫娘だったからか、対して器量もよくない私をお人形さんのようにかわいがってくれた。
成長するにつれおばあちゃんの家に遊びに行く機会が減ってしまったのは、私が大学生になった今でも子どものころのようにかわいがられるのを少し恥ずかしく思っていたからかもしれない。
私は大学を出てメールに書かれてあった病院へと向かうことにした。
和菓子屋さんの前を通ったときお見舞いの品も持っていこうと思い、店頭に並んでいたピンク色が鮮やかな桜餅を買った。
おばあちゃんはまだまだ元気な人だったが運動を好む人というわけではなく、インドアの人だった。
私が遊びに行くと、おばあちゃんはよく俳句や短歌を詠んでいた。
週一回近所の教室に通うのを楽しみにしていたし、コンクールにもよく応募していたらしい。
だから桜の葉でくるまれた季節をたっぷりと感じさせてくれるこのお菓子を見たとき、きっとおばあちゃんも喜んでくれるに違いないと思ったのだ。
「あら恵子ちゃん、わざわざ来てもらって悪いわねー。」
おばあちゃんは疲れた様子はあるもののいつもと変わらない笑顔でベッドに座っていた。
おばあちゃんは家の中を歩いているときつまずいて転んでしまい、そのとき頭を打ってしまい軽い脳震盪を起こしたらしい。
先生が言うには何の問題もないらしいが、年が年なので大事をとってしばらく入院してもらうらしい。
「本当になんでもないのに入院なんて大げさと思わない?」
こんなおばあちゃんの愚痴も聞きながら、私とおばあちゃんはお見舞いの桜餅を二人で食べた。
よかった、おばあちゃんは元気そうだ。
私は安心した。
「それじゃ私そろそろ帰るね。またお見舞い買ってくるからさ。」
私はバッグを肩にかけた。
するとおばあちゃんは一思案して少し小声で私に言った。
「ありがとう。それじゃあまた桜餅をお願いできるかしら。」
よっぽど桜餅を気にいてくれたのだろうか、私は快く了解して病室を出た。
数日後再びおばあちゃんのお見舞いに行った。
むろん桜餅を持ってだ。
同じようにしばらく談笑し、帰るころになるとおばあちゃんはまた言った。
「次も桜餅をお願いしてもいい?」
次のお見舞いの日私は約束通り桜餅を持ってきた。
「そんなに好きなら私の分も食べていいよ。」
しかしおばあちゃんは断った。
そのときは入院しているお年寄りがたくさん桜餅を食べることなんてできないからそれも当然かなとも思った。
ある日も桜餅を持ってお見舞いに行くと、病室から母が怒ってる声が聞こえた。
何事かと思って入ってみると、母は私の右手の桜餅を見るなり
「恵子、もうおばあちゃんに桜餅はだめよ!」
と言った。
突然のことで私が状況を飲み込めずにいると、母がほら、これと言って差し出してきたのは大量の桜の葉だった。
しかしよく見てみると、桜の葉にはそれぞれにびっしりと文字が書かれてあった。
それは単語だけだったり、文節だけなどがほとんどだった。
もう少し長い、文章になっていそうな文字を探すと、それは俳句や短歌のリズムを持っていた。
おばあちゃんは安静が必要なため、趣味の俳句や短歌も入院の間はやめるように言われていた。
それでも詠みたいおばあちゃんは私が桜餅を持ってきたときにピンとひらめき、桜の葉を思い浮かんだ句や表現を書き留めるためのメモ帳にしていたのだ。
それがベッドから大量に出てきたので母は怒り、先生はあきれていたのだ。
私がおばあちゃんを見るといたずらっぽい笑みを浮かべた。
私もあきれた。
おばあちゃんが俳句や短歌を好きなのは知ってる。
でも今一番大切なのはおばあちゃんの体だ。
「おばあちゃん、だめだよこんなことしちゃ。」
私は心を鬼にしておばあちゃんの字が書かれた桜の葉の束をゴミ箱に捨てた。
すると桜の葉がひらひらと落ちていく様子を見ておばあちゃんは目を細めて言った。
「風流だねえ。おかげでまた一句いいのができそうだよ。」
ふふ、本当に元気な人だなあ。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第回『』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約60分でした。
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~・~・~・~・~
おばあちゃんが入院したと知ったのは、午後の講義が終わり母からのメールを開いたときだった。
家から歩いて10分もしないところに住んでいるおばあちゃんに私は小さいころから遊んでもらっていた。
私が一人目の孫娘だったからか、対して器量もよくない私をお人形さんのようにかわいがってくれた。
成長するにつれおばあちゃんの家に遊びに行く機会が減ってしまったのは、私が大学生になった今でも子どものころのようにかわいがられるのを少し恥ずかしく思っていたからかもしれない。
私は大学を出てメールに書かれてあった病院へと向かうことにした。
和菓子屋さんの前を通ったときお見舞いの品も持っていこうと思い、店頭に並んでいたピンク色が鮮やかな桜餅を買った。
おばあちゃんはまだまだ元気な人だったが運動を好む人というわけではなく、インドアの人だった。
私が遊びに行くと、おばあちゃんはよく俳句や短歌を詠んでいた。
週一回近所の教室に通うのを楽しみにしていたし、コンクールにもよく応募していたらしい。
だから桜の葉でくるまれた季節をたっぷりと感じさせてくれるこのお菓子を見たとき、きっとおばあちゃんも喜んでくれるに違いないと思ったのだ。
「あら恵子ちゃん、わざわざ来てもらって悪いわねー。」
おばあちゃんは疲れた様子はあるもののいつもと変わらない笑顔でベッドに座っていた。
おばあちゃんは家の中を歩いているときつまずいて転んでしまい、そのとき頭を打ってしまい軽い脳震盪を起こしたらしい。
先生が言うには何の問題もないらしいが、年が年なので大事をとってしばらく入院してもらうらしい。
「本当になんでもないのに入院なんて大げさと思わない?」
こんなおばあちゃんの愚痴も聞きながら、私とおばあちゃんはお見舞いの桜餅を二人で食べた。
よかった、おばあちゃんは元気そうだ。
私は安心した。
「それじゃ私そろそろ帰るね。またお見舞い買ってくるからさ。」
私はバッグを肩にかけた。
するとおばあちゃんは一思案して少し小声で私に言った。
「ありがとう。それじゃあまた桜餅をお願いできるかしら。」
よっぽど桜餅を気にいてくれたのだろうか、私は快く了解して病室を出た。
数日後再びおばあちゃんのお見舞いに行った。
むろん桜餅を持ってだ。
同じようにしばらく談笑し、帰るころになるとおばあちゃんはまた言った。
「次も桜餅をお願いしてもいい?」
次のお見舞いの日私は約束通り桜餅を持ってきた。
「そんなに好きなら私の分も食べていいよ。」
しかしおばあちゃんは断った。
そのときは入院しているお年寄りがたくさん桜餅を食べることなんてできないからそれも当然かなとも思った。
ある日も桜餅を持ってお見舞いに行くと、病室から母が怒ってる声が聞こえた。
何事かと思って入ってみると、母は私の右手の桜餅を見るなり
「恵子、もうおばあちゃんに桜餅はだめよ!」
と言った。
突然のことで私が状況を飲み込めずにいると、母がほら、これと言って差し出してきたのは大量の桜の葉だった。
しかしよく見てみると、桜の葉にはそれぞれにびっしりと文字が書かれてあった。
それは単語だけだったり、文節だけなどがほとんどだった。
もう少し長い、文章になっていそうな文字を探すと、それは俳句や短歌のリズムを持っていた。
おばあちゃんは安静が必要なため、趣味の俳句や短歌も入院の間はやめるように言われていた。
それでも詠みたいおばあちゃんは私が桜餅を持ってきたときにピンとひらめき、桜の葉を思い浮かんだ句や表現を書き留めるためのメモ帳にしていたのだ。
それがベッドから大量に出てきたので母は怒り、先生はあきれていたのだ。
私がおばあちゃんを見るといたずらっぽい笑みを浮かべた。
私もあきれた。
おばあちゃんが俳句や短歌を好きなのは知ってる。
でも今一番大切なのはおばあちゃんの体だ。
「おばあちゃん、だめだよこんなことしちゃ。」
私は心を鬼にしておばあちゃんの字が書かれた桜の葉の束をゴミ箱に捨てた。
すると桜の葉がひらひらと落ちていく様子を見ておばあちゃんは目を細めて言った。
「風流だねえ。おかげでまた一句いいのができそうだよ。」
ふふ、本当に元気な人だなあ。
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