48 / 174
第48回『ビッグバンド 村八分 お祭り騒ぎ』
しおりを挟むYouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第48回『ビッグバンド 村八分 お祭り騒ぎ』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約36分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=TtHbDvpPns0
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
「ビッグバンドを組むぞ!」
過疎化に悩む村の集会でのQの発言にみんなが驚いた。
「小さな村で生まれたビッグバンドはきっと日本中で話題になるぞ! そうすりゃ全国から人が集まってくる! この村も人が増えて安泰だ!」
「でも楽器できる奴なんているのかよ。」
「ああ。鍬を持ったことはあってもトランペットを持ったことがある奴なんてこの村には一人もいないだろうよ。」
村人たちは顔を見合わせた。
「練習すればいい!」
Qの発言は力押しとしか思えなかった。
考えるよりもやってみるが信条のQは決断力と行動力だけはあり、村で新しい作物を栽培するのはいつも彼が最初だった。
ところがQが始めた作物で村に根付いたものはほとんどなかったので、今回のQの発言にもみんな乗り気ではなかった。
だが、一人の男がぼそりと言った。
「いやあ、いいかもしんねえぞ。幸い村は畑や田んぼばかりだから練習場所はいくらでもある。練習時間なら毎週開かれるこの時間を使えばいい。どうせいつも何も決まらねえんだから、だったら楽器を練習したほうがいい。」
みんなが静まった。
自分が言ったときはみんなが懐疑的だったことにQは少し不満を感じつつも、この機を逃すつもりはなかった。
「よし! やろうぜ、ビッグバンド!」
Qの掛け声にみんながいっせいに拍手をした。
ところがその中で拍手をしていないグループがあった。
「俺は反対だね、ビッグバンドなんか。」
腕組みをして壁にもたれかかっている男だった。
Qはかっとなった。
「なんだと! 俺たちは村のためを思ってやってるんだぞ! てめえなんか村八分だ!」
すると男はゆらりと立ち、3人の男と目を合わせた。
「村八分? 上等だよ。そんなだせえもんに付き合ってられるかよ。俺たちはこの村の合唱部を作るぜ!」
合唱部!
村人の、特に女性陣の目が色めき立った。
「はいはーい、私合唱部に入りまーす。」
「私も、私もー!」
合唱部に次々と手が挙がり、Qの顔が引きつっていった。
「ふっ、このままじゃ村八分されるのはそっちの方なんじゃないか?」
すると集会の間ずっとおとなしかった男がおずおずと手を挙げた。
「あの~、俺は雑技団を作ったら面白いと思う。」
その言葉に集会はいっせいに沸いた。
中にはすでに技を競おうと頭にコップを乗せたり、ペットボトルでジャグリングのまねごとをする者まで現れた。
やんややんやと集会は盛り上がり、狂騒は静まる気配もなかった。
部屋の隅に座っていた村長は目を細めて独り言をつぶやいた。
「やれやれ、結局集会は今日もお祭り騒ぎか。ふふ。いつまでもこんな村であってほしいものだ。」
~・~・~・~・~
~感想~
とりあえずビッグバンドに参加しないために村八分されるという設定から考えていきました。
そこからビッグバンドを作るのは話題作りのため、また、村八分された人たちはどうするか、別のバンドを作るだろう、そしてそれこそが話題作りなんていらないくらいのお祭り騒ぎだろうという連想で作りました。
私事ですがこの直前に話を1本作っていたのですが、録画に失敗していました。
連続でもう1本作るのは疲れるため、短くてもいいやという思いで書きました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
24hポイントが0だった作品を削除し再投稿したらHOTランキング3位以内に入った話
アミ100
エッセイ・ノンフィクション
私の作品「乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる」がHOTランキング入り(最高で2位)しました、ありがとうございますm(_ _)m
この作品は2年ほど前に投稿したものを1度削除し、色々投稿の仕方を見直して再投稿したものです。
そこで、前回と投稿の仕方をどう変えたらどの程度変わったのかを記録しておこうと思います。
「投稿時、作品内容以外でどこに気を配るべきなのか」の参考になればと思いますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる