【完結!】田舎暮らしの神殺し、二度目の神殺しに挑む〜余生は静かに暮らしたいのに弟子達がさせてくれない件〜

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第五章 人神異界最終決戦

十七話 人神異界最終決戦 其の拾漆

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「母様、久しいな。無理を言うが助けてくれねえか」

 ルーヴェン王国国王ローズ・ホーキンズが連絡したのは自身の母であるユリア・ホーキンズであった。他のエルフの森が神に襲われ、同胞が殺されたと言うことを聞き、様々な地域に住んでいたエルフ達が一ヶ所に集まり、誰に感知出来ぬように作り出した結界に囲まれたエルフのみが住まう場所。

 そこの5人の統治主の一人こそがユリア・ホーキンズであり、彼女はレンブラント・ホーキンズとの息子がローズ・ホーキンズである。

「無理を言ってる自覚があるなら先ずは諦めることね」

 ユリア・ホーキンズはその連絡を切ろうとするもローズが無理矢理繋げており、彼の魔術の腕が上がっていることを確認すると少しばかり話を聞くことを決めた。

「母様、この世界に七十二式連結決戦魔導砲ドミニオンバスタードを貸してくれ、いや、貸してください」

「無理に決まってるでしょう、ローズ。それはエルフの森が危機に瀕した時にのみ使うことを決めている決戦用古代魔術。あれを組むのに何人のエルフの生命を削って作り出せると思うの。人が死のうが、生きようが私たちは関係ない。最終的に、私達はこの一撃を持って神を沈めるだけなのだから」

 ユリアは連絡魔術を断ち切ろうとするも次の瞬間、ローズは頭を地面につけ、再び大きな声を上げる。

「世界の存亡がかかってる。俺たちは今、この世界を作った神と戦っているんだ。人が今、その責任を背負ってる。背負う必要もない責任を背負って誰よりも踠き、掴もうとしてる。あんたらはそれを見てるだけか? 仮に、その神を人だけで殺してみろ。あんたらのプライドはズタズタになるだろう? それなら手を貸してくれ、いや、貸さなければ自分達の力があったからこそと言う言葉も吐けずにエルフは滅ぼされるぞ」

 頼み込むのでは無く、まさかの煽り。
 エルフは自分達が優秀であると思い込んでおり、ローズのその言葉は彼ら彼女らのプライドを刺激する様に放った。エルフであればカッとなり、自分達の力を見せつけようとするもユリアはそれに対して、冷静であった。

 ローズの煽りも聞いておらず、彼女にとってそれは息子の戯言でしかなかった。何も言わずに切ろうとした時、ローズの背後には五大王国王達全員が地面に頭をつけており、スカンダがその場で口を開いた。

「ローズ殿の母上、自分はミレニアム王国国王スカンダ・アポカリプスと申します。我々は今、神と戦っており、我ら五大王国の精鋭達が魂を削りながら、それと戦っております。自分はそんな彼らに報いたい、報う手段をエルフの皆様ならお持ちであると考え、今、この場でお願い申し上げます」

「スカンダ、アグニの子か。王が自分の力で足掻こうともせず、他人に頼るために頭を下げる。なんともまぁ」

「あなたに頭を下げるのは簡単ですよ、ユリア殿。自分の頭を一つ下げることで友を救えるなら自分幾らでも頭を下げます。ここにいる全ての王が同じ考えであり、総意です。どうか、我々に力をお貸しください。お願いします!」

 スカンダは更に地面にめり込む様に頭を下げる。ユリアは五大王国全ての王が本当に自分の地位のためなどでは無く、その戦いで命を燃やす友のために自分に頭を下げていることを魔術を通じて、知ると彼女はため息をついた。

「五大王国の王よ、お前達の覚悟は見せてもらった。良いだろう、私の権限で古代魔術の使用を許可する。但し、無償などではない、この借りは一生続くと思え」

 ユリアはそう言うと指で空中に何かを書くと次の瞬間、ローズの目の前に一枚の紙が姿を現した。それには文字の羅列が刻まれており、ローズだけがそれを理解していた。

「母様、これまさか」

「魔術式が刻まれたそれを城壁に貼り付けろ。後は、なんと無く分かるはずだ」

「ありがとう、母様!」

 ローズが笑顔を見せるとユリアは無理矢理、連絡魔術を一方的に遮断した。その眩しい笑顔はかつて自身が愛した人の物にそっくりで、ユリアは嬉しそうにため息を吐く。

「子どもってのはいつになっても可愛いものね、レンブラント」
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