116 / 214
第105話
しおりを挟む
「だからうちは家にユーマさんを入れなかったの!」
「でも外で待ってても誰かに見られた可能性があったでしょ?」
「それはそうだけど、絶対に家から出ていくのを見られた方がユーマさんに迷惑かかるし」
「ならアリスが止めればよかったじゃん」
「みーちゃんがユーマさんを家に入れるって言ってくれたのが嬉しくて。ちょっと話してお別れするつもりだったけど、うちが何も言わずに放っておいたら家の中に連れてってくれそうだったから。うちもユーマさんには色々聞きたいことあったし」
「うわ、アリスがユーマのファンガールなの忘れてた」
「(そんなにおっきな声出してうちがファンなの本人の前で言わないでよ!)」
「いや、あれだけ長文のマシンガントーク披露してそれはない」
アリスさんとみるくさんが俺をここから安全に出す作戦を考えてくれるらしいので、その間に他の女性配信者の人達と交流を深めておく。
「もぐるさんは何の魔法を使うの?」
「もぐるは水の魔法が好き」
「確か違うゲームでコラボしてた時も、水魔法に関係するアイテムだったような」
「ユーマっちもぐるのこと知ってるの?」
「残念ながらここにいる誰の配信も見たことはないけど、俺のやってたゲームとコラボしてたから名前と声だけは知ってた」
「そうなんだ、嬉しい」
「水魔法なら火属性のモンスターは敵無しだろうし、他のゲームと使用感は違ったとしても慣れてそうだね」
「ユーマっちは魔法使わないの?」
「俺には魔獣がいるからね」
「クゥ!」「アウ!」「……!」「コン!」
ルリは魔法を使わないんだけど、まぁ1人だけ返事をしないのもそれはそれで仲間外れみたいで嫌だよな。
「うっし、もぐるんの次は僕っす。格闘家はどうやったら強くなれるっすか?」
「このゲームは結構武器と防具が重要そうだから、早く格闘家にあった装備を見つけるところからかな」
「もしかして格闘家って微妙なんすか?」
「いや、そんなことはないと思うよ。このゲームは今のところバランス良く出来てるなって思うし、格闘家が弱いなんてことはないと思う。ただオークションの時に感じたけど、やっぱり剣とか杖とか槍とかは多く出品されてたし、そういうメジャーな装備の方がモンスターからのドロップ率も高いんだと思う。まぁこれは完全に勝手な予想だから気にしなくていいけど。で、プレイヤーの鍛冶師が格闘家のための武器を敢えて作ることなんて無いと思うから、結構装備集めが大変そうだなって思っただけ」
「そっか。でもそれならアヤりんに作ってもらえば良いだけだし、何とかなりそうっすね」
そういえばアヤさんは鍛冶師って言ってたし、ヒナタさんが格闘家として強くなれるかどうかはアヤさんの腕にかかってそうだ。
「わたくしも良いですか? ヒーラーとして皆様を回復したいのですが、なかなか思うようにヒールを回すことが出来ず困っているのです。それに皆様が攻撃を受けないことが1番良いのですが、そうなると私の出番がなく暇になってしまいまして」
「ヒーラーが良く悩むことなので大丈夫ですよ。結構立ち位置が難しいんですよね。自分だけじゃなくてパーティーメンバーにもこれくらいの範囲しか回復できないって事前に話しておくのは大事ですし、敵の数や強さによって自分の位置を調整する必要があります。基本は前衛の人に回復が出来るギリギリの距離を自分の立ち位置の目安にするといいかと。そして暇な時間ですけど、パーティーへのバフとかかけてもすぐ終わりますもんね。たぶん弓のような遠距離武器を新しく持つか、魔術師ギルドで魔法を覚えるかですね。コネファンはMP消費のような概念がないですし、オリヴィアさんも攻撃できる時はどんどん攻撃するのがいいと思います」
「ユーマ様に言われたことを意識して頑張ってみますわ」
「あたいも教えて欲しい。ユーマはテイマーでありながら前衛もやるって聞いたんだ。あたいも鍛冶師で前衛向きの職業じゃないが、戦う時は刀を使ってる。どうすれば生産職のあたいが戦闘職に勝てる?」
「そもそも勝ち負けの話で言えば、厳しいことを言うと生産職が戦闘職に勝とうと思う時点で間違いかな。じゃないと戦闘職の意味がないからね。でも、このゲームは生産職でもサブ職業みたいに少しは戦闘職のスキルが使えるから、それを上手く使うしかないかも。結局戦闘職と比べて使えるスキルの差はあっても、プレイスキルでどうとでもなる範囲だし。もしかしたらこれから先複数の職業に就けるようになるとかあるかもしれないし、その時は戦闘職をお勧めするかな。いや、まぁ流石にそんなことは無いか。けど、戦闘職以外の人が戦いやすくなる調整は入るかもしれないね」
「そうか。確かに生産職が戦闘職のスキルを全て使えたらズルいのはそうだ」
「まぁ純粋な戦闘職以外はスキルが使えない分プレイスキルを磨くしか無いね」
「あたいは皆の派手な戦闘スキルを見て少し弱気になってたようだ。はっきりと言ってくれて感謝するぜ」
こうして4人と話している間に、あちらの2人も作戦が決まったらしい。
「皆で先に家を出て、その後ユーマさんには家を出てもらいます。もしこの家を見ているプレイヤーが居たとしても、うちらが出ていけばそっちを追いかける可能性が高いので。そしてユーマさんが出てもいいとこちらで判断したタイミングでチャットを送るので、その時は素早く出てください」
「ユーマとは一度別れて、街の外で待ち合わせでお願い。そこで皆の戦闘を見てもらったり、色々教えてもらうことになったから」
「あの、うちらでここまで決めてしまいましたけど、ユーマさんは大丈夫ですか?」
「取り敢えずここを無事に出られたらそれで良いです。外で皆さんに少し教えるくらいなら何も言われないでしょうし、何より一目で俺が皆さんとパーティーを組んでいないことは分かりますから」
「クゥ」「アウ」「……!」「コン」
と言うことであっという間に皆家を出ていき、俺1人がこの家に残された。
「お、来たな」
アリスさんから合図が来たので、俺達はすぐに家を出る。
「あ、ユーマ様こんにちは」
「あ、カーシャさん、こ、こんにちは」
プレイヤーにバレないようにと思っていたが、そういえばカーシャさんがここの向かいに住んでいたのを忘れていた。というか出てくるタイミングが悪すぎる。
「ここで何をされてたんですか?」
「いや、ちょっと友達に呼ばれて」
「そうでしたか。あ、新しい魔獣ですか?」
「そうですね」
「ちなみにあれからモニカさんとはどのよう……」
「俺急いでるんで、ごめんなさい!」
「あぁ、ユーマ様! モニカさんとどこまで進んだのか詳しくお話を!」
ある意味カーシャさんが俺とモニカさんの関係にしか興味がなくて良かった。もしシロの話を続けられたら流石に無視するのは申し訳ないし。
とにかくこれで一応プレイヤーには誰にもバレることなく、あの女性配信者達の住む家を出ることが出来たと思う。
「あ、ユーマこっちだよ」
「ユーマさん、さっき皆にアドバイスしてたの少し聞いてましたから、うちにもお願いします!」
みるくさんとアリスさんを見つけ、俺達は一緒に他のメンバーが居る場所まで歩く。
「アドバイスっていってもそんなに大したこと言ってないですよ。聞かれたことに答えただけって感じで」
「じゃあ私からユーマに質問。盗賊はパーティーの1番前を行く方がいいのか、それとも前は他に任せて1人で行動するほうがいいのか」
「盗賊は基本的に自由に動いて良いと思う、かな。パーティーの前衛が足りてないなら前に居てあげないと駄目だけど、基本は1人で行動する方が良いかなって。ただ、罠が出てきたりすると話は変わってきて、盗賊が先に行って安全かどうか確かめて、その後ろを仲間がついてくる形になるからそこは絶対に盗賊が前。でも今はそんなことしなくていいから自由にしたら良いんじゃないかな」
「そっか。ちなみに仮の話なんだけど、ユーマが私の代わりで今のパーティーに入ったとして、盗賊をするならどう動く?」
「皆の動きが分からないから何とも言えないけど、周りのモンスターのタゲを引いてパーティーメンバーが攻撃できる範囲まで連れてくるかな。俺の思う自由な時間の使い方はパーティーメンバーが戦闘しやすい環境作りだから。前衛と後衛が攻撃出来て、後衛がモンスターに狙われないような位置に相手を持ってくるのを頑張る、で答えになってる? もしかしてボス戦とかの話だった?」
「ううん、大丈夫、なるほどね。参考にできるかな?」
みるくさんはそう言うと他のメンバーがいる場所へと走っていった。
「う、うちはその、アドバイスと言うか、質問というか、気になってることを聞きたくて」
「俺に答えられることなら何でも良いですよ」
「あの、全く関係ないことでもいいですか?」
「え、まぁ答えられることなら」
アリスさんは俺の動画の視聴者だからこそ、こんな確認をされると何を言われるのかドキドキする。
「あの……何で最前線攻略組を抜けたんですか?」
なるほど、確かにこれは昔から俺を知ってる人は気になるだろう。
「もし期待を裏切ってしまったのならごめんなさい。本当に簡単に言うと、ゲームをするのが辛くなっちゃって」
「確かにここ数ヶ月のユーマさんの動画は昔より元気がなかった気がします」
「まぁそれで辞めたのに、今もゲームしてるんですけどね。結局趣味がゲームなのは変わらなくて、攻略じゃなくて楽しむために今はやってる感じです」
「そうだったんですね。うちが聞きたかったことは聞けました」
「あの、今のって結構気になってる人もいる気がするんで、動画で出しても良いですか?」
「え、私がユーマさんの動画に!?」
「今は別に攻略動画じゃないし、ここで出会ったプレイヤーの名前は動画化される時にAIの方で隠されてると思うから、アリスさんも隠すなら隠すで良いんですけど。たぶんアリスさんも見てくれたと思うんですけど、このゲームで知り合った鍛冶師とか錬金術師のプレイヤーも居たでしょ?」
「確かに居ましたね。これまでのユーマさんの動画なら絶対に出られないような、全然強くなさそうな人達」
アリスさんのすごい辛口コメントがガイルとメイちゃんに刺さっている。勿論アリスさんがガイルやメイちゃんのことを嫌いなわけではなくて、事実を言ったら言い方がきつくなっただけなのは分かる。
「アリスさんは配信者だし、たぶんAIの方でもアリスさんの名前は隠さないでそのままさっきの会話を動画化してくれると思うんだけど、どうですか?」
「全然大丈夫です!」
「良かった、ありがとう」
こうして動画にする許可をもらい、パーティーメンバーが居る場所までアリスさんと歩いていくのだが、途中で弓使いとしてのアドバイスも求められ、なんとなくアドバイスは他の人と合流した後にすることではないという雰囲気で、俺達は亀のようなスピードで皆の元へと歩くことになるのだった。
「でも外で待ってても誰かに見られた可能性があったでしょ?」
「それはそうだけど、絶対に家から出ていくのを見られた方がユーマさんに迷惑かかるし」
「ならアリスが止めればよかったじゃん」
「みーちゃんがユーマさんを家に入れるって言ってくれたのが嬉しくて。ちょっと話してお別れするつもりだったけど、うちが何も言わずに放っておいたら家の中に連れてってくれそうだったから。うちもユーマさんには色々聞きたいことあったし」
「うわ、アリスがユーマのファンガールなの忘れてた」
「(そんなにおっきな声出してうちがファンなの本人の前で言わないでよ!)」
「いや、あれだけ長文のマシンガントーク披露してそれはない」
アリスさんとみるくさんが俺をここから安全に出す作戦を考えてくれるらしいので、その間に他の女性配信者の人達と交流を深めておく。
「もぐるさんは何の魔法を使うの?」
「もぐるは水の魔法が好き」
「確か違うゲームでコラボしてた時も、水魔法に関係するアイテムだったような」
「ユーマっちもぐるのこと知ってるの?」
「残念ながらここにいる誰の配信も見たことはないけど、俺のやってたゲームとコラボしてたから名前と声だけは知ってた」
「そうなんだ、嬉しい」
「水魔法なら火属性のモンスターは敵無しだろうし、他のゲームと使用感は違ったとしても慣れてそうだね」
「ユーマっちは魔法使わないの?」
「俺には魔獣がいるからね」
「クゥ!」「アウ!」「……!」「コン!」
ルリは魔法を使わないんだけど、まぁ1人だけ返事をしないのもそれはそれで仲間外れみたいで嫌だよな。
「うっし、もぐるんの次は僕っす。格闘家はどうやったら強くなれるっすか?」
「このゲームは結構武器と防具が重要そうだから、早く格闘家にあった装備を見つけるところからかな」
「もしかして格闘家って微妙なんすか?」
「いや、そんなことはないと思うよ。このゲームは今のところバランス良く出来てるなって思うし、格闘家が弱いなんてことはないと思う。ただオークションの時に感じたけど、やっぱり剣とか杖とか槍とかは多く出品されてたし、そういうメジャーな装備の方がモンスターからのドロップ率も高いんだと思う。まぁこれは完全に勝手な予想だから気にしなくていいけど。で、プレイヤーの鍛冶師が格闘家のための武器を敢えて作ることなんて無いと思うから、結構装備集めが大変そうだなって思っただけ」
「そっか。でもそれならアヤりんに作ってもらえば良いだけだし、何とかなりそうっすね」
そういえばアヤさんは鍛冶師って言ってたし、ヒナタさんが格闘家として強くなれるかどうかはアヤさんの腕にかかってそうだ。
「わたくしも良いですか? ヒーラーとして皆様を回復したいのですが、なかなか思うようにヒールを回すことが出来ず困っているのです。それに皆様が攻撃を受けないことが1番良いのですが、そうなると私の出番がなく暇になってしまいまして」
「ヒーラーが良く悩むことなので大丈夫ですよ。結構立ち位置が難しいんですよね。自分だけじゃなくてパーティーメンバーにもこれくらいの範囲しか回復できないって事前に話しておくのは大事ですし、敵の数や強さによって自分の位置を調整する必要があります。基本は前衛の人に回復が出来るギリギリの距離を自分の立ち位置の目安にするといいかと。そして暇な時間ですけど、パーティーへのバフとかかけてもすぐ終わりますもんね。たぶん弓のような遠距離武器を新しく持つか、魔術師ギルドで魔法を覚えるかですね。コネファンはMP消費のような概念がないですし、オリヴィアさんも攻撃できる時はどんどん攻撃するのがいいと思います」
「ユーマ様に言われたことを意識して頑張ってみますわ」
「あたいも教えて欲しい。ユーマはテイマーでありながら前衛もやるって聞いたんだ。あたいも鍛冶師で前衛向きの職業じゃないが、戦う時は刀を使ってる。どうすれば生産職のあたいが戦闘職に勝てる?」
「そもそも勝ち負けの話で言えば、厳しいことを言うと生産職が戦闘職に勝とうと思う時点で間違いかな。じゃないと戦闘職の意味がないからね。でも、このゲームは生産職でもサブ職業みたいに少しは戦闘職のスキルが使えるから、それを上手く使うしかないかも。結局戦闘職と比べて使えるスキルの差はあっても、プレイスキルでどうとでもなる範囲だし。もしかしたらこれから先複数の職業に就けるようになるとかあるかもしれないし、その時は戦闘職をお勧めするかな。いや、まぁ流石にそんなことは無いか。けど、戦闘職以外の人が戦いやすくなる調整は入るかもしれないね」
「そうか。確かに生産職が戦闘職のスキルを全て使えたらズルいのはそうだ」
「まぁ純粋な戦闘職以外はスキルが使えない分プレイスキルを磨くしか無いね」
「あたいは皆の派手な戦闘スキルを見て少し弱気になってたようだ。はっきりと言ってくれて感謝するぜ」
こうして4人と話している間に、あちらの2人も作戦が決まったらしい。
「皆で先に家を出て、その後ユーマさんには家を出てもらいます。もしこの家を見ているプレイヤーが居たとしても、うちらが出ていけばそっちを追いかける可能性が高いので。そしてユーマさんが出てもいいとこちらで判断したタイミングでチャットを送るので、その時は素早く出てください」
「ユーマとは一度別れて、街の外で待ち合わせでお願い。そこで皆の戦闘を見てもらったり、色々教えてもらうことになったから」
「あの、うちらでここまで決めてしまいましたけど、ユーマさんは大丈夫ですか?」
「取り敢えずここを無事に出られたらそれで良いです。外で皆さんに少し教えるくらいなら何も言われないでしょうし、何より一目で俺が皆さんとパーティーを組んでいないことは分かりますから」
「クゥ」「アウ」「……!」「コン」
と言うことであっという間に皆家を出ていき、俺1人がこの家に残された。
「お、来たな」
アリスさんから合図が来たので、俺達はすぐに家を出る。
「あ、ユーマ様こんにちは」
「あ、カーシャさん、こ、こんにちは」
プレイヤーにバレないようにと思っていたが、そういえばカーシャさんがここの向かいに住んでいたのを忘れていた。というか出てくるタイミングが悪すぎる。
「ここで何をされてたんですか?」
「いや、ちょっと友達に呼ばれて」
「そうでしたか。あ、新しい魔獣ですか?」
「そうですね」
「ちなみにあれからモニカさんとはどのよう……」
「俺急いでるんで、ごめんなさい!」
「あぁ、ユーマ様! モニカさんとどこまで進んだのか詳しくお話を!」
ある意味カーシャさんが俺とモニカさんの関係にしか興味がなくて良かった。もしシロの話を続けられたら流石に無視するのは申し訳ないし。
とにかくこれで一応プレイヤーには誰にもバレることなく、あの女性配信者達の住む家を出ることが出来たと思う。
「あ、ユーマこっちだよ」
「ユーマさん、さっき皆にアドバイスしてたの少し聞いてましたから、うちにもお願いします!」
みるくさんとアリスさんを見つけ、俺達は一緒に他のメンバーが居る場所まで歩く。
「アドバイスっていってもそんなに大したこと言ってないですよ。聞かれたことに答えただけって感じで」
「じゃあ私からユーマに質問。盗賊はパーティーの1番前を行く方がいいのか、それとも前は他に任せて1人で行動するほうがいいのか」
「盗賊は基本的に自由に動いて良いと思う、かな。パーティーの前衛が足りてないなら前に居てあげないと駄目だけど、基本は1人で行動する方が良いかなって。ただ、罠が出てきたりすると話は変わってきて、盗賊が先に行って安全かどうか確かめて、その後ろを仲間がついてくる形になるからそこは絶対に盗賊が前。でも今はそんなことしなくていいから自由にしたら良いんじゃないかな」
「そっか。ちなみに仮の話なんだけど、ユーマが私の代わりで今のパーティーに入ったとして、盗賊をするならどう動く?」
「皆の動きが分からないから何とも言えないけど、周りのモンスターのタゲを引いてパーティーメンバーが攻撃できる範囲まで連れてくるかな。俺の思う自由な時間の使い方はパーティーメンバーが戦闘しやすい環境作りだから。前衛と後衛が攻撃出来て、後衛がモンスターに狙われないような位置に相手を持ってくるのを頑張る、で答えになってる? もしかしてボス戦とかの話だった?」
「ううん、大丈夫、なるほどね。参考にできるかな?」
みるくさんはそう言うと他のメンバーがいる場所へと走っていった。
「う、うちはその、アドバイスと言うか、質問というか、気になってることを聞きたくて」
「俺に答えられることなら何でも良いですよ」
「あの、全く関係ないことでもいいですか?」
「え、まぁ答えられることなら」
アリスさんは俺の動画の視聴者だからこそ、こんな確認をされると何を言われるのかドキドキする。
「あの……何で最前線攻略組を抜けたんですか?」
なるほど、確かにこれは昔から俺を知ってる人は気になるだろう。
「もし期待を裏切ってしまったのならごめんなさい。本当に簡単に言うと、ゲームをするのが辛くなっちゃって」
「確かにここ数ヶ月のユーマさんの動画は昔より元気がなかった気がします」
「まぁそれで辞めたのに、今もゲームしてるんですけどね。結局趣味がゲームなのは変わらなくて、攻略じゃなくて楽しむために今はやってる感じです」
「そうだったんですね。うちが聞きたかったことは聞けました」
「あの、今のって結構気になってる人もいる気がするんで、動画で出しても良いですか?」
「え、私がユーマさんの動画に!?」
「今は別に攻略動画じゃないし、ここで出会ったプレイヤーの名前は動画化される時にAIの方で隠されてると思うから、アリスさんも隠すなら隠すで良いんですけど。たぶんアリスさんも見てくれたと思うんですけど、このゲームで知り合った鍛冶師とか錬金術師のプレイヤーも居たでしょ?」
「確かに居ましたね。これまでのユーマさんの動画なら絶対に出られないような、全然強くなさそうな人達」
アリスさんのすごい辛口コメントがガイルとメイちゃんに刺さっている。勿論アリスさんがガイルやメイちゃんのことを嫌いなわけではなくて、事実を言ったら言い方がきつくなっただけなのは分かる。
「アリスさんは配信者だし、たぶんAIの方でもアリスさんの名前は隠さないでそのままさっきの会話を動画化してくれると思うんだけど、どうですか?」
「全然大丈夫です!」
「良かった、ありがとう」
こうして動画にする許可をもらい、パーティーメンバーが居る場所までアリスさんと歩いていくのだが、途中で弓使いとしてのアドバイスも求められ、なんとなくアドバイスは他の人と合流した後にすることではないという雰囲気で、俺達は亀のようなスピードで皆の元へと歩くことになるのだった。
117
あなたにおすすめの小説
【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます
鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。
このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。
それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。
その称号効果はスライム種族特効効果。
そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・
このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。
主人公は経験値でモンスターを殴ります。
──────
自筆です。
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位>
<カクヨム週間総合ランキング最高3位>
<小説家になろうVRゲーム日間・週間1位>
現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。
モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。
ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕!
カクヨムで先行配信してます!
俺の職業は【トラップ・マスター】。ダンジョンを経験値工場に作り変えたら、俺一人のせいでサーバー全体のレベルがインフレした件
夏見ナイ
SF
現実世界でシステムエンジニアとして働く神代蓮。彼が効率を求めVRMMORPG「エリュシオン・オンライン」で選んだのは、誰にも見向きもされない不遇職【トラップ・マスター】だった。
周囲の冷笑をよそに、蓮はプログラミング知識を応用してトラップを自動連携させる画期的な戦術を開発。さらに誰も見向きもしないダンジョンを丸ごと買い取り、24時間稼働の「全自動経験値工場」へと作り変えてしまう。
結果、彼のレベルと資産は異常な速度で膨れ上がり、サーバーの経済とランキングをたった一人で崩壊させた。この事態を危険視した最強ギルドは、彼のダンジョンに狙いを定める。これは、知恵と工夫で世界の常識を覆す、一人の男の伝説の始まり。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる