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第77回『朝方 軽トラック 暴風雨』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第77回『朝方 軽トラック 暴風雨』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間14分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=Ak2orOpQUAM
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
深夜から朝方にかけて家の窓を震わせた強風は、日が昇るころには雨を伴う暴風雨となっていた。
激しい雨が音を立てて窓に叩きつけられていた。
こんな日に外出している人間は少ないだろう。
だが、もしかしたら──?
幸い今日は高校の創立記念日で、俺は休日だった。
俺は“一縷の望み”を託して雨合羽をはおり、自転車をこぎ出した。
強風にあおられた雨は横殴りとなり、顔をびしょびしょに濡らした。
雨合羽に守られていないズボンはすでにぐっしょりと足に張り付いていた。
こんな日に自転車で走るのは得策ではないのかもしれない。
横風にあおられふらふらするし、舗装されていない道も多いこの町では泥にタイヤをとられスリップすることもあった。
錆びさせないためにも帰宅したら乾いた布で拭いて丹念に水気を切る作業も待っている。
だがそれでも自転車を選ぶ必要があった。
俺には距離がいる。
なるべく長い距離を短時間で走り回りたかったのだ。
むろん運が良ければすぐに引き上げることもできるだろうが、その可能性は低いだろう。
俺は歯を食いしばり血眼になって走り続けた。
徐行している軽トラックと何度かすれ違ったり後ろから抜いたりした。
おそらくこの強風で田んぼの稲が倒れていないか確認しに来ていたのだろう。
俺はあぜ道を走りながら彼らの幸運を願った。
空は厚い雲に覆われ、大粒の雨が視界をさえぎり始めた。
額から垂れてくる雨は目に入り、何度も目をこすった。
だがここであきらめるわけにはいかない。
これは俺のためではない。
息子のためだ。
駅に着いた。
駅に向かう人たちはみな強風に傘を翻弄されていて、やっとのことで駅舎に入った人たちは疲労困憊の様子だった。
だがそれでも駅前は発着時間ではないせいか人影はまばらだった。
──ここではないのか?
いなかでは電車の本数も少ないからこのままこの駅にとどまるのは貴重な時間の浪費につながりかねない。
5キロ走った先にある駅に飛ばすべきだ、そう思いペダルを踏んだ瞬間今までよりもさらに強い風が巻き起こった。
俺は片足をついて自転車を止めると、反射的に駅舎へ振り返った。
突如巻き起こった予想もつかない方向からの強風は、濡れた髪をハンカチでぽんぽんと拭いていたお姉さんのスカートを巻き上げた。
それは黒風白雨がもたらした一瞬の出来事であったが、俺は確かに目に焼き付けた。
目的は達した。
俺は即座に自転車にまたがり、速攻で家に帰った。
自転車はガレージにそのまま投げ捨てた。
その日俺の部屋では何度も白雨がほとばしった。
~・~・~・~・~
~感想~
すごく時間がかかってしまいました。
語り手の努力をどう描けばいいかわからなかったんだと思います。
人が少なくて見つけるのを苦労させるために場所をいなかにしたのですが、今から考えてみるとそんな必要性は全くありませんでした。
結局いなかの駅前の様子がよくわからないのでしょうもないものになってしまいました。
軽トラックの使い方もひどいものです。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第77回『朝方 軽トラック 暴風雨』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間14分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=Ak2orOpQUAM
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~・~・~・~・~
深夜から朝方にかけて家の窓を震わせた強風は、日が昇るころには雨を伴う暴風雨となっていた。
激しい雨が音を立てて窓に叩きつけられていた。
こんな日に外出している人間は少ないだろう。
だが、もしかしたら──?
幸い今日は高校の創立記念日で、俺は休日だった。
俺は“一縷の望み”を託して雨合羽をはおり、自転車をこぎ出した。
強風にあおられた雨は横殴りとなり、顔をびしょびしょに濡らした。
雨合羽に守られていないズボンはすでにぐっしょりと足に張り付いていた。
こんな日に自転車で走るのは得策ではないのかもしれない。
横風にあおられふらふらするし、舗装されていない道も多いこの町では泥にタイヤをとられスリップすることもあった。
錆びさせないためにも帰宅したら乾いた布で拭いて丹念に水気を切る作業も待っている。
だがそれでも自転車を選ぶ必要があった。
俺には距離がいる。
なるべく長い距離を短時間で走り回りたかったのだ。
むろん運が良ければすぐに引き上げることもできるだろうが、その可能性は低いだろう。
俺は歯を食いしばり血眼になって走り続けた。
徐行している軽トラックと何度かすれ違ったり後ろから抜いたりした。
おそらくこの強風で田んぼの稲が倒れていないか確認しに来ていたのだろう。
俺はあぜ道を走りながら彼らの幸運を願った。
空は厚い雲に覆われ、大粒の雨が視界をさえぎり始めた。
額から垂れてくる雨は目に入り、何度も目をこすった。
だがここであきらめるわけにはいかない。
これは俺のためではない。
息子のためだ。
駅に着いた。
駅に向かう人たちはみな強風に傘を翻弄されていて、やっとのことで駅舎に入った人たちは疲労困憊の様子だった。
だがそれでも駅前は発着時間ではないせいか人影はまばらだった。
──ここではないのか?
いなかでは電車の本数も少ないからこのままこの駅にとどまるのは貴重な時間の浪費につながりかねない。
5キロ走った先にある駅に飛ばすべきだ、そう思いペダルを踏んだ瞬間今までよりもさらに強い風が巻き起こった。
俺は片足をついて自転車を止めると、反射的に駅舎へ振り返った。
突如巻き起こった予想もつかない方向からの強風は、濡れた髪をハンカチでぽんぽんと拭いていたお姉さんのスカートを巻き上げた。
それは黒風白雨がもたらした一瞬の出来事であったが、俺は確かに目に焼き付けた。
目的は達した。
俺は即座に自転車にまたがり、速攻で家に帰った。
自転車はガレージにそのまま投げ捨てた。
その日俺の部屋では何度も白雨がほとばしった。
~・~・~・~・~
~感想~
すごく時間がかかってしまいました。
語り手の努力をどう描けばいいかわからなかったんだと思います。
人が少なくて見つけるのを苦労させるために場所をいなかにしたのですが、今から考えてみるとそんな必要性は全くありませんでした。
結局いなかの駅前の様子がよくわからないのでしょうもないものになってしまいました。
軽トラックの使い方もひどいものです。
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