88 / 174
第88回『玉手箱 弱者 コンビネーション』
しおりを挟む
YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第88回『玉手箱 弱者 コンビネーション』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約45分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=dEQTI9HoOX8
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
浦島太郎が浜を歩いていると、子どもたちが亀をいじめていました。
見かねた浦島太郎が諭すと、子どもたちはいじめをやめて帰っていきました。
亀はお礼を言いました。
「ありがとうございます。お礼に竜宮城に連れて行ってさしあげましょう。」
「弱き者を助けるのは当然のこと。お礼など気にする必要はない。」
浦島太郎は亀の申し出をきっぱりと断りました。
「いえいえ、それでは私の気が済みません。」
「本当に気にすることはない。私が好きでしたこと。むしろ同じ人間がいじめていたことを心苦しく思っている。」
「しかしあなたこそ命の恩人です。ぜひ竜宮城へ。」
「それには及ばぬ。」
何度断っても亀は引きませんでした。
「今お忙しいのですか。」
「漁は終わったところだが。」
「ではぜひ竜宮城へ。」
「しかし妻が帰りを待っている。」
「ほんの少しだけで結構でございますから。」
亀の勧誘があまりにもしつこいので、浦島太郎は仕方なく竜宮城へ行くことにしました。
竜宮城に着くと、浦島太郎は事情を聞いた乙姫から盛大な歓待を受けました。
しかしあまりゆっくりもしていられない浦島太郎はすぐに竜宮城を出ることにしました。
すると乙姫はお土産にと浦島太郎に玉手箱をくれました。
家に着くと、浦島太郎は妻に玉手箱を見せて今日の出来事を話しました。
「亀を子どもたちから助けただけでそこまでしてくれたんですか。海の生きものたちは大変義理堅いのですね。」
「ああ。彼らは助けてもらった恩を倍にして返す。いや、倍以上だ。とてもいい人たちだ。」
「ではこの中には何が入っているのでしょう。」
二人はさっそく玉手箱を開けてみました。
すると白い煙がもくもくと出てきて、浦島太郎とその妻は一気にお年寄りになってしまいました。
髪の毛は真っ白になり、毛の量も少なくなっていました。
毎日漁に出て、毎日炊事をしていた浦島太郎と妻の腰は曲がっていました。
筋力も衰えていて、立っているのも難儀でした。
お年寄りになってから最初の数年は二人で力を合わせてなんとか暮らしていました。
しかし浦島太郎が白内障の手術を受け、また、妻が転倒して骨折すると、今まで通り二人で暮らしていくのは困難だと判断しました。
二人は貯金を切り崩して老人ホームに入ることを決めました。
ではどこの老人ホームがいいかと考えたとき、浦島太郎には思い当たることがありました。
「そういえば玉手箱を包んでいたチラシは老人ホームの広告だった。」
二人はチラシを探し出し、書かれてある番号に電話をしました。
「はい、お二人様ですね。はい、大丈夫ですよ。大歓迎です。今日からでもご入居できますよ。」
どんな様子だったかと妻が尋ねると、受話器を置いた浦島太郎は答えました。
「うん、とっても感じのいい人だった。声は乙姫に似ていた。」
キャバクラと老人ホームを経営するグループによる客誘導のコンビネーションは詐欺と認定され、後日乙姫、亀をはじめとする海の生き物たちや、いじめ役(犯行当時未成年)が逮捕された。
~・~・~・~・~
~感想~
玉手箱が昔話のそれでしかないので、そのまま浦島太郎の話で行くことにしました。
オチは決まっていたので、竜宮城にはもう少しキャバクラっぽい描写を入れてもよかったのかもしれません。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第88回『玉手箱 弱者 コンビネーション』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約45分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=dEQTI9HoOX8
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
浦島太郎が浜を歩いていると、子どもたちが亀をいじめていました。
見かねた浦島太郎が諭すと、子どもたちはいじめをやめて帰っていきました。
亀はお礼を言いました。
「ありがとうございます。お礼に竜宮城に連れて行ってさしあげましょう。」
「弱き者を助けるのは当然のこと。お礼など気にする必要はない。」
浦島太郎は亀の申し出をきっぱりと断りました。
「いえいえ、それでは私の気が済みません。」
「本当に気にすることはない。私が好きでしたこと。むしろ同じ人間がいじめていたことを心苦しく思っている。」
「しかしあなたこそ命の恩人です。ぜひ竜宮城へ。」
「それには及ばぬ。」
何度断っても亀は引きませんでした。
「今お忙しいのですか。」
「漁は終わったところだが。」
「ではぜひ竜宮城へ。」
「しかし妻が帰りを待っている。」
「ほんの少しだけで結構でございますから。」
亀の勧誘があまりにもしつこいので、浦島太郎は仕方なく竜宮城へ行くことにしました。
竜宮城に着くと、浦島太郎は事情を聞いた乙姫から盛大な歓待を受けました。
しかしあまりゆっくりもしていられない浦島太郎はすぐに竜宮城を出ることにしました。
すると乙姫はお土産にと浦島太郎に玉手箱をくれました。
家に着くと、浦島太郎は妻に玉手箱を見せて今日の出来事を話しました。
「亀を子どもたちから助けただけでそこまでしてくれたんですか。海の生きものたちは大変義理堅いのですね。」
「ああ。彼らは助けてもらった恩を倍にして返す。いや、倍以上だ。とてもいい人たちだ。」
「ではこの中には何が入っているのでしょう。」
二人はさっそく玉手箱を開けてみました。
すると白い煙がもくもくと出てきて、浦島太郎とその妻は一気にお年寄りになってしまいました。
髪の毛は真っ白になり、毛の量も少なくなっていました。
毎日漁に出て、毎日炊事をしていた浦島太郎と妻の腰は曲がっていました。
筋力も衰えていて、立っているのも難儀でした。
お年寄りになってから最初の数年は二人で力を合わせてなんとか暮らしていました。
しかし浦島太郎が白内障の手術を受け、また、妻が転倒して骨折すると、今まで通り二人で暮らしていくのは困難だと判断しました。
二人は貯金を切り崩して老人ホームに入ることを決めました。
ではどこの老人ホームがいいかと考えたとき、浦島太郎には思い当たることがありました。
「そういえば玉手箱を包んでいたチラシは老人ホームの広告だった。」
二人はチラシを探し出し、書かれてある番号に電話をしました。
「はい、お二人様ですね。はい、大丈夫ですよ。大歓迎です。今日からでもご入居できますよ。」
どんな様子だったかと妻が尋ねると、受話器を置いた浦島太郎は答えました。
「うん、とっても感じのいい人だった。声は乙姫に似ていた。」
キャバクラと老人ホームを経営するグループによる客誘導のコンビネーションは詐欺と認定され、後日乙姫、亀をはじめとする海の生き物たちや、いじめ役(犯行当時未成年)が逮捕された。
~・~・~・~・~
~感想~
玉手箱が昔話のそれでしかないので、そのまま浦島太郎の話で行くことにしました。
オチは決まっていたので、竜宮城にはもう少しキャバクラっぽい描写を入れてもよかったのかもしれません。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
24hポイントが0だった作品を削除し再投稿したらHOTランキング3位以内に入った話
アミ100
エッセイ・ノンフィクション
私の作品「乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる」がHOTランキング入り(最高で2位)しました、ありがとうございますm(_ _)m
この作品は2年ほど前に投稿したものを1度削除し、色々投稿の仕方を見直して再投稿したものです。
そこで、前回と投稿の仕方をどう変えたらどの程度変わったのかを記録しておこうと思います。
「投稿時、作品内容以外でどこに気を配るべきなのか」の参考になればと思いますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる