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第五章 人神異界最終決戦
十八話 人神異界最終決戦 其の拾捌
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***
トオルは考えた。
今、自分が出来ることがないかを全力で頭を回し、思考するも倶利伽羅の黑鎧武装は完全に尽きており、成す術がなくなっていた。
「クソ! エイブラハムも、吟千代も、バサラも戦ってるってのに!」
壁を叩くもそのドンという音が虚しく響く。
そんな中、悔しそうにする彼にラビットが喋りかけた。
「日下部トオル、あなたはこれからアリスと歩んでくれますか?」
ラビットが唐突な質問にトオルは驚くもそれに対して即答した。
「当たり前だろ」
「そうですか、即答とは貴方らしい。ならば、私も示すべきですね、あなたの覚悟に応えるために」
ラビットは破壊されていたはずの四肢を無理矢理くっつけて、腕を作り上げるとトオルの目の前に握手を求めた。
「なんだよ、これ」
「私は倶利伽羅の黑鎧武装から生まれた機体。私を吸収すればもう一度、レイブンになれます」
ラビットの覚悟は決まっていた。
既に自分は必要なく、ここでトオルを戦場に向かわせなければ、状況を好転させる一手が打てないと予想しているが故に、その提案を自ら行った。
「いや、だよ、ラビット。さっき、いらないって言ったの気にしてるの? それなら、謝るからそんなこと言わないで」
それをアリスは止めようとした。
「アリス、あなたはもう十分苦しんだ。この世界でトオルに出会えたのは奇跡にも近い事。あなた達がこの世界で生きていくなら私は不要なのです」
「そんな訳ない、あなたは私の家族で、大切な友達なの! 早まらないで、お願い」
アリスは泣きじゃくりながらラビットに懇願する。少女にとってトオルとの10年間、そして、記憶をなくしての2年間、共に過ごしていたラビットと言う存在を失うことがかつてトオルを失った様な恐怖に駆られ、それが最善の手段であると知っていながらも自分のわがままで拒んだ。
「アリス、これ以外にあなたを救う手段がないのです。トオル、頼みます」
「断る」
「なっ!? それでは戦いになんていけないのですよ!?」
「戦えるさ、俺はレイブンだぞ。倶利伽羅なしでも戦える。必要なのは勇気だ」
トオルは既に自身が無力であることを知っており、それでいても自らの意志でその提案を拒んだ。彼にとってベルトが全てではなく、救いたいと思う意志こそがレイブンとして、自分を成り立たせていると理解していた。
アリスを救うには自分では足りない。
ラビットであることが必要。
予想外の馬鹿にラビットは機械ながら呆気に取られるも自身が彼らにとって大切な存在であると無理にでも分からせられた。
少しの間、沈黙が続くとラビットは自身の思考のための計算機を極限まで回転させた。そして、トオルが生身で戦場に向かおうとし、それをアリスが止める中、ラビットがもう一つの提案を出した。
「わかりました、なら、これでどうでしょうか。トオル、私を吸収するのではありません。合体しましょう」
「合体? そんなこと」
「あなたが握るのは進化の共鳴器ですよ。それが無理を否定するなんてらしくないじゃないですか」
「そう、だな。俺の考えが甘かった。だが、合体なんて出来るのか?」
「ええ、ですが、一度行えば、私は戻っては来れません。なので、あなたのベルトの中に、私自身を刻み込みます。肉体は失いますが、あなた達とこれからも共に歩める、それが私が示せる唯一の手段です。トオル、いや、レイブン、次はあなたが示す番ですよ。私に見せてください、私が求める救いを受け取る覚悟を」
トオルは考えた。
今、自分が出来ることがないかを全力で頭を回し、思考するも倶利伽羅の黑鎧武装は完全に尽きており、成す術がなくなっていた。
「クソ! エイブラハムも、吟千代も、バサラも戦ってるってのに!」
壁を叩くもそのドンという音が虚しく響く。
そんな中、悔しそうにする彼にラビットが喋りかけた。
「日下部トオル、あなたはこれからアリスと歩んでくれますか?」
ラビットが唐突な質問にトオルは驚くもそれに対して即答した。
「当たり前だろ」
「そうですか、即答とは貴方らしい。ならば、私も示すべきですね、あなたの覚悟に応えるために」
ラビットは破壊されていたはずの四肢を無理矢理くっつけて、腕を作り上げるとトオルの目の前に握手を求めた。
「なんだよ、これ」
「私は倶利伽羅の黑鎧武装から生まれた機体。私を吸収すればもう一度、レイブンになれます」
ラビットの覚悟は決まっていた。
既に自分は必要なく、ここでトオルを戦場に向かわせなければ、状況を好転させる一手が打てないと予想しているが故に、その提案を自ら行った。
「いや、だよ、ラビット。さっき、いらないって言ったの気にしてるの? それなら、謝るからそんなこと言わないで」
それをアリスは止めようとした。
「アリス、あなたはもう十分苦しんだ。この世界でトオルに出会えたのは奇跡にも近い事。あなた達がこの世界で生きていくなら私は不要なのです」
「そんな訳ない、あなたは私の家族で、大切な友達なの! 早まらないで、お願い」
アリスは泣きじゃくりながらラビットに懇願する。少女にとってトオルとの10年間、そして、記憶をなくしての2年間、共に過ごしていたラビットと言う存在を失うことがかつてトオルを失った様な恐怖に駆られ、それが最善の手段であると知っていながらも自分のわがままで拒んだ。
「アリス、これ以外にあなたを救う手段がないのです。トオル、頼みます」
「断る」
「なっ!? それでは戦いになんていけないのですよ!?」
「戦えるさ、俺はレイブンだぞ。倶利伽羅なしでも戦える。必要なのは勇気だ」
トオルは既に自身が無力であることを知っており、それでいても自らの意志でその提案を拒んだ。彼にとってベルトが全てではなく、救いたいと思う意志こそがレイブンとして、自分を成り立たせていると理解していた。
アリスを救うには自分では足りない。
ラビットであることが必要。
予想外の馬鹿にラビットは機械ながら呆気に取られるも自身が彼らにとって大切な存在であると無理にでも分からせられた。
少しの間、沈黙が続くとラビットは自身の思考のための計算機を極限まで回転させた。そして、トオルが生身で戦場に向かおうとし、それをアリスが止める中、ラビットがもう一つの提案を出した。
「わかりました、なら、これでどうでしょうか。トオル、私を吸収するのではありません。合体しましょう」
「合体? そんなこと」
「あなたが握るのは進化の共鳴器ですよ。それが無理を否定するなんてらしくないじゃないですか」
「そう、だな。俺の考えが甘かった。だが、合体なんて出来るのか?」
「ええ、ですが、一度行えば、私は戻っては来れません。なので、あなたのベルトの中に、私自身を刻み込みます。肉体は失いますが、あなた達とこれからも共に歩める、それが私が示せる唯一の手段です。トオル、いや、レイブン、次はあなたが示す番ですよ。私に見せてください、私が求める救いを受け取る覚悟を」
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