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第78回『やわらかい 報道陣 もてなす』

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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第78回『やわらかい 報道陣 もてなす』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約52分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=Q9TDcZ0xt64

↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/

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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第78回『やわらかい 報道陣 もてなす』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題は太字にしてます。
所要時間は約52分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=Q9TDcZ0xt64

↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/

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とある寝具メーカーは世界で一番物質を開発することに成功した。
常温ではゼリーのような固体であるが、それはかろうじてその形をとどめているにすぎなく、触れば水のようだった。
卵をそっと乗せると、ゆっくりと沈み込む姿は海中遊泳。
誰の目にも画期的な物質であることは明らかだった。
高層ビルで火災が起きたときに地上に敷いておけば落下した際の衝撃が吸収されるだろうし、使い方は無限大だろう。
これを使えば人命救助どころか世界のいろいろな問題を解決できるかもしれない。

寝具メーカーはさっそくこの物質を使ってリビングルームに置くクッションを作った。
大人が寝転がれるくらいの大きさで、座椅子のようにもたれかかれば自分の体をやさしく受け止めてくれる。
体だけでなく心まで疲れている現代人にとって最高のヒーリング効果をもたらしてくれるものだった。
寝具メーカーは大ヒットを確信した。

大々的に売り出したいと考えた寝具メーカーは、この快適さは体験してみなければわからないので、製品発表の際ににはパイプ椅子ではなくこのクッションでと考えた。
そうすれば翌日はこのクッションを大絶賛する記事であふれるに違いない。

予想通り製品発表の場でこのクッションは大好評だった。
気をよくした寝具メーカーは良ければこのクッションをお持ち帰って結構ですよと言った。
そうすればこのクッションのすばらしさをより堪能した記事を書いてもらうことができ、売り上げの大幅アップにつながるだろうと考えたからだ。
当然記者全員がこのクッションを持って帰り、製品発表の場にはクッションは一つも残っていなかった。
だが次の日にこのクッションが報道されることはなかった。
新聞を開いてもテレビを付けてもネットを検索しても、どこにもこのクッションについて書かれてある記事はなかった。
製品に何か問題があったのかと思った寝具メーカーは報道各社に問い合わせてみた。
するとどの会社からもそんな記事は記者から上がってきてないという返答で一致していた。
それどころか記者が使い物にならなくなったと抗議を受けた。
詳しく聞いてみると、あまりにも快適すぎて仕事をする気になれず記者は昨日からずっとクッションの上にいると言う。
寝具メーカーはそんな馬鹿なと思いつつ社内を見回すと、社員も全員クッションの上に寝転んで幸せそうにまどろんでいた。
誰一人仕事をしていなかった。
営業に行こうとする人はいなく、電話が鳴ってもだれも取らなかった。
数日後この寝具メーカーは倒産した。
みな赤ちゃんのようにクッションの上で寝転んでばかりいるから当然だ。
そして人々はこのクッションごと寝具メーカーのことを忘れ、何事もなくいつもの毎日を過ごした。

だが問題は在庫だ。
寝具メーカーは大ヒットを予想していたので、このクッションを大量に生産した。
倉庫はこのクッションでいっぱいのまま、誰に知られることもなく放置されていた。
年月が経ち梱包している箱は破れ、クッションは地面に散らばった。
すると自分に乗っかったそのクッションがあまりの心地よくて、数か月後地球は動く意欲を失い止まった。

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~感想~
SFブラックジョークの話にしましたが、とりあえず冒頭が意味のない説明の連続です。
この物質についてなぜか掘り下げようとしてますが、こういうタイプの話で詳しく書くべきなのは流れと顛末だと思います。
寝具メーカーはひとくくりにして、社長とか開発者、電話担当者の区別をつけませんでしたが、それが正解だったとのかまずかったのか私にはわかりません。
なんか心を持っていない人間が書いたような文章です。
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