強くなるには殺すしかなかった…

まさやん

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過去を捨てて

声がする

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「ほら入れっ!」


体を投げられる。投げられた場所はどこかの地下の牢獄。俺以外にもたくさんの人がいた。だが俺は誰もいない牢屋にぶち込まれた。それに投げられた場所が石でできておりかなり痛い。


「やーミツキ君、君が手に入って僕は嬉しいよ。さてさっさと『魔眼』を覚醒してくれ」


「・・・」


「無視かい?まぁ流石に覚醒してください、はい分かりましたとは行かないだろうね。それに現状自分のことは全く分からないだろうし」


確かに魔眼を目当てに俺を買ったのはわかるがなぜそこまでしてその魔眼が欲しいのかがわからない。


「一から説明してあげよう。まず『魔眼』のことから。この世界にはたくさんの魔眼が存在する。まぁ大半の人間は魔眼なんて持っていないけどね。だが普通の人間が魔眼を持つことで英雄になったと伝説があるほどだ」


「僕は君に宿る魔眼が欲しい。僕が探す魔眼はねかなり高位のものなんだ。魔眼によってレベルが違う。それで僕が今回探している魔眼、それは『大罪の魔眼』と言われている」


「大罪の・・・魔眼・・・」


「『大罪の魔眼』は言わば種類名だね。この魔眼は伝説の魔眼ともされているものなんだよ。由来はね、人間には七つの罪があるとされている。憤怒、強欲、怠惰、傲慢、嫉妬、暴食、色欲と、存在している。『大罪の魔眼』とはそれぞれの『力』を有している魔眼だよ」


「そして君に宿っているとされる魔眼、それが僕の探す『強欲の魔眼』だ!」


「強欲の魔眼・・・でも俺はそんなの・・・」


「君のステータスには未だに表示されないものがあるんじゃないか?」


「っ!?」


「もちろん知っているよ、魔眼を探す時色々占ってもらったからね。だけどその時の魔女の顔はかなり曇っていたが・・・君にはまだ謎がありそうだね?とりあえず今日はここまでだ、また来るね」


そういいジークは連れとともに上へ上がってしまった。どうやらここは奴隷の保管庫ってところだ。


「俺の・・・魔眼・・・」


「『ステータス』」


________

ミツキ    Lv 7

HP 100    MP 200

称号 

職業 

魔法

スキル
  剣技 Lv5
  釣り Lv5

固有スキル
  ???
  ???

________


確かに俺には昔からなんのスキルか分からない表示がされていた。これは珍しい事ではなく、何らかの事で目覚めるらしい。それ以外は鍛えているつもりだが子供のためあまり強い相手とは戦わせてもらえずレベルが低い。体力や魔力だって平均程度。固有スキルの方は成長すれば目覚めることもあるらしいが。


「そう言えばこれが分かった時、あいつらの顔・・・あの時からもう・・・」


もはやあいつらの顔でさせ思い出したくないし、名前も言いたくない。そしてステータスに関して問題がある、一つはその強欲の魔眼となるのは分かる、ならもう一つは?


「寝るか・・・」


________


「ほら起きろ!」


またもや蹴りの衝撃で起きる。


「さて今日は少し内容を変えようね?」


そこからはよく覚えていない、いや思い出したくない・・・

何時間にも及ぶ拷問、死にかけた瞬間に魔法による回復、そして拷問。時間が経つにつれてその内容はより酷に・・・


「ほらっ!」


「ぐっ!」


拷問が終わり回復も済んだあとは元の場所に投げられる。ここに連れてこられてからの日常だ。もうここに連れてこられて何日経ったかなんて分からない。


「また目覚めないか・・・仕方ない、今日は少しお勉強をしよう。その『強欲の魔眼』についてだ。どんなものか想像できれば目覚めるかもしれないしね」


「・・・」


「そう睨むなよ、子供の目付きじゃないよ。まあいい、『強欲の魔眼』ってのは簡単に言えば『奪う』という行為の頂点だ」


「『強欲の魔眼』には奪えないものは無い、相手のスキル、体力、魔力、そして寿命!これを聞いただけで分かるだろ!?正に最強の魔眼だ!どうだワクワクするだろ!?その魔眼さえあれば不老不死にだってなれるんだぜ!?」


「違う・・・」


「ん?どうかしたかい?」


「違う・・・お前が欲しいのはそんなもんじゃない・・・」


「・・・」


「お前が欲しいのは・・・全ての『魔眼』、だろ!?」


「・・・ふふ・・・君もやはり狂い始めたね・・・僕と同じ思考に落ちた時点で君はもう市民とは程遠い、『狂人』だよ!ハハハァッハッ」


そういいジークはその場所を去る。少し離れた場所でほかの奴隷の叫び声が聞こえた。ジークが喜びのあまりにほかの奴隷で『遊び』始めたらしい。


「強欲の魔眼・・・」


その力が目覚めれば・・・何が足りない・・・それを目覚めさせる何かが足りない・・・今の俺では駄目なのか?



《覚悟さ・・・》


「っ!?どこだ!?どこにいる!?」


・・・


「気の所為・・・でも今・・・」


「・・・疲れてるんだな・・・寝るか・・・」


________

それからの毎日の拷問、時には足や腕を切り落とされた時もあった。歯も全てを抜かれ、切り落とした腕の傷口に熱湯などとかなりのトラウマを脳裏に刻まれた。そして終わりにはいつもの回復、かなりの腕の魔術師がいるらしく元通りに治される。


「やっぱり拷問じゃダメなのかな?少し考えないと」


そして俺は牢屋で一人横たわる。傷が治されても体の疲れは消えない、痛みの記憶だって消えない。こんな所にいるぐらいなら死にたいと願ってしまう。


「俺・・・弱いな・・・」


あいつらは絶対に許さない・・・絶対に殺す、そう誓った・・・なのに俺はまだ誰も殺せていない・・・魔眼だって目覚めない・・・何が駄目なんだ・・・


《汝は捨てられていない・・・人であることを》


「!?」


まただ、どこからかする声。頭に直接流し込んでいるような感じ、そして感じる。声だけなのにその者から伝わる『恐怖』。それが伝わってくる。


《捨てろ、全てを捨てねば道は開かん》





《覚悟を決めろ》



その言葉は何故かすんなり頭に入ってきた。


《憎いだろ?殺したいだろ?復讐したいだろ?お前にそれを行う覚悟はあるのか?》


「覚悟・・・」


《全てを捨ててまで己が野望を貫く覚悟はあるか?》


「俺の野望・・・」


『さすが俺の息子だ!』


『今日はミツキの大好物を作りましょうね』


『この街の人間は私が必ず幸せにします!』


『お前には負けないぜミツキ!』


『ずっとみんなで一緒だよ!』










『ころしてやる・・・全員・・・この手で!』



「殺す・・・全てを捨ててでも・・・人じゃなくなろうと!!」



《それでいい、楽しみにしよう。あのものも馬鹿なことをした。魔眼我が力を貴様程度に測れると思い上がったのが運の尽きだ》


「『魔眼』は・・・お前の力・・・お前は誰だ・・・どこから話しかけている」


《我か?汝がそれを知るのはまだ早い・・・集めろ、全ての罪を・・・さすれば道は開かん》


それを言いきったあとにはもう声はしなかった。
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