【完結!】田舎暮らしの神殺し、二度目の神殺しに挑む〜余生は静かに暮らしたいのに弟子達がさせてくれない件〜

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第四章 人神代理戦争 霹靂

七十一話 人神代理戦争 其の伍拾肆 神殺魔王③

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  第六天魔王波旬ヴァシャ・ヴァルティン、その本質は変幻自在であり、凡ゆる武器への変化及び、公爵デュークが握るに最適な解と成ることが出来る共鳴器であった。

ぼん、俺がこれを握ったのはある男との戦いだけだ。誇って良いぞ」

  第六天魔王波旬ヴァシャ・ヴァルティンが宙を舞う。五つの剣が公爵デュークを守る様に周囲を回転すると彼は嬉しそうに一本を握りしめた。

 次の瞬間、バサラの目の前に公爵デュークが現れた。

「なっ?!」

 涅焔カーラ涅槃静寂ニルヴァーナを挟み込み、直撃を免れるも目にも止まらぬ速度で公爵デュークはその剣を叩き込む。一度距離を詰めた瞬間、もう片手に握った 第六天魔王波旬ヴァシャ・ヴァルティンを投げつけると次にもう一本を手に取った。

 襲い掛かる蓮撃にバサラも対応するもそれを上回る速度で二つの得物で防いでいた箇所以外を削り取る様に公爵デュークの剣が刻まれた。

 武器の数が変われば戦況が変わるか?
 それは持ち手の技術と実力による。

 公爵デューク 第六天魔王波旬ヴァシャ・ヴァルティンは凡ゆる戦場を一人で駆け抜けるためにその変幻自在の本質を曲解させた。

 本来の 第六天魔王波旬ヴァシャ・ヴァルティンの変幻自在の本質は幾多の能力へと解釈することで変化させるものであった。

 それを公爵デュークが無理矢理捻じ曲げ、凡ゆる武器への変化へと変えたのである。

 それが第二共鳴解放セクンド・レゾナントにより、完全な解放を見せた。六つの剣と呼べる武器が公爵デュークの周囲を宙に浮きながら回転し、それらは彼が今一番欲しい得物へと常に姿形を変えて、手元に握られる。

「どうしたぁ! ぼん! さっきまでの啖呵は!」

 刻む速度とボルテージは跳ね上がり、ここでバサラを刻み、他の者達も全て自分一人で切り殺そうと公爵デュークは考えた。しかし、それで終わるほど、カツラギ・バサラと言う人間は脆くなかった。

 涅焔カーラの刃から黒い炎が現れるとそれを鞘として、バサラはその剣術を公爵デュークに叩きつける。

「我流、抜刀・五月雨」

 一の太刀に数十の剣撃が放たれ、公爵デュークはそれを防ぐとバサラは涅槃静寂ニルヴァーナを握りしめた。

 そして、その世界を、風景を一つの絵として固定する。氣よりも深いところ、魂の本質を捉え、バサラは涅槃静寂ニルヴァーナへと力を込める。

 公爵デュークは彼が何をするのかを知らない。だが、それが自身の体に叩き込まれれば自分であってもタダじゃ済まないことを理解すると浮遊する五つの剣を前にして、その一撃を防ごうとする。

 互いに見合い、風が凪いだ瞬間、バサラは涅槃静寂ニルヴァーナを振るった。

 世界を断つ、それこそがバサラの極地であり、防御不可能の必殺の剣。

 世界を断つ斬撃。

 既に剣を構える前の公爵デュークの肉体を捉えており、振るうと同時に彼の肉体にその剣が次元を超えて刻まれる。公爵デュークの体に切り傷が生まれ、それは明らかに防いだにもかかわらず、ハッキリと彼を傷つけた。

「ほう」

 公爵デュークの肉体強度は神同等かそれ以上であった。それが傷つけられ、一歩間違えば死に至らしめた一撃であり、公爵デュークの口からは血が流れていた。

「いい、いいぞ! ぼん! お前は俺を殺そうとしたな! だが、躊躇った! その剣、俺を殺せたはずだろう! それが甘いと言っているのだよ!」

 血を口から飛ばしながら怒りを向ける。
 公爵デュークの怒りに対してバサラは逆に笑顔で応えた。

「違えよ! 師匠。あんたを殺すのは僕だ。だが、今のはただの昔の俺の剣だ。すぐに、殺すのは勿体ないだろう? 次のラウンドだ。上げてけよ! 師匠! 最後の親孝行だ!」
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