【完結!】田舎暮らしの神殺し、二度目の神殺しに挑む〜余生は静かに暮らしたいのに弟子達がさせてくれない件〜

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第三章 人神代理戦争 勃発

五十二話 五大王国会議 其の拾捌

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 人神代理戦争対策会議、それは白熱し、互いに疲弊しながらも全ての決定をするために王達は三日三晩止まることはなかった。

 ターニャは度々休憩をとりながら、それ以外の面々は心身のリフレッシュのための風呂と食事以外では寝ることを惜しんで会議を進めた。

 体力も限界だが、それでも彼らは王としての責務を果たすために取り決めとこれからの予定を組み立てる。全てが決まるとそれの確認を取るためにスカンダが口を開いた。

「まとめるぞ! はじめに前の五大王国会議、そこにあったヴェープルの諸々に対しての罰の全ての国への技術提供、これは執行する。代わりに、他四国は自国の優秀な人財をヴェープルに送り、ダラモスの修復に尽力する。つづいて、各国の国民は全てミレニアムに残りの日数をかけて集め、ミレニアム王国を砦として戦闘準備を進める。加えて、これより一週間で全ての国の兵士をミレニアムに集合し、合同訓練を行う! これには冒険者協会にも協力を仰ぎ、今も持てるもの全てを打つける! いわゆる、総力戦だ! 最後に! ミレニアム王国として各国王に誓いを立てる! うちの国は落とさせない、何があってもお前らの国の民もお前達の命も全部守り切る! 以上! 文句のある奴は今から言え!」

「ルーヴェン、異議なし!」

「バンコクも異議なし」

「ヴェープルも異議なしですわ」

「シャルルも異議なしだ」

 全員の確認が取れるとスカンダは笑顔を浮かべ、再び声を上げた。

「よし! これより人神代理戦争対策本部を設置し、五大王国連合軍を組む! 各国準備を!」

 その一言で会議が終わるとターニャ以外の王達は自国に戻らず、彼らはそのままミレニアムに向かうことが決まった。

「と言う訳で、ヴェープルに向かうシンク以外は帰国の準備だ」

 スカンダの一言で、準備を始め様とした時、ジータが各国の王がいる中、突然喋り出した。

「王よ、突然の申し出ですがよろしいでしょうか?」

「ん? なんだ?」

「ありがとうございます。それでは、私、ジータ・グランデ及び四護聖、そして、ルーヴェン王国騎士団長エイブラハム・ルーデウスは本日、ミレニアム王国剣術指南役カツラギ・バサラに決闘を申し込みます」

 唐突な決闘の申し出に、スカンダは一瞬だけ戸惑うとバサラに視線を向けた。名指しで決闘を申し込まれたのに対して表情を一切変えず、知っていたかの様な落ち着きを見せ、スカンダも戸惑う素振りを見せまいとこほんも咳払いをしてそれに応えた。

「ダメだ。ダメに決まってるだろう。何故今なんだ、ジータ。この大変な時期に、急に決闘なんて」

「分かってます、分かってるからこそ、必要なことなのです。王よ、この決闘、私の全てを賭けて臨みたいもの。親友として見届けてくれない? スカンダ」

 王としてではなく、親友としての頼み。それを聞き、スカンダは悩ましいと言うのがわかる表情を浮かべる。だが、そんなスカンダの肩をローズが掴んだ。

「スカンダ、悩む必要あるか?」

「いや、悩むだろう。悩むどころか速戦即決だ。大切な兵士を」

「うちのやつも急に昨日言い出してな。最初は困惑したがあいつらにも理由がある。なら、王としてそこはどしんと構えるべきだぞ」

 ローズに耳うちされ、スカンダは考えた。いつもの自分ならすぐにでも許可を出す。だが、今は戦争の前、体験したことのないことの前にもしもがあっても困る、そう思うと乗り気にはなれなかった。

「シャロン、ジャン、ターニャあんた達はどう思う?」

「私は賛成~。大丈夫、うちのヴィクターが死ぬ以外は治してくれる」

「ふむ、自分もいざこざがあってから衝突するよりも今それを消化できるならしてしまった方がいいと思うぞ」

「私はノーコメントで」

 三人の王も概ね、賛成の意見であり、スカンダは再びため息を吐くも覚悟を決めたのかジータの申し出の答えを出した。

「分かった、スカンダ・アポカリプスが了承する。一応聞くぞ、バサラ、あんたはこの決闘受けるのか?」

 スカンダの問い、それにバサラは迷い無く応えた。

「勿論、スカンダ殿、あなたが了承すれば受けるつもりだ。そして、それが下りたと言うのであれば、ジータ・グランデ、彼女の決闘の申し出、受け入れよう」
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