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第三章 気高き戦士のもとに旗は翻る
第一話 二人の距離は山の天気のように斯くも移ろう
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エルフの里で凄惨な出来事が起きてから数日。
クリーム色の乾いた岩場が点在し、時折吹く風が薄く砂埃を上げる中、俺たちは進んでいた。
現在地はテルミヌス山脈の山頂近く。その地に響く足音は二つあり、振り向けば覚束ない足取りをしたルゥの姿が確認できる。
当然ながら、その他に見えるものなど何もない。今いる場所は山脈の中でも南側にあたり、鬱蒼と繁る森の広がりを一望できるのだが、人っ子一人見当たらなかった。
――追っ手がない。その事実を認める度に俺の心は緩やかに甘く蝕まれていく。
今こうして無事に山脈を越えることが出来ているのはある老人の功績なのだと、俺は忘れてはいけないのだ。
「どうした、ルゥ? 大丈夫か?」
冷たく、乾燥した空気を肺に取り込み気分を戻すと、再度振り向いて声をかける。
山の中腹――木々に囲まれた穏やかな傾斜を登っていた時は楽しそうに蛇行して走り、ずっと先行していたというのに……今では形無しだな。
駆け足で近寄ると、支えを求めるようにルゥの手が俺の服の裾を握りしめる。
けれど、それだけでは足りなかったようで膝から座り込んでしまった。
その顔は真っ青と形容してもおかしくないほどに曇っており、苦しそうに頭を抑えている。
「ん……。……ちょっと頭が痛い。あと、吐きそう」
そう答える彼女は、だが健気にも俺に笑顔を向けてくれた。心配させないように、という配慮だろう。
その痩せ我慢をする姿が過去の記憶を想起させ、一つの結論を導いた。
「……あぁ、思い出した。多分、高山病だな」
「こうざん、びょう……?」
苦し紛れの吐息と共に紡がれた言葉を聞き、俺は頷く。
「そう、高山病。山は高い場所へ近づけば近づくだけ空気が薄くなるんだ。それが原因で起こる病気。俺も過去に経験したことあるが、安静にしてればそのうち慣れる」
事態を把握しその場に屈むと、ルゥに対して背を向ける。
初めは首を傾げていたルゥであったが、その意味を理解したのか嬉しそうに飛び乗った。
……キツイだろうに元気な奴だ。
呆れた笑みを浮かべると、俺の首筋に小さな顔が近づく。
「んー。……いい匂い」
歩き出す俺に体を預け、ふとそんなことを呟いた。
最近のルゥは以前に比べてスキンシップが増えている――その事実に逸る心を抑え、代わりに益体のないことを言って誤魔化す。
「……いや、それはないだろ。単に汗臭いだけだ」
「そんなことなーい」
完全に聞き流しているようで、雑な返答が返ってきた。
その無意識から生まれる力のない声にため息をつき、だけども取り敢えず話だけは続けておく。
「それともアレか? 俺の血の匂いが美味しそうで、そう感じるとか」
「んー? ……んー、そうかも」
案の定の応え。だが今回は、その反応に対して何も言及をしなかった。
自分の発言からではあるが、良いことを思いついたためだ。
「……なぁ、ルゥ。俺の血を飲んでみないか?」
唐突な謎の提案を俺はする。なんの脈絡もないその言葉は、妙な態度だったルゥの意識をも取り戻させた。
「へ? ……何で? 別に、お腹は空いてないけど……」
「実験。……それとまぁ、練習の意味もあるかな」
答えを聞いても理解できないようで、頭の角度が傾く。
その折に揺れるルゥの髪は俺の鎖骨を撫で、擽ったい。けれどもそれ以上に心地が良く、緩む口元を隠すようにあさっての方向を向いた。
「吸血鬼が血を飲む時、それと一緒に魔力も取り込む――って話は覚えてるか?」
「うん。あの体がポわってするのでしょう?」
「私、覚えている」とばかりにそう答えてくれるのは嬉しいのだが、如何せん俺がその感覚を分からないのでなんとも答えようがない。
それに過去にも同じような思考をした気がするが……まぁ、いいか。ちゃんと覚えているとは、素直ないい子だ。
「そう、それ。で、その"ポわっ"てやつは魔力の流れなわけ。魔法を使うには強い想像力と魔力の操作が必要になるから、もしかしたらルゥもその"ポわっ"を利用すれば魔法が使えるんじゃないか、って思ってな」
分かりやすく噛み砕いた説明を心掛けてみる。知識でしか知らないため正確な教えではないのかもしれないが、今は雰囲気さえ掴むことができるならそれでいいだろう。
「私が、魔法……? 使ってみたい!」
幸いにもルゥも乗り気であったため、実際にやってみることにした。
「じゃあ、取り敢えずは血を飲んでくれ。いつもみたいにグビグビ飲むんじゃなく、ジワっと取り込むように頼む」
「はーい…………はむっ」
小さな痛みと、プツリと肌が破れる感触。下手に意識をすると感覚は敏感になるようで、鋭く尖った歯が皮膚を押し込み、限界まで張りつめた先に刺さる様子を感じ取ることができた。
首筋は熱いのに、頭の先から熱が冷めていく。
そんな感覚を覚えながら俺は口を開いた。
「血を飲みながら魔力の流れを意識しろ。感じ取ったら全身に染み渡らせるように……今まであった気だるさが解消していくイメージをするんだ」
集中するようにルゥは目を閉じる。その邪魔をしないようにそれ以降は俺も喋らず、ただその様子を見守っていた。
静かな空間、互いの顔が近いせいもあり、コクコクと喉を鳴らす音が耳朶を打つ。
不意にその目が開いた。ゆっくりと口を離したその後には、仄かに湿った感触が首筋に残っている。
この正体は止まらずに滲み出る血なのか、それとも――。
「様子はどうだ?」
思考を打ち切り、俺はルゥに尋ねかけた。すると、満足そうな声が聞こえてくる。
「うん、美味しかった。ごちそうさまです」
「……いや、血の感想は聞いてねぇよ。さっきの頭痛や吐き気は治ったか?」
予想外の返答に驚く。
この子、何のために血を飲んだのか目的を忘れているんじゃなかろうか。
そう思って改めて聞き直すと、なんとも歯切れの悪い答えが返ってきた。
「えっ? あー……うん。治った……かな?」
なぜ疑問形なのか。自分の事だから分かるだろう。
そんな念を込めてジトっと見つめてみれば、バツの悪そうな顔で口を開く。
「だ、だって……おんぶされてたら痛みとか全部忘れちゃってて……」
――じゃあ、これまでにやった事は全て意味が無いじゃん。
そんな言葉が喉まで出かかった。
まぁでも、体調が戻ったのならそれでいいか。
「そ、それよりも……何で山を登ってるの?」
話を変えるように尋ねられる唐突な疑問。その話に付き合おうと俺も口を開いた。
「ん? 言ってなかったか?この山脈を経由して北の方に抜けたいんだ」
背後からは「あっ!」と息の漏れる音が聞こえてくる。心当たりがあるようだ。
「でも、登る意味は? ぐるっと回ってこられないの?」
確かに誰もがそれを考えることだろう。山登りは過酷なもので危険も多い。
たとえ回り道になろうとも山を突っ切るよりは平地を歩いて進む方が良いに決まっている。
「残念だが、無理なんだ。エルフの里から更に西へ進めば、また別の種族の領土に入るからな」
「……それの何がいけないの?」
純真無垢な瞳が俺を見つめる。
……そうか。今まで俺が何の気なしにズカズカと進んでいたから、ルゥも大丈夫なものと勘違いしているのか。
「いけない、というよりは危険なんだ。種族間の関係によっては嬲り殺される可能性もある」
「えっ…………」
ゾッとしたような怯えた視線が俺に向けられた。嫌なトラウマを思い出させてしまったかもしれない。
「エルフなんかは俺たち人間族と相互不干渉の関係を交わしてる。互いに何もしない、という約束だ。だから、ある程度は安全に入ることが出来た。だけどそれより西に住む種族――獣人族は俺たち人間族と険悪なんだよ。多分、目と目が合えば即乱闘だ」
最後の文言は少し茶化すように言ってみたが、これは紛れもない事実だ。
「そっか、だからその領土に入らないように山を登ってるんだね」
「そういうこと。頂上で一度休憩をとってから、下山するか」
そんな提案をすると、気持ちの良い返事が聞こえる。
見上げれば頂上まではもう少し。
だが、その見た目以上に歩かなければならないことを経験から俺は知っていた。
太陽が真上から照りつけ、今が昼時だということを教えてくれる。
――昼飯は何にしようかな。
そんな思考を巡らせて、山の頂きを目指していた。
クリーム色の乾いた岩場が点在し、時折吹く風が薄く砂埃を上げる中、俺たちは進んでいた。
現在地はテルミヌス山脈の山頂近く。その地に響く足音は二つあり、振り向けば覚束ない足取りをしたルゥの姿が確認できる。
当然ながら、その他に見えるものなど何もない。今いる場所は山脈の中でも南側にあたり、鬱蒼と繁る森の広がりを一望できるのだが、人っ子一人見当たらなかった。
――追っ手がない。その事実を認める度に俺の心は緩やかに甘く蝕まれていく。
今こうして無事に山脈を越えることが出来ているのはある老人の功績なのだと、俺は忘れてはいけないのだ。
「どうした、ルゥ? 大丈夫か?」
冷たく、乾燥した空気を肺に取り込み気分を戻すと、再度振り向いて声をかける。
山の中腹――木々に囲まれた穏やかな傾斜を登っていた時は楽しそうに蛇行して走り、ずっと先行していたというのに……今では形無しだな。
駆け足で近寄ると、支えを求めるようにルゥの手が俺の服の裾を握りしめる。
けれど、それだけでは足りなかったようで膝から座り込んでしまった。
その顔は真っ青と形容してもおかしくないほどに曇っており、苦しそうに頭を抑えている。
「ん……。……ちょっと頭が痛い。あと、吐きそう」
そう答える彼女は、だが健気にも俺に笑顔を向けてくれた。心配させないように、という配慮だろう。
その痩せ我慢をする姿が過去の記憶を想起させ、一つの結論を導いた。
「……あぁ、思い出した。多分、高山病だな」
「こうざん、びょう……?」
苦し紛れの吐息と共に紡がれた言葉を聞き、俺は頷く。
「そう、高山病。山は高い場所へ近づけば近づくだけ空気が薄くなるんだ。それが原因で起こる病気。俺も過去に経験したことあるが、安静にしてればそのうち慣れる」
事態を把握しその場に屈むと、ルゥに対して背を向ける。
初めは首を傾げていたルゥであったが、その意味を理解したのか嬉しそうに飛び乗った。
……キツイだろうに元気な奴だ。
呆れた笑みを浮かべると、俺の首筋に小さな顔が近づく。
「んー。……いい匂い」
歩き出す俺に体を預け、ふとそんなことを呟いた。
最近のルゥは以前に比べてスキンシップが増えている――その事実に逸る心を抑え、代わりに益体のないことを言って誤魔化す。
「……いや、それはないだろ。単に汗臭いだけだ」
「そんなことなーい」
完全に聞き流しているようで、雑な返答が返ってきた。
その無意識から生まれる力のない声にため息をつき、だけども取り敢えず話だけは続けておく。
「それともアレか? 俺の血の匂いが美味しそうで、そう感じるとか」
「んー? ……んー、そうかも」
案の定の応え。だが今回は、その反応に対して何も言及をしなかった。
自分の発言からではあるが、良いことを思いついたためだ。
「……なぁ、ルゥ。俺の血を飲んでみないか?」
唐突な謎の提案を俺はする。なんの脈絡もないその言葉は、妙な態度だったルゥの意識をも取り戻させた。
「へ? ……何で? 別に、お腹は空いてないけど……」
「実験。……それとまぁ、練習の意味もあるかな」
答えを聞いても理解できないようで、頭の角度が傾く。
その折に揺れるルゥの髪は俺の鎖骨を撫で、擽ったい。けれどもそれ以上に心地が良く、緩む口元を隠すようにあさっての方向を向いた。
「吸血鬼が血を飲む時、それと一緒に魔力も取り込む――って話は覚えてるか?」
「うん。あの体がポわってするのでしょう?」
「私、覚えている」とばかりにそう答えてくれるのは嬉しいのだが、如何せん俺がその感覚を分からないのでなんとも答えようがない。
それに過去にも同じような思考をした気がするが……まぁ、いいか。ちゃんと覚えているとは、素直ないい子だ。
「そう、それ。で、その"ポわっ"てやつは魔力の流れなわけ。魔法を使うには強い想像力と魔力の操作が必要になるから、もしかしたらルゥもその"ポわっ"を利用すれば魔法が使えるんじゃないか、って思ってな」
分かりやすく噛み砕いた説明を心掛けてみる。知識でしか知らないため正確な教えではないのかもしれないが、今は雰囲気さえ掴むことができるならそれでいいだろう。
「私が、魔法……? 使ってみたい!」
幸いにもルゥも乗り気であったため、実際にやってみることにした。
「じゃあ、取り敢えずは血を飲んでくれ。いつもみたいにグビグビ飲むんじゃなく、ジワっと取り込むように頼む」
「はーい…………はむっ」
小さな痛みと、プツリと肌が破れる感触。下手に意識をすると感覚は敏感になるようで、鋭く尖った歯が皮膚を押し込み、限界まで張りつめた先に刺さる様子を感じ取ることができた。
首筋は熱いのに、頭の先から熱が冷めていく。
そんな感覚を覚えながら俺は口を開いた。
「血を飲みながら魔力の流れを意識しろ。感じ取ったら全身に染み渡らせるように……今まであった気だるさが解消していくイメージをするんだ」
集中するようにルゥは目を閉じる。その邪魔をしないようにそれ以降は俺も喋らず、ただその様子を見守っていた。
静かな空間、互いの顔が近いせいもあり、コクコクと喉を鳴らす音が耳朶を打つ。
不意にその目が開いた。ゆっくりと口を離したその後には、仄かに湿った感触が首筋に残っている。
この正体は止まらずに滲み出る血なのか、それとも――。
「様子はどうだ?」
思考を打ち切り、俺はルゥに尋ねかけた。すると、満足そうな声が聞こえてくる。
「うん、美味しかった。ごちそうさまです」
「……いや、血の感想は聞いてねぇよ。さっきの頭痛や吐き気は治ったか?」
予想外の返答に驚く。
この子、何のために血を飲んだのか目的を忘れているんじゃなかろうか。
そう思って改めて聞き直すと、なんとも歯切れの悪い答えが返ってきた。
「えっ? あー……うん。治った……かな?」
なぜ疑問形なのか。自分の事だから分かるだろう。
そんな念を込めてジトっと見つめてみれば、バツの悪そうな顔で口を開く。
「だ、だって……おんぶされてたら痛みとか全部忘れちゃってて……」
――じゃあ、これまでにやった事は全て意味が無いじゃん。
そんな言葉が喉まで出かかった。
まぁでも、体調が戻ったのならそれでいいか。
「そ、それよりも……何で山を登ってるの?」
話を変えるように尋ねられる唐突な疑問。その話に付き合おうと俺も口を開いた。
「ん? 言ってなかったか?この山脈を経由して北の方に抜けたいんだ」
背後からは「あっ!」と息の漏れる音が聞こえてくる。心当たりがあるようだ。
「でも、登る意味は? ぐるっと回ってこられないの?」
確かに誰もがそれを考えることだろう。山登りは過酷なもので危険も多い。
たとえ回り道になろうとも山を突っ切るよりは平地を歩いて進む方が良いに決まっている。
「残念だが、無理なんだ。エルフの里から更に西へ進めば、また別の種族の領土に入るからな」
「……それの何がいけないの?」
純真無垢な瞳が俺を見つめる。
……そうか。今まで俺が何の気なしにズカズカと進んでいたから、ルゥも大丈夫なものと勘違いしているのか。
「いけない、というよりは危険なんだ。種族間の関係によっては嬲り殺される可能性もある」
「えっ…………」
ゾッとしたような怯えた視線が俺に向けられた。嫌なトラウマを思い出させてしまったかもしれない。
「エルフなんかは俺たち人間族と相互不干渉の関係を交わしてる。互いに何もしない、という約束だ。だから、ある程度は安全に入ることが出来た。だけどそれより西に住む種族――獣人族は俺たち人間族と険悪なんだよ。多分、目と目が合えば即乱闘だ」
最後の文言は少し茶化すように言ってみたが、これは紛れもない事実だ。
「そっか、だからその領土に入らないように山を登ってるんだね」
「そういうこと。頂上で一度休憩をとってから、下山するか」
そんな提案をすると、気持ちの良い返事が聞こえる。
見上げれば頂上まではもう少し。
だが、その見た目以上に歩かなければならないことを経験から俺は知っていた。
太陽が真上から照りつけ、今が昼時だということを教えてくれる。
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