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エピローグ
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それからほどなくして――
記録的な豪雨が街を襲った。
まるで数十年分を一気に先取りして開放するかのような雨量が、三日三晩かけて降り続けた。
その雨が上がった後、街の至るところが冠水していたが、空には清々しいほど満天の星が輝いていた。
数日経ってようやく水が引き、被害の全容が明らかになりつつある中、川に浮かぶひとつの遺体が発見された。
「この嵐で流されたんやろかねぇ。気の毒に」
「どこのどなたか知らんけど、海まで流されんで見つかったんがせめてもの救いや。なんまんだぶ」
見守る人々がざわつく中、駆けつけた救急隊員はその遺体を引き揚げてぎょっとした。
体の至るところに何か――そう、ちょうど傘くらいの太さの棒状のものが突き刺されたような傷跡が無数にあり、その大半が貫通していたのだ。
◇
同じ頃――
浄玻璃鏡でその様子を見た閻魔大王は、現世から戻ってきた男に向かって呆れたように吐き捨てた。
「おまえは転生してもなんも変わらんなあ。あやしげなまじないで人を騙そうとした挙げ句、またしても盗みを働きよって」
「そらあ閻魔はんが人生ハードモードにしすぎるからちゃいまんの。それなりに頑張った方やと思いまへんか」
「うるさい。おまえを傘で刺し殺して川へほりこんだやつらもじきにここへ来るよって。地獄へ行って、そいつらと永遠に傘で突き合っておれ。あとな、おまえの発明した『携帯型屋根』じゃったか。あれな、人間界の上空での衝突事故や落下による人身事故が多発して、今もう干されとるようやで。傘が復権しておる。これ、赤鬼、青鬼、さっさとこいつを地獄へ連れて行け」
「そんなあ」
抵抗むなしく、男は青鬼の持つ刺股で尻を突かれながらポピュラーでスタンダードな地獄へ落とされた。
完
記録的な豪雨が街を襲った。
まるで数十年分を一気に先取りして開放するかのような雨量が、三日三晩かけて降り続けた。
その雨が上がった後、街の至るところが冠水していたが、空には清々しいほど満天の星が輝いていた。
数日経ってようやく水が引き、被害の全容が明らかになりつつある中、川に浮かぶひとつの遺体が発見された。
「この嵐で流されたんやろかねぇ。気の毒に」
「どこのどなたか知らんけど、海まで流されんで見つかったんがせめてもの救いや。なんまんだぶ」
見守る人々がざわつく中、駆けつけた救急隊員はその遺体を引き揚げてぎょっとした。
体の至るところに何か――そう、ちょうど傘くらいの太さの棒状のものが突き刺されたような傷跡が無数にあり、その大半が貫通していたのだ。
◇
同じ頃――
浄玻璃鏡でその様子を見た閻魔大王は、現世から戻ってきた男に向かって呆れたように吐き捨てた。
「おまえは転生してもなんも変わらんなあ。あやしげなまじないで人を騙そうとした挙げ句、またしても盗みを働きよって」
「そらあ閻魔はんが人生ハードモードにしすぎるからちゃいまんの。それなりに頑張った方やと思いまへんか」
「うるさい。おまえを傘で刺し殺して川へほりこんだやつらもじきにここへ来るよって。地獄へ行って、そいつらと永遠に傘で突き合っておれ。あとな、おまえの発明した『携帯型屋根』じゃったか。あれな、人間界の上空での衝突事故や落下による人身事故が多発して、今もう干されとるようやで。傘が復権しておる。これ、赤鬼、青鬼、さっさとこいつを地獄へ連れて行け」
「そんなあ」
抵抗むなしく、男は青鬼の持つ刺股で尻を突かれながらポピュラーでスタンダードな地獄へ落とされた。
完
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