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生贄聖女は食べられたい
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「はじめまして、魔王様! 私は生贄聖女のR1897。どうぞ美味しく食べてくださいませ!」
――俺は2000年ほど魔王をやっているが、人間ほど醜悪な生き物を見たことがない。嬉しそうに両手をひろげる聖女も、ヒト族が国家授業として孤児から生贄にするために育て上げているのだ。とりあえず世界を五回滅ぼしても問題ない気がしてくる。
銀髪と菫眼の聖女は、俺が黙ったのは、自分を見定めているせいだと思ったらしい。慌てたようにまくしたてる。
「あっ。痩せすぎて美味しくないとお思いですか? 私、脱ぐと結構すごいんです! おすすめはペリコッタチーズのソースか、バシール風味みたいです。踊り食いでも悲鳴をあげない訓練はつんでおります! ご安心くださいね!」
ニコニコと語る聖女(生贄)に、俺は頭を抱えた。
隣では、秘書兼側近のジンが笑いをこらえている。
「おい、ジン。これはどういうことだ?」
「毎年謝肉祭の日に生贄が送られてくるんですねぇ。今までの生贄は泣き喚いて自刃するか、武器を持った密偵だったのでこちらで”処理”してましたが、今回は害もなさそうなので魔王様の前までたどりついた、と」
「はい! わたくし、今まさに旬の、生贄としても完全完璧に脂がのっておりますから! まずはこの指先からでもご試食如何でしょう!」
「……ジン」
「はい」
「あとは任せた」
「えええっ。どうしてですか魔王様! あ、おしょうゆ味が良いですか? ニンニクステーキソースも持参しております! ラディッシュと一緒に煮てもおいしいらしく……!」
自身の調理方法を話しつづける声を背中で聞きながら、俺は執務室へと戻る。やはり、人間のことはよくわからない。
――俺は2000年ほど魔王をやっているが、人間ほど醜悪な生き物を見たことがない。嬉しそうに両手をひろげる聖女も、ヒト族が国家授業として孤児から生贄にするために育て上げているのだ。とりあえず世界を五回滅ぼしても問題ない気がしてくる。
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「あっ。痩せすぎて美味しくないとお思いですか? 私、脱ぐと結構すごいんです! おすすめはペリコッタチーズのソースか、バシール風味みたいです。踊り食いでも悲鳴をあげない訓練はつんでおります! ご安心くださいね!」
ニコニコと語る聖女(生贄)に、俺は頭を抱えた。
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「おい、ジン。これはどういうことだ?」
「毎年謝肉祭の日に生贄が送られてくるんですねぇ。今までの生贄は泣き喚いて自刃するか、武器を持った密偵だったのでこちらで”処理”してましたが、今回は害もなさそうなので魔王様の前までたどりついた、と」
「はい! わたくし、今まさに旬の、生贄としても完全完璧に脂がのっておりますから! まずはこの指先からでもご試食如何でしょう!」
「……ジン」
「はい」
「あとは任せた」
「えええっ。どうしてですか魔王様! あ、おしょうゆ味が良いですか? ニンニクステーキソースも持参しております! ラディッシュと一緒に煮てもおいしいらしく……!」
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