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第1章 巻き込まれ召喚と国外追放

#9 修復せよ!生き延びるために!(スキルの目覚め・後半)

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物質亜空間収納ストレージ…?」

 新たに頭に浮かんだ感覚に不思議な感覚を覚える。その感覚を例えれば大きな大きな透明な袋だろうか、その中に本来なら明日の為にと用意したチェーンソーが見えた。

「これを資源力MPに変換してやれば良いのか…。ちなみ樽を修復するのにいくつの資源力MPが必要なんだろう?」

【修復】:『半壊した酒樽』⇨
 耐久力:   1397 ⇨ 10000
  状態:     半壊 ⇨ 正常
必要MP:  8603万 ⇨ ➖8603万MP

 8603万か…、それじゃあチェーンソーを資源力MPに変換したらいくらになるんだろう?

◼️エンジン式チェーンソー(HEC-93C)◼️
 MP変換 ⇨ +164028MP

 じゅ、16万4千…。な、なんだろう、買った時の…日本円のだいたい半値くらいじゃないかコレ…。

「いずれにせよ、これじゃあ全然足りないッ!」

 8603万MPの必要額に対し、俺の所持品であるチェーンソーを売ったとしても16万MP余り…。比べようもない、誤差の範囲レベルだ。

「こ、ここまでか。…ん!?」

 その時、俺は気づいた。見慣れない…いや、違う!見かけたばかりの物を…。

◼️プラチナとサファイアの首飾り◼️

・魅力にプラス修正(亜空間収納中により効果発動せず)
強欲ごうよくになる(亜空間収納中により効果発動せず)

 千年前に熟練の宝石職人が製作したアクセサリー。付いているサファイアは当時の世界最大サイズであった。
 偶然見つけた農夫はこれを欲した領主である男爵に手討ちにされサファイアを奪われた。その男爵はより高位の貴族に殺され同様にこのサファイアを奪われた。以来、このサファイアめぐって様々な争いが起き、持ち主は次々と変わっていった。
 今はプラチナと組み合わせグランペクトゥの女王ヨジュアベーテお気に入りの装飾品であると同時に国宝として扱われていた。
 つい先程、異世界人加代田敏夫かよだとしおが無意識のうちに発動させた物質亜空間収納ストレージの能力によりグランペクトゥの女王ヨジュアベーテから回収された。

 MPマテリアルポイント変換値 ⇨ +50億MP

 
「ごッ、50億ッ!?か、変換える!今すぐ変換だッ!!」

 俺はすぐにプラチナとサファイアの首飾りをMPマテリアルポイントに変換した。

『MPに変換しました。
 保有MP 0 ⇨ 500000000』

「キ…、キタァ~~~ッ!!こ、これで…」

 ゴガアアッ!!!!

 再び何かにぶつかった衝撃!マ、マズい!もう耐久力は…。

「ぐうッ!?」

 目の前の樽の内壁が外から破られるように崩壊した。破片となった大樽、そして水までもが飛び込んで来て後ろに吹っ飛ばされ宙を舞った。チラリと垣間見かいまみえたのは険しい岸壁と激流!!こ、こんな所で投げ出されたら…。

「ま、間に合えぇーーッ!!『修復』ゥゥッッッッッッッ!!!!」

 俺は叫んだ。声を限りに叫んだ。間に合ってくれと、必死に願いながら。

 ズダァンッッ!!ゴロゴロ…!!

 吹っ飛ばされた勢いで大樽の底板を転がる、勢いが止まったのはボロ布を被った女性のすぐ横の位置だ。

「うぐ…。間に…、合って…くれ…」

 吹っ飛ばされた時に頭でも打ったか俺は意識が遠のいていくのを感じていた…。



 今話で第一章は終了です。
 次話より新章、主人公はどうなるのか、一緒に追放された女性は何者なのか?ご期待ください。


 








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