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第三章 人神代理戦争 勃発
十一話 誰を英雄と讃えるのか 其の拾壱
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バサラが初めて神を殺して二ヶ月。
ミレニアム王国、神の間。
そこは神のみの入室が許されている神聖なる空間。そこに十二の神が集い、今自分達に起きている事柄について話をしていた。
「雷神ユピテルが今回の議題を進める。今回、話すのは我々を殺した人間についてだ」
白い髪に青い眼、真っ黒なスーツに身を包んだ青年の様な姿をした神が口を開くと続けて横にいた胸元を大きく広げた女の神が答える。
「そんなこと話すのー? ねえ、ユピテル~、そんなの置いといて! 私~、人間共は嫌いだけど~、あいつらが作る芸術は評価してるから、今度、私達神々を題材に劇を作らせて一緒に観に行きましょうよー」
「ユノ、後でにしよう。今は大切な会議の途中だからね」
「ちぇっ~」
そんなやり取りを二神がしていると巨大な体に上半身には服を着ず、獣の皮を羽織った者がその部屋から出ようとする。
「何処行く気だい? トール、話は終わってないだろう?」
「痴話喧嘩見せられるために来たんじゃねえんだ。大体、本当に気にする事か? 人如きが俺達を殺すのを。神とはこの世界の理を任された絶対的存在だ。その神を殺すのであればその人間もまた絶対的存在、ならば、やることは一つだ。そいつを殺して示しをつける、よ単純明快」
「まぁ、まぁ、ユピテルも困っちゃうし、それくらいにしときなよ! 兄さん」
出ようとするトールを止めたのは燕尾服に身を包み、その会議を真剣に聞かないが参加しているロキであった。ロキに止められた瞬間、トールの手には握られていなかったはずの巨大な斧が現れるとそれを彼に投げつける。
ロキは笑顔で受けようとするもそれを彼の手前で槍を投げてそれを弾いた。互いに投げた得物は自分の手元に戻ると片目を潰し眼帯をしており、長く伸びた黒い髪をいじりながら彼は口を開いた。
「座れ、トール。十二の神が集うとされているのに今日は七柱しかいないのだ。これ以上居なくなれば話が進まん」
「チッ、長兄が言うなら聞くしかねえな。それよりもユピテル、いつも揃わんのは承知だが、今日は減りすぎだろ?」
トールがそう言いながら席に着くとユピテルはため息を吐き、それに答えた。
「ヴォルカヌス、彼はもう数百年前に姿を消してる。そこから十一の神々でこの議会は進めて来た。アポロン、ディアナ、バルバド、テュール、彼等は全員一人の人間に殺されている」
「?! 嘘だろ。どう言うことだ?
なぁ! バルバド、テュールが殺されただと?! ふざけるなよ! ユピテル!」
激昂するトールに対してユピテルは冷静で、淡々と事実を述べる。
「本当だよ。それ以外にも三十、同胞が殺された。百八で統治していた神々は今や七十四となった。トール、君が考えているより遥かに上の被害となっている」
ユピテルの口調は丁寧且つ冷静に見えるがそこには怒りが滲んでいた。その場にいた七神の内この事実を知っていたのはユピテル含めず、二人。だが、彼らは何も言わず、その場をやり過ごす。
ユピテルはその事実を知った上で、これから残った同胞を守るために会議を進めた。
そして、ある程度の目的が決まり、彼は再び口を開いた。
「人類の統治は基本二柱一組で行う。一柱は防御に徹し、もう一柱が人間を狩る。そして、その人間は何故か顔も居場所もわれていない。必ず突き詰めようとすること。以上だ! また、生きてこの間で話をしよう。その時は上手い酒に人間の悲劇を肴にしながら語り合おうじゃないか!」
ユピテルが解散の言葉を述べ、彼らはゾロゾロと外に出て行った。だが、その場には三神が残り、彼らの内一神であるロキが声を上げる。
「どうしたんだい? ユピテル、兄さん、残って」
おちゃらけた態度のロキをオーディンに苛立ちを見せながら答えた。
「お前、神を殺している者の正体を知っているな。答えろ、そいつを指名手配して差し出させる」
「はは! 無理無理。何故かって? それはもう僕が何度か試してるけど、そいつは何処を探しても見つからなかった。とすれば、僕達は直接対決しか残されていない! あはは! 怖いのかい? 兄さん、死ぬのが! 死を恐怖する神ってのはさ! 何とも滑稽だねえ? 僕? 僕だって死ぬのは」
そこまで行った瞬間、彼の喉が何かに掻っ切られた。ロキの喉を切り裂いたのはユピテルの手に握られていた剣であり、それは雷を纏っていた。
「ロキ、君の悪趣味に付き合うつもりは無いよ。ただね、人類が生まれてからこのかた数千年、僕達の地位は揺らぐことは無かった。それを君は理解して欲しい。殺しはしないし、ここに集える程の実力者はほとんど居ないんだからよろしく頼むよ?」
ユピテルはロキに向けた剣を仕舞うと、彼はその場を後にし、オーディンもそれに追随していなくなった。
神の間に一人残されたロキは自身の喉から血が溢れるのを気にすることなく、高らかに笑う。何故、笑うのかは自分ですら理解出来ない。ただ、バサラが自分の首元に迫るのを感じ、笑わずにはいられなかった。
(バサラ! 君が僕を殺すなら! 僕は君を殺して最高の思い出を作る! 早くおいでよ、こっちに!)
ミレニアム王国、神の間。
そこは神のみの入室が許されている神聖なる空間。そこに十二の神が集い、今自分達に起きている事柄について話をしていた。
「雷神ユピテルが今回の議題を進める。今回、話すのは我々を殺した人間についてだ」
白い髪に青い眼、真っ黒なスーツに身を包んだ青年の様な姿をした神が口を開くと続けて横にいた胸元を大きく広げた女の神が答える。
「そんなこと話すのー? ねえ、ユピテル~、そんなの置いといて! 私~、人間共は嫌いだけど~、あいつらが作る芸術は評価してるから、今度、私達神々を題材に劇を作らせて一緒に観に行きましょうよー」
「ユノ、後でにしよう。今は大切な会議の途中だからね」
「ちぇっ~」
そんなやり取りを二神がしていると巨大な体に上半身には服を着ず、獣の皮を羽織った者がその部屋から出ようとする。
「何処行く気だい? トール、話は終わってないだろう?」
「痴話喧嘩見せられるために来たんじゃねえんだ。大体、本当に気にする事か? 人如きが俺達を殺すのを。神とはこの世界の理を任された絶対的存在だ。その神を殺すのであればその人間もまた絶対的存在、ならば、やることは一つだ。そいつを殺して示しをつける、よ単純明快」
「まぁ、まぁ、ユピテルも困っちゃうし、それくらいにしときなよ! 兄さん」
出ようとするトールを止めたのは燕尾服に身を包み、その会議を真剣に聞かないが参加しているロキであった。ロキに止められた瞬間、トールの手には握られていなかったはずの巨大な斧が現れるとそれを彼に投げつける。
ロキは笑顔で受けようとするもそれを彼の手前で槍を投げてそれを弾いた。互いに投げた得物は自分の手元に戻ると片目を潰し眼帯をしており、長く伸びた黒い髪をいじりながら彼は口を開いた。
「座れ、トール。十二の神が集うとされているのに今日は七柱しかいないのだ。これ以上居なくなれば話が進まん」
「チッ、長兄が言うなら聞くしかねえな。それよりもユピテル、いつも揃わんのは承知だが、今日は減りすぎだろ?」
トールがそう言いながら席に着くとユピテルはため息を吐き、それに答えた。
「ヴォルカヌス、彼はもう数百年前に姿を消してる。そこから十一の神々でこの議会は進めて来た。アポロン、ディアナ、バルバド、テュール、彼等は全員一人の人間に殺されている」
「?! 嘘だろ。どう言うことだ?
なぁ! バルバド、テュールが殺されただと?! ふざけるなよ! ユピテル!」
激昂するトールに対してユピテルは冷静で、淡々と事実を述べる。
「本当だよ。それ以外にも三十、同胞が殺された。百八で統治していた神々は今や七十四となった。トール、君が考えているより遥かに上の被害となっている」
ユピテルの口調は丁寧且つ冷静に見えるがそこには怒りが滲んでいた。その場にいた七神の内この事実を知っていたのはユピテル含めず、二人。だが、彼らは何も言わず、その場をやり過ごす。
ユピテルはその事実を知った上で、これから残った同胞を守るために会議を進めた。
そして、ある程度の目的が決まり、彼は再び口を開いた。
「人類の統治は基本二柱一組で行う。一柱は防御に徹し、もう一柱が人間を狩る。そして、その人間は何故か顔も居場所もわれていない。必ず突き詰めようとすること。以上だ! また、生きてこの間で話をしよう。その時は上手い酒に人間の悲劇を肴にしながら語り合おうじゃないか!」
ユピテルが解散の言葉を述べ、彼らはゾロゾロと外に出て行った。だが、その場には三神が残り、彼らの内一神であるロキが声を上げる。
「どうしたんだい? ユピテル、兄さん、残って」
おちゃらけた態度のロキをオーディンに苛立ちを見せながら答えた。
「お前、神を殺している者の正体を知っているな。答えろ、そいつを指名手配して差し出させる」
「はは! 無理無理。何故かって? それはもう僕が何度か試してるけど、そいつは何処を探しても見つからなかった。とすれば、僕達は直接対決しか残されていない! あはは! 怖いのかい? 兄さん、死ぬのが! 死を恐怖する神ってのはさ! 何とも滑稽だねえ? 僕? 僕だって死ぬのは」
そこまで行った瞬間、彼の喉が何かに掻っ切られた。ロキの喉を切り裂いたのはユピテルの手に握られていた剣であり、それは雷を纏っていた。
「ロキ、君の悪趣味に付き合うつもりは無いよ。ただね、人類が生まれてからこのかた数千年、僕達の地位は揺らぐことは無かった。それを君は理解して欲しい。殺しはしないし、ここに集える程の実力者はほとんど居ないんだからよろしく頼むよ?」
ユピテルはロキに向けた剣を仕舞うと、彼はその場を後にし、オーディンもそれに追随していなくなった。
神の間に一人残されたロキは自身の喉から血が溢れるのを気にすることなく、高らかに笑う。何故、笑うのかは自分ですら理解出来ない。ただ、バサラが自分の首元に迫るのを感じ、笑わずにはいられなかった。
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