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第73回『二度寝 需要と供給 トンネル』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第73回『二度寝 需要と供給 トンネル』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間3分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
出口のないトンネルを知っているだろうか?
僕は知っている。
それが睡眠だ。
どうにも睡眠という心地よさからは脱出するのは困難らしく、人は概してトンネルの真ん中で立ち止まりがちだ。
だが意志力が勝りトンネルから抜け出すことができたとしても、山間部を貫く高速道路を走っているときのことを思い出してほしい。
車は再びトンネルに入ってしまう。
つまり二度寝だ。
僕はこのルートにより何度も遅刻を繰り返してきた。
だが今日とうとう先生からみっちり怒られた。
次に遅刻をしたら反省文を書かされることになった。
これはまずいと思った。
何を隠そう僕は作文を書くというのが大の苦手で、小学生のときから原稿用紙を前にするといつも手が止まってしまう。
そのまま世の中の時間も止まってくれているならばプラマイゼロで問題ないのだが、そのような非科学的な現象は起こるはずもなく、反省文の提出というのは僕の時間の損失ということであり、畢竟それは睡眠時間の減少につながる。
他にすることの時間を減らしてその分を睡眠時間に回せばいいじゃないかというご批判も出てきそうだが、そこは僕も忙しい高校生、勉強ならとにかく遊ぶ時間は削るわけにはいかない。
作文の練習をして反省文を書くスピードを上げるという方法もあるが、今さら僕の筆力のなさが練習によってカバーできるとも思えないし、なによりそれで遊ぶ時間は失われてしまうので結果は変わらない。
ならば私の遊ぶ時間を確保する一番良い方法は反省文を書かないということであり、それは遅刻をしないということであり、それは二度寝をしないということである。
だが僕はここで立ち止まってみた。
小学生のときから何度も二度寝をしてきた自分が今さら一度ですっぱりと起きることができるのだろうか、と。
いや、二度寝は小学校に入学する前からやってきたから、二度寝の歴史は僕が作文を苦手とする歴史よりも古いはずだ。
筆力の向上をあきらめたというのに、それよりも長い歴史を持つ二度寝を断ち切ることが僕にできるのだろうか。
できるどころか、それは僕の大半の人生の否定につながるのではないだろうか。
世の中には自分というものが分からず大人になっても自分探しをする人が多いと聞くが、僕は違う。
僕は僕をわかっている。
僕は二度寝をやめることができない。
それが僕だ。
ここまで考えれば腹は決まった。
当然その日もいつも通り躊躇なく遊びに邁進した。
ご飯と風呂の時間以外は遊びまくる。
この点も僕は小学生のころから変わらないと言える。
昨日と同じように夜は寝る直前までスマホをいじっていた。
時計の針──と言ってもスマホのデジタル表示だが──が夜中の1時をまわっていたことまでは覚えている。。
頭がぼーっとしてきて、スマホをいじる動作もおぼつかなくなりだし、気付く間もなく俺はスマホを手にしたまま眠りに落ちた。
遅刻をしてきた昨日までと全く変わらない夜の過ごし方だ。
だが今日は少し違う。
秘策は僕のスマホの中にすでに仕込んであった。
僕はいつも7時にアラームをセットしているが、ここから二度寝をしてしまうのでいつも遅刻していた。
だから僕は6時と7時、2回アラームが鳴るようにセットしておいたのだ。
これなら6時でいったん起きることになるものの、まだ時間ではないので7時までもう一度寝ることができる。
つまり二度寝を前提とするのだ。
言い換えれば二度寝をやめられない自分を優しく抱きしめてあげるのだ。
これなら二度寝の快楽を心行くまで味わうことができ、なおかつ遅刻もしない。
予定通り6時に1回目のアラームが鳴り、僕は安心して二度寝をした。
そして7時に2回目のアラームが鳴った。
ここまでは全て計画通りだった。
だがここで思わぬ事態が起きた。
僕はまだまだ眠かったのである。
よくよく考えてみればこの計画は睡眠欲求と睡眠時間という需要と供給が成り立つ場合において成立する。
だが僕の場合は睡眠欲求が圧倒的に上回ってしまった。
インフレである。
その日、僕は遅刻をした。
書かされた反省文は膨大な時間を要した。
数年後、僕は経済学者となった。
長い長いトンネルの出口は、需要と供給のバランスをとり経済を安定させる画期的な理論の創出だった。
~・~・~・~・~
~感想~
オチのために理屈くさく長い文章をということで書いていったのですが、面白味ゼロで読むのがつらいだけのものとなってしまいました。
オチもノーベル賞とかにした方がわかりやすかったと思います。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第73回『二度寝 需要と供給 トンネル』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間3分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
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~・~・~・~・~
出口のないトンネルを知っているだろうか?
僕は知っている。
それが睡眠だ。
どうにも睡眠という心地よさからは脱出するのは困難らしく、人は概してトンネルの真ん中で立ち止まりがちだ。
だが意志力が勝りトンネルから抜け出すことができたとしても、山間部を貫く高速道路を走っているときのことを思い出してほしい。
車は再びトンネルに入ってしまう。
つまり二度寝だ。
僕はこのルートにより何度も遅刻を繰り返してきた。
だが今日とうとう先生からみっちり怒られた。
次に遅刻をしたら反省文を書かされることになった。
これはまずいと思った。
何を隠そう僕は作文を書くというのが大の苦手で、小学生のときから原稿用紙を前にするといつも手が止まってしまう。
そのまま世の中の時間も止まってくれているならばプラマイゼロで問題ないのだが、そのような非科学的な現象は起こるはずもなく、反省文の提出というのは僕の時間の損失ということであり、畢竟それは睡眠時間の減少につながる。
他にすることの時間を減らしてその分を睡眠時間に回せばいいじゃないかというご批判も出てきそうだが、そこは僕も忙しい高校生、勉強ならとにかく遊ぶ時間は削るわけにはいかない。
作文の練習をして反省文を書くスピードを上げるという方法もあるが、今さら僕の筆力のなさが練習によってカバーできるとも思えないし、なによりそれで遊ぶ時間は失われてしまうので結果は変わらない。
ならば私の遊ぶ時間を確保する一番良い方法は反省文を書かないということであり、それは遅刻をしないということであり、それは二度寝をしないということである。
だが僕はここで立ち止まってみた。
小学生のときから何度も二度寝をしてきた自分が今さら一度ですっぱりと起きることができるのだろうか、と。
いや、二度寝は小学校に入学する前からやってきたから、二度寝の歴史は僕が作文を苦手とする歴史よりも古いはずだ。
筆力の向上をあきらめたというのに、それよりも長い歴史を持つ二度寝を断ち切ることが僕にできるのだろうか。
できるどころか、それは僕の大半の人生の否定につながるのではないだろうか。
世の中には自分というものが分からず大人になっても自分探しをする人が多いと聞くが、僕は違う。
僕は僕をわかっている。
僕は二度寝をやめることができない。
それが僕だ。
ここまで考えれば腹は決まった。
当然その日もいつも通り躊躇なく遊びに邁進した。
ご飯と風呂の時間以外は遊びまくる。
この点も僕は小学生のころから変わらないと言える。
昨日と同じように夜は寝る直前までスマホをいじっていた。
時計の針──と言ってもスマホのデジタル表示だが──が夜中の1時をまわっていたことまでは覚えている。。
頭がぼーっとしてきて、スマホをいじる動作もおぼつかなくなりだし、気付く間もなく俺はスマホを手にしたまま眠りに落ちた。
遅刻をしてきた昨日までと全く変わらない夜の過ごし方だ。
だが今日は少し違う。
秘策は僕のスマホの中にすでに仕込んであった。
僕はいつも7時にアラームをセットしているが、ここから二度寝をしてしまうのでいつも遅刻していた。
だから僕は6時と7時、2回アラームが鳴るようにセットしておいたのだ。
これなら6時でいったん起きることになるものの、まだ時間ではないので7時までもう一度寝ることができる。
つまり二度寝を前提とするのだ。
言い換えれば二度寝をやめられない自分を優しく抱きしめてあげるのだ。
これなら二度寝の快楽を心行くまで味わうことができ、なおかつ遅刻もしない。
予定通り6時に1回目のアラームが鳴り、僕は安心して二度寝をした。
そして7時に2回目のアラームが鳴った。
ここまでは全て計画通りだった。
だがここで思わぬ事態が起きた。
僕はまだまだ眠かったのである。
よくよく考えてみればこの計画は睡眠欲求と睡眠時間という需要と供給が成り立つ場合において成立する。
だが僕の場合は睡眠欲求が圧倒的に上回ってしまった。
インフレである。
その日、僕は遅刻をした。
書かされた反省文は膨大な時間を要した。
数年後、僕は経済学者となった。
長い長いトンネルの出口は、需要と供給のバランスをとり経済を安定させる画期的な理論の創出だった。
~・~・~・~・~
~感想~
オチのために理屈くさく長い文章をということで書いていったのですが、面白味ゼロで読むのがつらいだけのものとなってしまいました。
オチもノーベル賞とかにした方がわかりやすかったと思います。
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