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第四章 人神代理戦争 霹靂
二十五話 人神代理戦争 其の拾壱 竜殺帰還⑥
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帰還者の握る無量辺処、循環を司る共鳴器は主人が見せた静かなる殺意に呼応する。
かつて、博士、彼が生み出した壊滅の運命のみに許された可能性、そのデータは新たな博士に受け継がれ、廃棄孔全ての面々に伝わっていた。
「第二共鳴解放、これは聖遺物のみが至れる極地だ。壊滅に身を焦がし、世界をいや、己の世界を破壊する、もしくは破壊された者のみが感情の爆発により、その地点に到達出来る。あー、諸君らは全員、その素質しかない。つまりだ、私が何かをしなくても君達はいずれ辿り着くが出来るのだよ。だから、コツなんて物は要らない。一番必要なのは感情の爆発を抑えない事、それだけが条件さ」
博士の言葉。それは感情の爆発、そのから生まれる壊滅の運命の覚醒。
それにより至る二度目の共鳴。
しかし、静かなる感情の揺らぎ、それを共鳴器は感知するのだろうか?
答えは否。
しない、するはずがないのである。
感情の昂りが無ければそれは到達出来ない。
筈である。
帰還者と言う存在、彼の静かな揺らぎは違った。ジークフリートと言う旧友に対しての今まで抱くことのなかったはずの静寂たる殺意。
それを循環の共鳴器は拾い上げる。
冷めた殺意に心躍らせる様に無量辺処は主人に自身の覚醒を告げた。
「我が運命は壊滅。至る終焉、来たる破壊者。共鳴器・無量辺処よ、我が運命の燈を贄に現せ、新たなる姿を」
赫の剣と蒼の刀、両者共に混じり合い、一つとなる。両手の得物は輝きを止めると帰還者の腕には紫電の刃を持ちし倭刀が握られた。
刃渡は帰還者より少し短いが全長は凡そ同じほどであり、新たに生まれた自身の得物を彼は遠慮なく振るった。
振るわれた無量辺処はその瞬間、秘められていた力を解き放つと斬撃がジークフリート目掛けて放たれた。ジークフリートは紅の爪で止めようとした時、彼女の全身が何かを感じ取ると爪を長く伸ばし、弾こうと切り替える。
(一瞬感じた、死に直結するこの感覚は!)
邪竜の血で生まれた爪が帰還者が放った斬撃に触れた途端、飲まれた。
帰還者の共鳴器は「虚空」と呼ぶ、自身だけが触れれる空間がある。それを防御するために身に纏う虚空万象は、常に発動することの出来ないが発動すれば全ての攻撃を受け付けなくする物。
しかし、第二共鳴解放により、覚醒した無量辺処は吸収と発散、両方を同時に行える。
自身の肉体に纏うのでは無く、共鳴器のみであるものの虚空万象の能力を常に使うことができ、それを知らずに帰還者は使った。
そして、一振りするのみで、彼はそれを理解し、左手で握った無量辺処を何度も振るう。
「虚空」の斬撃はジークフリートの邪竜の鎧を簡単に砕くと彼女が隠していた四肢を曝け出させた。
「チッ!」
両腕両足にギリギリで血の鎧を纏い、自身の腕が再生されないことを何とか隠し通すも翼も、尻尾も破壊されてしまった。
空を飛ぶための翼をもがれ、重力に沿って落下する。
ジークフリートよりも早く邪竜失墜混沌大剣が地面に落下しており、打つ手がないことを理解していた。
(俺は今落下中、手元には邪竜失墜混沌大剣は無し。そんでもって上からは斬撃が飛んで来てる。詰みだな!)
迫る死に対して、ジークフリートは何をすべきか考える。凡そ数秒にも満たぬ間に、自分と地面が打ちつけ、死にはしないがその後の勝負に支障が出るのは確かであると知っていた。
「なら、やるか! 俺も!」
それは相手も出来たなら、自分も出来ると言う至極単純なものであるが、それは彼と言う存在を全て理解していたかの様な物。
帰還者と言う存在を討ち取り、止めるために、両手を翳し、ジークフリートは有り余る自身の感情を爆発させた。
かつて、博士、彼が生み出した壊滅の運命のみに許された可能性、そのデータは新たな博士に受け継がれ、廃棄孔全ての面々に伝わっていた。
「第二共鳴解放、これは聖遺物のみが至れる極地だ。壊滅に身を焦がし、世界をいや、己の世界を破壊する、もしくは破壊された者のみが感情の爆発により、その地点に到達出来る。あー、諸君らは全員、その素質しかない。つまりだ、私が何かをしなくても君達はいずれ辿り着くが出来るのだよ。だから、コツなんて物は要らない。一番必要なのは感情の爆発を抑えない事、それだけが条件さ」
博士の言葉。それは感情の爆発、そのから生まれる壊滅の運命の覚醒。
それにより至る二度目の共鳴。
しかし、静かなる感情の揺らぎ、それを共鳴器は感知するのだろうか?
答えは否。
しない、するはずがないのである。
感情の昂りが無ければそれは到達出来ない。
筈である。
帰還者と言う存在、彼の静かな揺らぎは違った。ジークフリートと言う旧友に対しての今まで抱くことのなかったはずの静寂たる殺意。
それを循環の共鳴器は拾い上げる。
冷めた殺意に心躍らせる様に無量辺処は主人に自身の覚醒を告げた。
「我が運命は壊滅。至る終焉、来たる破壊者。共鳴器・無量辺処よ、我が運命の燈を贄に現せ、新たなる姿を」
赫の剣と蒼の刀、両者共に混じり合い、一つとなる。両手の得物は輝きを止めると帰還者の腕には紫電の刃を持ちし倭刀が握られた。
刃渡は帰還者より少し短いが全長は凡そ同じほどであり、新たに生まれた自身の得物を彼は遠慮なく振るった。
振るわれた無量辺処はその瞬間、秘められていた力を解き放つと斬撃がジークフリート目掛けて放たれた。ジークフリートは紅の爪で止めようとした時、彼女の全身が何かを感じ取ると爪を長く伸ばし、弾こうと切り替える。
(一瞬感じた、死に直結するこの感覚は!)
邪竜の血で生まれた爪が帰還者が放った斬撃に触れた途端、飲まれた。
帰還者の共鳴器は「虚空」と呼ぶ、自身だけが触れれる空間がある。それを防御するために身に纏う虚空万象は、常に発動することの出来ないが発動すれば全ての攻撃を受け付けなくする物。
しかし、第二共鳴解放により、覚醒した無量辺処は吸収と発散、両方を同時に行える。
自身の肉体に纏うのでは無く、共鳴器のみであるものの虚空万象の能力を常に使うことができ、それを知らずに帰還者は使った。
そして、一振りするのみで、彼はそれを理解し、左手で握った無量辺処を何度も振るう。
「虚空」の斬撃はジークフリートの邪竜の鎧を簡単に砕くと彼女が隠していた四肢を曝け出させた。
「チッ!」
両腕両足にギリギリで血の鎧を纏い、自身の腕が再生されないことを何とか隠し通すも翼も、尻尾も破壊されてしまった。
空を飛ぶための翼をもがれ、重力に沿って落下する。
ジークフリートよりも早く邪竜失墜混沌大剣が地面に落下しており、打つ手がないことを理解していた。
(俺は今落下中、手元には邪竜失墜混沌大剣は無し。そんでもって上からは斬撃が飛んで来てる。詰みだな!)
迫る死に対して、ジークフリートは何をすべきか考える。凡そ数秒にも満たぬ間に、自分と地面が打ちつけ、死にはしないがその後の勝負に支障が出るのは確かであると知っていた。
「なら、やるか! 俺も!」
それは相手も出来たなら、自分も出来ると言う至極単純なものであるが、それは彼と言う存在を全て理解していたかの様な物。
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