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第151回『社会人 渋滞 方言』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第151回『社会人 渋滞 方言』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約43分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=0GxfJacg2NE
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
津山は肩を落としながら帰社した。
自分の机に座りパソコンに記入している姿はいかにも重々しかった。
「よう、津山。今朝俺渋滞にはまっちゃって遅刻しちまったよ。」
先輩が津山の肩を叩いて話しかけた。
おそらく自分の失敗談を話して彼を元気づけようという作戦なのだろう。
しかし津山は愛想笑いを浮かべるだけで、表情は暗いままだった。
津山は社会人になって2年目であり、営業部に所属した。
元々明るく活発な性格であり、営業にも向いているように思われた。
しかし結果はひどいものだった。
同期は少しずつ仕事を覚え契約を取ってくる中、津山の成績は毎月最下位だった。
見かねた部長は津山に声をかけた。
「苦労しているようだな。」
津山は力なくうなずいた。
「でもこんなのは一時的で誰にでもあることだ。今はちょっと歯車がかみ合わないだけで、そういう奴ほどはまればガーンと伸びる。」部長は言った。「ひょっとしてお前、方言のことで悩んでるだろう?」
これは図星だった。
津山は学生時代までずっと地元で過ごし、方言の中で暮らしてきた。
だから彼には方言が抜けなかった。
しかしいざ会社に入ってみると、配属先は東京本社であり、それも営業だった。
訪問先で営業中に言葉が通じず首をひねられることは数知れなかった。
それが繰り返されることにより、いつしか津山は方言がコンプレックスとなり、口を開くのが怖くなってしまったのだ。
「さっきも言った通り、今は少し営業の歯車がかみ合わないだけだ。そういう時期はあるんだ。方言は関係ないぞ。むしろ俺はお前の方言は長所だと思ってる。」
津山は初めて顔を上げた。
その顔には方言が長所だと初めて言われた新鮮な喜びがあった。
1週間後津山は仕事を辞めた。
2年後部長が新聞を開いていると、驚きの声を上げた。
外国語ではなく、方言専用の翻訳アプリが開発され、それが地方の活性化につながっているという。
開発した会社の社長はあの津山だった。
部下もその記事を読んでいたので話しかけた。
「部長。あのとき言った方言は長所というのはこういう意味だったんですね。」
部長は苦笑した。
「いやあ違うよ。それが会話のきっかけになったり、愛嬌になればいいなという程度のものさ。深い意味なんてなかったよ。あいつはいい営業に成長すると思ってたのに、もったいないことしちゃったかな。」
「それは放言でしたね。」
しかし部長の顔は満足げであり、部下も昔の同僚が活躍の場を見つけられたのは嬉しい様子だった。
~・~・~・~・~
~感想~
放言の抜けない新社会人とだけ決めて、話やオチも決めないまま書き始めました。
最近ネットで翻訳アプリを使っている外国人というのを見たので、そこから方言の翻訳アプリW発想したのだと思います。
放言でしたというダジャレで締めるつもりだったのですが、急遽登場した部下という人物に言わせても唐突感がありまくりなので、地の文で締めることにしました。
あと方言がまったくわからないので、主人公にしゃべらせないで話を進めるのは苦労しました。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第151回『社会人 渋滞 方言』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約43分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=0GxfJacg2NE
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~・~・~・~・~
津山は肩を落としながら帰社した。
自分の机に座りパソコンに記入している姿はいかにも重々しかった。
「よう、津山。今朝俺渋滞にはまっちゃって遅刻しちまったよ。」
先輩が津山の肩を叩いて話しかけた。
おそらく自分の失敗談を話して彼を元気づけようという作戦なのだろう。
しかし津山は愛想笑いを浮かべるだけで、表情は暗いままだった。
津山は社会人になって2年目であり、営業部に所属した。
元々明るく活発な性格であり、営業にも向いているように思われた。
しかし結果はひどいものだった。
同期は少しずつ仕事を覚え契約を取ってくる中、津山の成績は毎月最下位だった。
見かねた部長は津山に声をかけた。
「苦労しているようだな。」
津山は力なくうなずいた。
「でもこんなのは一時的で誰にでもあることだ。今はちょっと歯車がかみ合わないだけで、そういう奴ほどはまればガーンと伸びる。」部長は言った。「ひょっとしてお前、方言のことで悩んでるだろう?」
これは図星だった。
津山は学生時代までずっと地元で過ごし、方言の中で暮らしてきた。
だから彼には方言が抜けなかった。
しかしいざ会社に入ってみると、配属先は東京本社であり、それも営業だった。
訪問先で営業中に言葉が通じず首をひねられることは数知れなかった。
それが繰り返されることにより、いつしか津山は方言がコンプレックスとなり、口を開くのが怖くなってしまったのだ。
「さっきも言った通り、今は少し営業の歯車がかみ合わないだけだ。そういう時期はあるんだ。方言は関係ないぞ。むしろ俺はお前の方言は長所だと思ってる。」
津山は初めて顔を上げた。
その顔には方言が長所だと初めて言われた新鮮な喜びがあった。
1週間後津山は仕事を辞めた。
2年後部長が新聞を開いていると、驚きの声を上げた。
外国語ではなく、方言専用の翻訳アプリが開発され、それが地方の活性化につながっているという。
開発した会社の社長はあの津山だった。
部下もその記事を読んでいたので話しかけた。
「部長。あのとき言った方言は長所というのはこういう意味だったんですね。」
部長は苦笑した。
「いやあ違うよ。それが会話のきっかけになったり、愛嬌になればいいなという程度のものさ。深い意味なんてなかったよ。あいつはいい営業に成長すると思ってたのに、もったいないことしちゃったかな。」
「それは放言でしたね。」
しかし部長の顔は満足げであり、部下も昔の同僚が活躍の場を見つけられたのは嬉しい様子だった。
~・~・~・~・~
~感想~
放言の抜けない新社会人とだけ決めて、話やオチも決めないまま書き始めました。
最近ネットで翻訳アプリを使っている外国人というのを見たので、そこから方言の翻訳アプリW発想したのだと思います。
放言でしたというダジャレで締めるつもりだったのですが、急遽登場した部下という人物に言わせても唐突感がありまくりなので、地の文で締めることにしました。
あと方言がまったくわからないので、主人公にしゃべらせないで話を進めるのは苦労しました。
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