積雪のKiss

幸人-Yukihito

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最終章 積雪のKiss

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 名波幸人と城倉利充の死闘から数日後の2025年12月22日午前10時。幸人は懸命な処置のおかげで何とか一命を取り留め、わずか数日で歩けるくらいにまで回復していた。少し巻いている包帯は目立ってしまうが…そんな幸人を呼び出す人物がいた。
「ご無沙汰してます…総監」
 警視総監の大原から急な呼び出し。幸人は警察を捨てているはずだが、何故今更総監から呼び出しが入ったのだろうか?
「今回の事件は…警察やマスメディアをも欺いた大規模な事件だったが、よく、君は解決してくれた…」
「ええ…ですが、私は一人の男の命を奪いました。それも、表では刑事課長の男を」
「わかっている…だが、君は被害者遺族含め多くの人の無念を晴らしたんだ。奪われた命は返ってこないとしても、君は正義を貫いた。だから、是非君には警察官であり続けてほしい…」
 総監から直々の復職依頼。正直呼び出された理由は懲戒免職や永久追放など非常に重い処罰を覚悟していた。
「桐野君が殺し屋と判明してから刑事課長の座は空席だった。君には是非、刑事課長を任せたい!」
「私にですか?」
「遠藤君や山波君も君を強く推薦してる。私も、君なら警察官の未来を担う存在だと信じてる」
「私は警察を捨てています。今更どの面下げて、戻ればいいんでしょうか?」
「確かに君は警察を捨てた。けど何度も言うが、私を含め皆が君のことを誰よりも信用してる。警察官の鏡なんだ。君がこれからも警察官として、冴木凛七さんを幸せにすることが君の義務じゃないのか?」
「…」
 確かに今回の事件に至るまで警察官として誇りを持って身を粉にして働いてきた。そして何人もの命を救ってきた。改めて考えると、やはり幸人はまた警察官として胸を張っていきたいと心に思っていた。
「皆が君を待ってるんだ。この通りだ!」
 何と総監が幸人に向けて土下座をする!この行為には思わず
「何してるんですか総監!?顔を上げてください!」
「君が戻ってきてくれるなら、土下座でも何でもする!」
 ここまでされてしまったら答えはNOと言えない。
「わかりました。けど総監の期待に応えられるかは…」
「別に期待になん応えなくていいんだ。期待なんて誰かが決めただけの言葉でしかない。君が自分らしく生きることが、それこそが、皆の期待なんじゃないのか?私も君のような警察官は見たことはない。幸人君…これからも頼むよ」
「?(名前で…呼んだ)勿論ですよ」
 総監からこんなにも期待された上に名前で呼んでもらった幸人は二つ返事でYESと答えた。年の瀬だが、今この瞬間名波幸人は華理州警察署の刑事課長での就任が決定し、久しぶりに持つ警察手帳が新鮮に感じる。
 そしてルンルンする心を隠しながら自分のデスクに向かい、ドアを開けた瞬間…
 パーン!
「ん!?」
 突然鳴るクラッカー。
「おかえりなさいませー!名波さーん!」
「み…みんな?」
「おかえりなさい…幸さーん!」
 孝之介がまるで飛び乗るようなハグ!
「おっとっと…!孝之介君…!ちょっと苦しいって!ふぅ…でもただいま。俺はここにいるよ、君たちさえ良ければ」
「皆さん、指折り数えて待ってたんっすよ!」
「名波さんが戻ってくるって信じてました」
「本当ですよ。名波さんいなくて、本当寂しかったんですから…」
「みんな…ありがとう!」
 部下の多くは花束を持って幸人を出迎えた。中には手作りのお菓子を持って迎えた女性警官もおり、幸人は孝之介をはじめ多くの人から愛されているのだった。暖かい言葉を受け続け幸人は思わず涙が溢れる。
「あれ~幸さんが泣いてる?」
「あっ本当だ!名波さん泣くの初めて見た!」
「ちょっと!恥ずかしいだろ…ハハハハ!」
 職場内に溢れる笑顔。この瞬間はまさに幸人たちが血を流して戦い抜いて報われた結果だ。犠牲こそ出てしまったが、それでも今こうして名波幸人は偉大なる伝説を残した。
「緊急です。華理州駅周辺で車上荒らし事件発生!ただちに現場への急行願います!」
「早速事件かぁ?復帰して最初の仕事か」
「いえ、刑事課長として、最初のお仕事ですよ!僕たちも行きます!」
「頼んまっすよ幸さん!俺はちょっと行かなきゃいけないとこあるっす」
「そうだ?今日退院だよな?」
 退院?一体誰の退院なのだろうか?孝之介にとって必ず会わなければいけない人のようだ。
 幸人はスーツをガッチリ着こなし、そして警察手帳と手錠を持って警察署を出る。名波幸人はこの先、警察官として誇り高く生きていくことになる。そして、これからも多くの人を守り続けるのだ。

 数分後、孝之介はある人物が入院している病院へ訪れていた。そう。あの退院する人に会うためだ。その人とは
「退院おめでとう絵美里ちゃん」
「あっ山波さん。ありがとうございます」
 それは城倉に2年も監禁されていた少女、14歳の持田絵美里だ。栄養失調と脱水症状で危険な状態だったが、数日の入院で回復し、言葉もまともに話せるようになった。お腹にあった妊娠線もほぼ消えており、これで水着も恥ずかしがらずに着れると喜んでいた。だが子供を生まされた痛みによるトラウマはまだ消えておらず、しばらくは精神的なケアも必要になるだろう。
「山波さん!娘を助けてくれて…本当にありがとうございます!」
「僕から…何てお礼を言ったらいいか…」
 絵美里の両親は半ば娘の生存を諦めかけていたが、希望の光を灯してくれた孝之介には感謝してもしきれず、ひたすら頭を下げ続ける。
「いえいえ、警察官として当然のことをしただけですよ。それに、私も多くの人に助けられたからこそ娘さんを助けられました。私もまだ半端なガキです」
「いえ、山波さんは私のヒーローですよ。私を命の危機から救ってくれたんですから」
「フフ…そっか。絵美里ちゃん、お大事にね。それと、これからいっぱい楽しんで頑張ってね!」
 しっかりと挨拶を終えて孝之介が絵美里のもとを後にしようとした去り際
「山波さん!また会えますか?」
 その問いかけに対して孝之介は後ろ向きにサムズアップ。絵美里は地獄の2年間から遂に解放され、その2年分学校の勉強は遅れてしまったが、入学するはずだった中学校に途中で入る形で入学できた。遅れてしまった勉強の範囲は両親の提案で家庭教師を入れることになった。そして絵美里の将来の夢は、孝之介と同じ警察官になること。後日届いたメッセージを見て孝之介は
「絵美里ちゃんならきっとなれるよ!」
 と返信した。孝之介は絵美里が警察官になる日を楽しみに待つのだった。

「いらっしゃいませ!こちらのお席どうぞ!」
「いらっしゃいませ!ノアの方舟へようこそ!」
 一方凛七はというと、爆発して一部破壊されてしまったノアの方舟は美山組の援助によって店を立て直していた。店長の火狩は殺害されてしまったが、凛七が何と新店長として店を切り盛りすることになり、キャスト7人という小規模な店舗だが繁盛している。そんなとき
「いらっしゃいま…せ!お母さんはこちらの席へどうぞ!」
 店に訪れたのは名波千絵。それも女性一人でだ。
「お疲れ様です。傷はどうですか?」
「左脚と肋が痛いわね…凛七も傷癒えた?」
「私は大丈夫です。幸人から、元気もらっちゃいました。何飲まれますか?」
「山崎12年、それキープでお願い」
「かしこまりました!」
 凛七は幸人との出会いと戦いを経てすっかり明るい性格となり、さらに昔とは考えられないほど礼儀正しくなった。口調も非常に柔らかくなったのには理由があった。
 それは幸人を刺したことを一切咎めないが約束しなければならないことがある。この先絶対人を傷つけてはならない。そして、これからは誰かを思いやって生きること。だが、どうしても怖くなったときは遠慮なく相談することを約束した。
「ではこちら山崎12年、お名前は何て書きましょう?」
「幸人と千絵で」
 これでオーダーの山崎12年はキープボトルとなった。
「何割で?」
「久しぶりにロックで」
 ロックなら氷を溶かしながら飲むのが楽しい。
「凛七は何飲む?」
「私は、いつもので」
「了解」
「ドリンク入りました」
「ありがとうございます!」
 20歳の誕生日まであと2日。まだ凛七が飲むドリンクはコーラとジンジャーエールを混ぜたドリンクだ。そして千絵がロックグラスを凛七の前に向ける。
「あっ…乾杯」
「乾杯」
 チン!
 ゴクッ
「ふぅ~…やっぱロックはキツイね。でも美味しい」
「よかったです!」
 山崎12年のアルコール度数は43%とウイスキーの中では高め。ゆっくりとドリンクを味わいながら凛七にあることを聞いてみた。
「そういえば、凛七は夢とかないの?」
「私は…メイクアップアーティストになりたいと思ってて、来年入学できるように受験する予定です」
「メイクアップアーティスト?女の子らしくていいじゃん。私も応援してるよ」
 一体何故メイクアップアーティストになろうと思ったのだろうか?それは以前幸人にメイクをしてもらった(第5章にて)ことがあり、メイクする姿に憧れて自分もなりたいと思ったのだ。実際母は幸人にメイクを教えたことがあり、これまで何人かの女性をメイクしたこともある。
「ありがとうございます。幸人のためにも私、頑張ります!」
「頑張れ!さあっ…今日は飲むわぁ!」
「はい!では乾杯!」
 かなり年齢差はあるが、まるでこの光景は女子会のように見える。綺麗な形で和解ができたということだ。でもこれは幸人のおかげかもしれない。幸人が愛や思いやりなどを間接的に教え、そして彼に影響されて誰もが優しい心を持つ。
「本当、あいつにありがとうだよ」
「そうですね。幸人、ありがとう…」
 こうしてまた2人に笑顔が溢れるのだった。

 翌日の23日。警察組織の数名が葬儀場に集まっていた。その中には幸人と孝之介、遠藤もいる。今日は20年以上火葬されず冷凍保存され続けた城倉麻美の葬儀だ。死の瞬間は勿論辛かっただろうが、やはり亡くなった方はきちんと弔うべきだ。城倉利充の遺体はrevadoによって回収されたが、麻美はただ城倉の元妻であったのみで一般人。遺族は一切いない状況だが、大勢の警察官に見送られる葬儀が行われようとしていた。
「城倉にも愛する人がいたんだな…」
「俺も驚いたっす。20年以上も冷凍保存して、代わりになる子供を女の子たちに生ませた奴の罪は重いっすけど、少しは可哀想に思います」
「俺たちは、愛情の意味を履き違えてはいけない…愛はときに憎悪を生み出すこともある。その正しさを人に教えることが、俺たちの役目でもあるよな?」
「幸さんの言うことなら間違いないっすね!俺は幸さんについていきます!」
 数分後火葬は無事終了。無縁仏に収めることで話はまとまり、その後葬儀を終えた幸人はとある人物の墓へ花を持って訪れた。
 市川みゆき 2001-2025
 24歳の若すぎる死だったが、彼女も警察官として奮闘してきた。彼女の死は非常に悔やまれるほどに将来有望で、ずっと幸人の背中を追いかけてきたのだ。
「市川さん…君は本当に素晴らしい人だったよ。安らかに眠ってくれ…君の分以上に、頑張るから」
 みゆきは幸人と出会えたことに悔いはないだろう。きっと天国で幸人を応援してくれている。そして、幸人が凛七と幸せを育んでいく未来を、暖かく見守っている。

 23日の同刻。凛七は明日のバースデー、クリスマスイヴデートに向けて着ていく服を選んでいた。
「どれにしよっかな?これもいいかな?こっちも…」
 明日12月24日には華理州記念文化公園にて大規模なイルミネーションがライトアップされ、毎年多くの人がイベントに訪れる。だが天気予報だと明日は大雪警報が出ており、東京では早い時期での記録的な大雪になるかもしれないため、場合によってはイベントが中止になるかもしれない…綺麗なイルミネーションの前で幸人のプレゼントキッスが欲しい…明日の楽しみと大雪の不安、考えるだけで今日は寝れる気がしない。何故なら幸人からイルミネーションの前で「最高のプレゼントをする」と言われたからだ。約束の時間は正午の12時、まだ約束の時間までが長く感じる。早く会いたい…本当なら電話したいが「出れない時間が多いかもしれない」と言われているため、迷惑だと思った凛七は我慢して敢えて幸人のアカウントは見ない…
 数時間経ってメールが送られてきた。内容は?
「明日12時に迎えに行くね!」
 きたきた!
「遅れたら承知しないぞ!」
 凛七は時間にルーズな人は好きじゃない。勿論明日は特別な日だからこそ遅刻は厳禁。幸人からの返信には
「守れない約束はしない。絶対遅刻しないよ!」
 幸人は守れない約束は絶対にしなかった。私も寝坊して用意に遅れないように今日は寝なきゃ!でもやっぱり楽しみで楽しみで寝付けない…羊が一匹…羊が…二匹…

 そして迎えた12月24日。幸人と凛七は12時からランチをして映画を観賞した後、ショッピングをしていたらあっという間に時間が過ぎ、夜は夜景が綺麗なレストランでディナーだ。
「乾杯…」
「乾杯」
 チン…
 20歳の誕生日を迎えた凛七は初めてお酒を飲む。飲むお酒は生ビールだ。
 ゴク…
「どうだ…?」
「美味しい…」
 生ビールは凛七の好きな味のようだ。今日を迎えるまでノンアルコールのビールは1回だけ飲んだことあるが、生ビールはそれ以上に美味しい。メニューはシュラスコの食べ放題で美味しいお肉と美味しいお酒を楽しんでお腹がいっぱいになり、レストランを出て華理州記念文化公園に着く頃には21時になっていた。東京は早い時期の記録的な大雪で雪が積もり、天気予報の通り凛七の不安は的中していた…だが
 キラーン!
 イベントは中止になっていなかった!華理州記念文化公園では巨大な雪だるまやイルミネーションがライトアップし、美しい光景に多くの人の歓声が溢れてくる。
「わー…綺麗だね!」
「だな!でも君の方が綺麗だよ!」
「もぉ~そんなこと言っても何も出ないからねぇ?」
「ハハハ!」
「行こっ!」
 今日はクリスマスイヴで街は大歓声。年に一度しかない街のクリスマスイベントに幸人と凛七の心も楽しさでいっぱいだ。そして今日が記念日。幸人と凛七が結ばれる日。雪が降り積もる中凛七は足を止め
「私、ノアの方舟で働きながら専門学校に通おうと思ってるの。メイクアップアーティストになりたくて」
「良い夢じゃないか!勿論応援するよ。それに俺たちはもう、結ばれ…てるよな?」
「もう結ばれてるよ」
「よかったら一緒に暮らさないか?学費も俺が援助するからさ」
「一緒に暮らしたいけどそれはダメ!私、自分の力で夢を叶えたいの!それに私もう店長よ?心配ご無用だから、傍で私を支えてくれるだけで幸せなの」
「そっか…やっぱり、俺を愛してくれるんだな?」
「当たり前じゃん!愛してるわ、幸人!」
 すると弱かった雪が少しだけ強く降ってきた。辺りは積雪。2人は抱き締め合うと
「誕生日おめでとう。それと、メリークリスマスイヴ」
「ありがとう。私、本当に幸せ!」
「ハハっ…これからも俺は君を幸せにするよ」
「ねぇ…誕生日プレゼント、頂戴!」
「その前に、一つ俺からプレゼントがあるよ。ちょっと目を閉じて」
 言われるがままに目を閉じる凛七。まさか幸人がふいにキスでもするのかと思ったが、何故か左手を掴む。
「目開けてみて」
「えっ?これって!?」
 何と左手の薬指にはダイヤモンドがついた婚約指輪!幸人はこの日のために婚約指輪をオーダーしており、刻印は凛七の場合「Rinna ♡ Yukihito」。幸人は「Yukihito ♡ Rinna」。つまり
「凛七の良いタイミングで俺たち、結婚しないか?」
 その言葉に思わず凛七は嬉しさで涙が出る。
「当たり…前じゃない…私と幸人は、結ばれる運命でしょ?こちらこそお願いします…」
「俺は、息子の代わりにはなれないけど、君のことを愛してもいいかな?勿論幸せにすると約束するよ」
「今日がもう幸せよ!」
 深まった愛からさらに愛を深め合った2人はより強く抱き締める。こうして幸人と凛七の婚約が結ばれ、1年以内には籍を入れる予定のようだ。今幸人が放った「息子の代わりにはなれない」とは、凛七は奏人のことを愛していたが、幸人はあくまで父親。奏人の血が流れていても、幸人は奏人ではない。幸人という一人の男として愛してほしいという意味だ。そんなとき
「今日は雪が積もってるね…綺麗…」
 積雪がライトアップされたイルミネーションの光に反射して今日はより綺麗だ。
「凛七、雪が積もれば積雪だけど、俺たちのキス…積雪のキスってネーミングどうかな?」
「積雪のキス?」
 まるでJ-POPのタイトルみたいなネーミングだ。積雪のキス、いやKissか。
「愛してるよ…凛七」
「フフッ…愛してる」
 2人はようやく熱いキスを交わした。名波幸人、44歳と冴木凛七、20歳。親子の世代を乗り越えた永遠の愛が結ばれ、そして特別な積雪のKiss。この愛の絆を絶てる者は存在しない。2人の愛はダイヤモンドよりも硬く、綺麗に輝いているのだから…

 終
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