最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル

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第52話

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「あのマルスさん、宝石を首飾りにしたり、なんかいい感じに加工して欲しいんですけど、依頼出来ます?」
「もちろんです。ユーマさんの依頼なら無料で受けさせていただきます」
「いや、それはちょっと。逆に無料で作るのもどうかなと思うので」
「そうですか。ではユーマさんの依頼は出来るだけ優先しますね」
「それは、ありがとうございます?」

 ということで、オークションに出すことが無かった、カットされた宝石を全て渡す。

「もう全く俺は分からないんで、全部任せます。任せられても困るかもしれませんけど、多分プレゼントとかで渡すことがあるのかな?」
「分かりました。お任せください」

 ということでマルスさんに宝石を預けて店を出る。

「マルスのことは気になっていたが、無事に解決してよかった。そして、ユーマ、相談なんだが、少しカジノの方に「モニカさん」ひっ、すまない。駄目だよな」

 名前を呼ぶだけで謝られてしまった。

「いえ、良いですよ。少しの時間なら付き合います。ただ、常識の範囲内で遊んでください。今回はそれも確認します」
「そうか! ありがとう!」

 ということでモニカさんと一緒にまたカジノに入る。


「ユーマ勝ったぞ!」
「そうですね」

 少しと言ったがモニカさんはまだまだカジノで遊びたりないようだ。

「じゃあ俺はもう行きますけど、12時には来てくださいね? フカさんの家族に挨拶するんですから」
「分かった。ユーマありがとう」

 ということでカジノでモニカさんとは別れた。

「ちょうど西の街だし、ガイルにでも会うか」

 工房の場所は知っているので、そのまま向かう。

「ガイルいる?」
「うぉっ、びっくりした」
「びっくりしました」

 ガイルとメイちゃんの2人が工房の中にいるのに、扉が開くはずないと思うよな。

「ごめん、ちょっと時間あったから来てみた。俺の短剣って出来てる?」
「あぁ、出来てるよ。それにここはユーマの物と言っても過言ではないからな。いつでも来てくれ」
「あ、ユーマさん、使わせていただいてありがとうございます! 本当に助かってます!」

 どうやら生産職はいろんな物を使う必要があり、インベントリがパンパンになるらしい。

「私はピピがいるからまだインベントリに余裕はありますけど、それでも結構ギリギリです」
「俺はもういつもパンパンだな。余計なものはすぐ売るようにしてる」

 俺は魔獣たちのインベントリが今は3つもあるから余裕は結構あるけど、普通の人たちはインベントリがいっぱいになるから売りに行ったりすることもあるんだろうな。

「これだ。まぁまだまだだろうが、一旦今の俺の最大だな」

名前:牛鷲の短剣
効果:攻撃力+28、筋力+3、敏捷+2、器用+1
説明
製作者ガイル:大鷲、水牛のボス素材から作られた短剣。筋力値と敏捷値、器用値を上昇。

「ありがとう。これでも助かるよ。はいこれあげる」

 インベントリの中からモンスターのドロップアイテムである、ウッドウォーカーの枝、アイアンスパーダーの糸、ブラウンピューマの牙・皮、ヒューズボアの牙、レッドスライムゼリー、レッドスライムの核、ブラウンサーペントの牙・鱗、ブラウンサーペント亜種の牙・鱗、アサシン狐の尻尾。
 そしていろんな場所で拾ったり掘ったもの、月火草、上薬草、水晶、翡翠、綺麗な丸石、銀のインゴット、銅のインゴット、原石、燎火の草、バーンド草、残光玉石、月火鉱石。
 この全てをこの場に出した。

「あ、原石は何が出るかわからないから結構面白いよ。職人ギルドで宝石にしてもらってみて。俺は有名どころの宝石が結構出たかな。インゴットになってるやつも職人ギルドでお願いしたやつ、って言ってもガイルがそもそも鍛冶師か」
「おいユーマ、なんか多くねぇか? また知らないもんが混ざってるしよ」
「私も知らないものがあります」
「まあ仲良く分けてよ。じゃあありがと、またね」
「お、おい」

 またこれでインベントリがスッキリした。肉と骨粉はもちろん残している。

「あ、そうだ」
「うぉっ、出てったと思ったらまた来たな」
「装備装飾品も結構これから大事な要素っぽいから、調べとくといいかも。錬金術師ももしかしたら必要になるかもしれないしね」
「へっ、私ですか?」

「ほう、これが暗闇の証明ってやつか。ほんとに夜光るのか?」
「これが光るんじゃなくて、周りが照らされる感じかな。結構どう照らされてるのかは不思議だけど、夜はめちゃくちゃ快適だった」
「あ、美味しい。ピピも美味しい?」
「チュンッ」

 ガイル達に装備装飾品の実物を見せつつ話をする。その時に少し俺の家の話になり、マウンテンモウのアイスを出した。もちろんルリは今回も食べている。

「じゃあ伝えたいことはそれだけだから」
「あぁ、ありがとう」
「ありがとうございました!」

 今度こそガイル達の工房を出て、一度北の街に移動する。

「もしかしたらモニカさんが帰ってる可能性が1%位あると思ったけど、あの感じだと負けない限りギリギリまでいそうだな」

 本当に12時までに帰ってこなかったら、モニカさんには悪いけどカジノは禁止って言おう。

「さて、1回職人ギルドに行くか」

 いろんな人にアイスを食べてもらうのはいいけど、いつもボウルを出してそこにミルク(砂糖入り)を注ぐのはあまりにも見栄えが悪いので、ベラさんに頼んだものができるまでのつなぎとして、冷やしてもいい箱型の容れ物を買いに職人ギルドまで行く。

「お、これいいな。これください」
「はいよ」

 ミルク保存缶を買ったところで良さそうな箱を見つけたため、それを買って家に帰る。

「だから、ここを買いたいんですって。なんで借りることしかできないんですか?」
「何度も申し上げていますが、こちらはプレイヤー様に貸し出しのみ許可された土地ですので、ご理解の程よろしくお願いします」

 また商人ギルドの人とプレイヤーが言い合っている。フカさんに初めて会った時も言ってたけど、本当に買える土地って少ないんだな。

「もういいです」

 そう言ってプレイヤーは去っていった。

「大丈夫ですか?」
「あぁ、ありがとうございます。最近は土地を購入したいとおっしゃるプレイヤー様が多くて、たまにああいった方がいらっしゃいます」
「なんで借りるのだと駄目なんですかね?」
「単純に長期的に見るとお金が多くかかってしまうこともそうですが、物を置いておくことが出来ないのも理由かもしれません」

 確かに農業に必要なものをいつもインベントリに入れて持ち歩かないといけないのは、ガイルとメイちゃんの話を聞いたあとだと邪魔なのが分かる。やっぱり購入しないと快適さが全然違うのだろう。

「ちなみに土地ってもうどこも売ってないんですか?」
「いえ、そういうわけではございません。少し離れたところや、高額な場所は残っております。そもそもプレイヤー様に向けたものが少ないこともありますので、こちらも売れてしまうのは時間の問題かもしれません」

 街の中心近くの土地はプレイヤーに売っておらず、貸し出しているところも少ないため文句を言われることが多いそうだ。

「ちょっと教えてもらってもいいですか?」
 
 今プレイヤーに売ることができる土地の場所を教えてもらうと、俺の家の隣の場所もまだ売れ残っていた。

「こちらは500万Gでございます」
「うーん、完全に畑をするため、野菜や果物を育てるためだけの土地か」

 商人ギルドの人にお礼を言って家に帰る。

「俺の家にも畑はあるけど、どちらかと言うと自分達で食べる分より少し多めに作れるかな、ってくらいだからな。もっと耕して畑ゾーンを広げてもいいけど、マウンテンモウやライドホースの場所がなくなるのも可愛そうだし」

 ただ結局大きな畑を買ったところで手入れに時間を取られるのは面倒だし、良い人が隣の土地を買ってくれるのを願おうかな。

「よし、じゃあ家に帰るか」

 モニカさんがどうかカジノで時間を忘れて遊びすぎないことを祈りながら、俺達は家に帰った。


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