296 / 311
第五章 人神異界最終決戦
十七話 人神異界最終決戦 其の拾漆
しおりを挟む
***
「母様、久しいな。無理を言うが助けてくれねえか」
ルーヴェン王国国王ローズ・ホーキンズが連絡したのは自身の母であるユリア・ホーキンズであった。他のエルフの森が神に襲われ、同胞が殺されたと言うことを聞き、様々な地域に住んでいたエルフ達が一ヶ所に集まり、誰に感知出来ぬように作り出した結界に囲まれたエルフのみが住まう場所。
そこの5人の統治主の一人こそがユリア・ホーキンズであり、彼女はレンブラント・ホーキンズとの息子がローズ・ホーキンズである。
「無理を言ってる自覚があるなら先ずは諦めることね」
ユリア・ホーキンズはその連絡を切ろうとするもローズが無理矢理繋げており、彼の魔術の腕が上がっていることを確認すると少しばかり話を聞くことを決めた。
「母様、この世界に七十二式連結決戦魔導砲ドミニオンバスタードを貸してくれ、いや、貸してください」
「無理に決まってるでしょう、ローズ。それはエルフの森が危機に瀕した時にのみ使うことを決めている決戦用古代魔術。あれを組むのに何人のエルフの生命を削って作り出せると思うの。人が死のうが、生きようが私たちは関係ない。最終的に、私達はこの一撃を持って神を沈めるだけなのだから」
ユリアは連絡魔術を断ち切ろうとするも次の瞬間、ローズは頭を地面につけ、再び大きな声を上げる。
「世界の存亡がかかってる。俺たちは今、この世界を作った神と戦っているんだ。人が今、その責任を背負ってる。背負う必要もない責任を背負って誰よりも踠き、掴もうとしてる。あんたらはそれを見てるだけか? 仮に、その神を人だけで殺してみろ。あんたらのプライドはズタズタになるだろう? それなら手を貸してくれ、いや、貸さなければ自分達の力があったからこそと言う言葉も吐けずにエルフは滅ぼされるぞ」
頼み込むのでは無く、まさかの煽り。
エルフは自分達が優秀であると思い込んでおり、ローズのその言葉は彼ら彼女らのプライドを刺激する様に放った。エルフであればカッとなり、自分達の力を見せつけようとするもユリアはそれに対して、冷静であった。
ローズの煽りも聞いておらず、彼女にとってそれは息子の戯言でしかなかった。何も言わずに切ろうとした時、ローズの背後には五大王国王達全員が地面に頭をつけており、スカンダがその場で口を開いた。
「ローズ殿の母上、自分はミレニアム王国国王スカンダ・アポカリプスと申します。我々は今、神と戦っており、我ら五大王国の精鋭達が魂を削りながら、それと戦っております。自分はそんな彼らに報いたい、報う手段をエルフの皆様ならお持ちであると考え、今、この場でお願い申し上げます」
「スカンダ、アグニの子か。王が自分の力で足掻こうともせず、他人に頼るために頭を下げる。なんともまぁ」
「あなたに頭を下げるのは簡単ですよ、ユリア殿。自分の頭を一つ下げることで友を救えるなら自分幾らでも頭を下げます。ここにいる全ての王が同じ考えであり、総意です。どうか、我々に力をお貸しください。お願いします!」
スカンダは更に地面にめり込む様に頭を下げる。ユリアは五大王国全ての王が本当に自分の地位のためなどでは無く、その戦いで命を燃やす友のために自分に頭を下げていることを魔術を通じて、知ると彼女はため息をついた。
「五大王国の王よ、お前達の覚悟は見せてもらった。良いだろう、私の権限で古代魔術の使用を許可する。但し、無償などではない、この借りは一生続くと思え」
ユリアはそう言うと指で空中に何かを書くと次の瞬間、ローズの目の前に一枚の紙が姿を現した。それには文字の羅列が刻まれており、ローズだけがそれを理解していた。
「母様、これまさか」
「魔術式が刻まれた紙を城壁に貼り付けろ。後は、なんと無く分かるはずだ」
「ありがとう、母様!」
ローズが笑顔を見せるとユリアは無理矢理、連絡魔術を一方的に遮断した。その眩しい笑顔はかつて自身が愛した人の物にそっくりで、ユリアは嬉しそうにため息を吐く。
「子どもってのはいつになっても可愛いものね、レンブラント」
「母様、久しいな。無理を言うが助けてくれねえか」
ルーヴェン王国国王ローズ・ホーキンズが連絡したのは自身の母であるユリア・ホーキンズであった。他のエルフの森が神に襲われ、同胞が殺されたと言うことを聞き、様々な地域に住んでいたエルフ達が一ヶ所に集まり、誰に感知出来ぬように作り出した結界に囲まれたエルフのみが住まう場所。
そこの5人の統治主の一人こそがユリア・ホーキンズであり、彼女はレンブラント・ホーキンズとの息子がローズ・ホーキンズである。
「無理を言ってる自覚があるなら先ずは諦めることね」
ユリア・ホーキンズはその連絡を切ろうとするもローズが無理矢理繋げており、彼の魔術の腕が上がっていることを確認すると少しばかり話を聞くことを決めた。
「母様、この世界に七十二式連結決戦魔導砲ドミニオンバスタードを貸してくれ、いや、貸してください」
「無理に決まってるでしょう、ローズ。それはエルフの森が危機に瀕した時にのみ使うことを決めている決戦用古代魔術。あれを組むのに何人のエルフの生命を削って作り出せると思うの。人が死のうが、生きようが私たちは関係ない。最終的に、私達はこの一撃を持って神を沈めるだけなのだから」
ユリアは連絡魔術を断ち切ろうとするも次の瞬間、ローズは頭を地面につけ、再び大きな声を上げる。
「世界の存亡がかかってる。俺たちは今、この世界を作った神と戦っているんだ。人が今、その責任を背負ってる。背負う必要もない責任を背負って誰よりも踠き、掴もうとしてる。あんたらはそれを見てるだけか? 仮に、その神を人だけで殺してみろ。あんたらのプライドはズタズタになるだろう? それなら手を貸してくれ、いや、貸さなければ自分達の力があったからこそと言う言葉も吐けずにエルフは滅ぼされるぞ」
頼み込むのでは無く、まさかの煽り。
エルフは自分達が優秀であると思い込んでおり、ローズのその言葉は彼ら彼女らのプライドを刺激する様に放った。エルフであればカッとなり、自分達の力を見せつけようとするもユリアはそれに対して、冷静であった。
ローズの煽りも聞いておらず、彼女にとってそれは息子の戯言でしかなかった。何も言わずに切ろうとした時、ローズの背後には五大王国王達全員が地面に頭をつけており、スカンダがその場で口を開いた。
「ローズ殿の母上、自分はミレニアム王国国王スカンダ・アポカリプスと申します。我々は今、神と戦っており、我ら五大王国の精鋭達が魂を削りながら、それと戦っております。自分はそんな彼らに報いたい、報う手段をエルフの皆様ならお持ちであると考え、今、この場でお願い申し上げます」
「スカンダ、アグニの子か。王が自分の力で足掻こうともせず、他人に頼るために頭を下げる。なんともまぁ」
「あなたに頭を下げるのは簡単ですよ、ユリア殿。自分の頭を一つ下げることで友を救えるなら自分幾らでも頭を下げます。ここにいる全ての王が同じ考えであり、総意です。どうか、我々に力をお貸しください。お願いします!」
スカンダは更に地面にめり込む様に頭を下げる。ユリアは五大王国全ての王が本当に自分の地位のためなどでは無く、その戦いで命を燃やす友のために自分に頭を下げていることを魔術を通じて、知ると彼女はため息をついた。
「五大王国の王よ、お前達の覚悟は見せてもらった。良いだろう、私の権限で古代魔術の使用を許可する。但し、無償などではない、この借りは一生続くと思え」
ユリアはそう言うと指で空中に何かを書くと次の瞬間、ローズの目の前に一枚の紙が姿を現した。それには文字の羅列が刻まれており、ローズだけがそれを理解していた。
「母様、これまさか」
「魔術式が刻まれた紙を城壁に貼り付けろ。後は、なんと無く分かるはずだ」
「ありがとう、母様!」
ローズが笑顔を見せるとユリアは無理矢理、連絡魔術を一方的に遮断した。その眩しい笑顔はかつて自身が愛した人の物にそっくりで、ユリアは嬉しそうにため息を吐く。
「子どもってのはいつになっても可愛いものね、レンブラント」
0
あなたにおすすめの小説
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる