【完結!】田舎暮らしの神殺し、二度目の神殺しに挑む〜余生は静かに暮らしたいのに弟子達がさせてくれない件〜

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第四章 人神代理戦争 霹靂

三十七話 人神代理戦争 其の弐拾壱 不死聖女②

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「あはは! 最高だなぁ! あんたぁ!」

 ヴィクター・V・ハルペーは身体中を破壊され続け、既に再生が追いつかないほどのダメージを受けていた。一方、聖処女メイデンもまた、彼の無謀な攻撃の幾つかを受け、着実にダメージが蓄積されていた。

 幾十重にも死を体験したヴィクターの視界、それは徐々に魂を掴み始めており、聖処女メイデンの不可視の爆撃が見えていた。

 だが、それを彼は避けずに受ける。
 自身の死を蓄積する事でしか、生を感じれぬヴィクターは聖処女メイデンの攻撃を心地良く感じており、何度も受けては死を体験し続けた。

 大振りでありながら、その一撃は地面を抉るほどであり、ラヴァルは既に切り裂かれてしまっていた。

 ラヴァルを愛染アイゼンを使い、槍としてヴィクターに放つも串刺しになろうが、関係なく、最後には間合いを詰めてきて、不死者行進曲アンデッド・パレードを振るった。魂の視界により、聖処女メイデンの弱点を見抜くとそこを的確に狙い、何度も彼女の命を脅かす。

「貴方は何故そこまでして死にたがるの?」

 ヴィクターの両足が爆ぜ、続けるように両腕を爆発させた。芋虫のようになりながらも彼女に向けた戦う意志を見せ、ヴィクターは彼女の問いに答える。

「死でしか生を味わえないからかなぁ~! 逆に聞く、聖処女メイデンとやら。お前はさ、何で生を感じているんだ? 見たところ、お前にゃ戦う理由が見当たってない、そうだろう?」

「私のことを勝手に分析なさらないで」

 ラヴァルの鉄により生み出した槍を上空に作り出し、再生する前に彼を地面に磔にした。

「これなら動けないでしょう。本当に厄介な相手でした、貴方は」

 聖処女メイデンは背を向けるとその真横から、不死者行進曲アンデッド・パレードの刃の部分が彼女の首元に飛んできた。

「なっ?!」

 聖処女ダルクは避けることが出来ず、目の前で爆発させようとするも彼女の脳裏にかつての記憶がフラッシュバックする。

 かつて、聖女と呼ばれ、讃えられた英雄であった。それにも関わらず、最後は民から石を投げられ、悪魔と罵られ、その身を焼かれた。

 今、爆発させれば自分にもその影響が及ぶ。
 そう考えると常に身を焦がすような熱を持っていた彼女であってもそ躊躇ってしまった。

(ま、ずい)

 首元に不死者行進曲アンデッド・パレードが打つかる直前、かつての友の魂が籠った鉄塊がその間に挟まり、防いだ。

「ラ、ヴァル?」

 鉄塊となった状態であれば、彼は動けない。
 そう設定していたのにラヴァルは、聖処女メイデンの騎士は動き、彼女を守った。

「すごいな、あんたの騎士も、あんたも!」

 いつの間にか槍の雨に打たれて磔にされていたヴィクターがそこから脱出しており、血まみれになりながら防がれた不死者行進曲アンデッド・パレードを拾い上げ、再び刃を聖処女ダルクに向ける。

 凶刃がが迫る中、聖処女メイデンは理解した。
 ラヴァルと言う鉄塊に魂を与えた道化師クラウンの意味を。

 目に映る世界にもう一つ、色が付く。
 それは魂の色であり、聖処女メイデンはヴィクターの色を見て、両手を交えて祈った。

 ヴィクターが向けた刃を自身の肉体にぶつかる直前に爆発させ、防ぐと聖処女メイデンは祈りながら口を開く。

「貴方の魂、それが貴方の本当の姿なのね。ヴィクター、今からその幼き魂を浄化します。我が運命は壊滅。至る終焉、来たる破壊者。共鳴器・愛染アイゼンよ、我が運命のともしびを贄に現せ、新たなる姿を」

 目の中に埋められた共鳴器・愛染アイゼン、その第二共鳴解放セクンド・レゾナント

 聖処女メイデンの炎の色が赤き業火から青へと変わる。

 ヴィクターは気にせず、彼女に得物を振るうとその瞬間、彼の肉体を青い炎が焼いた。

「あはは! いい! 青い炎なんて焼かれたことない!」

 ヴィクターは止まらない。
 止まろうとしない。
 ストッパーが壊れており、進む以外の答えがなかった。

 だが、そんな彼の肉体が動かなくなっていく。

「何だ! 何だ! 何故だ!」

 ヴィクターは叫んでいたが徐々にその声が無くなり、彼は目の前に映った光景に囚われる。

 それは幼き頃に失った両親の姿。

 青き炎、それは鎮魂の灯、相手に幻覚を見せるもの。

「ヴィクター・V・ハルペー、貴方は今から私が死ぬまで永遠に青き炎で焼かれます。貴方はそこからは逃げ出せません。だって、心地良いでしょう? その暖かさは」

 聖処女メイデンは彼を倒したことで、その場から去ろうとした。

 しかし、そんな彼女に拳闘士が強襲する。
 気配も無く、目の前に現れたのはミカ・イゾルデ。

 四護聖でありながら、教会の司祭を務める人のために祈る聖女。
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