滅びゆく王国と平等の国を築く王女

王族好きな鳥ちゃん

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第7話:残酷の中の旅

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馬車の車輪がでこぼこの土の道をガタガタと進み、王都が彼らの後ろに遠ざかっていった。

田園地帯が果てしなく広がり、小さな村々や広大な農園が点在していた。最初の数時間、旅は静かだった——あまりにも静かだった。

馬車の中では、エヴリン王女がアデムの隣に座り、マリクとジャヒが向かい側に座っていた。馬車の動きに体がゆっくりと揺られていたが、彼らの心は外の光景に乱されていた。

灼熱の真昼の太陽の下、労働者たちが畑で働き、汗で黒い肌がきらきらと光っていた。

彼らは袋や木材、農具の重さに苦しみながらも必死に働いていた。監督者たちは長い鞭を持って彼らを見張り、労働者がつまずいたり動きが遅くなったりするとすぐに鞭を振るった。

ビシッ!

革が肉を打つ音が彼らの耳に響いた。男は痛みに叫び声を上げたが、動きを止めなかった。止められなかったのだ。

マリクは拳を握りしめた。
「この王国は腐ってる」
彼は怒りを込めて呟いた。

ジャヒは席に背を預け、舌打ちした。
「ちっ。そんなのとっくに知ってるでしょー!」

アデムは黙ったまま、窓の外を硬い表情で見つめていた。
彼の指は手のひらに食い込んでいたが、反応はしなかった。ここでは、反応できなかった。

エヴリンは彼らの緊張した表情に気づき、視線を落とした。
「私もこれが嫌だ」彼女は囁いた。
「でも、今は何もできない。まだ無理なの」

ジャヒの目には苛立ちが燃えていた。
「なぜだ?エブリンは王女様だろ。止めろと命令すれば——」

「彼らは聞かない」
エヴリンヌは遮り、首を振った。

「何の代償もなくは。もし私が今、表立って行動すれば、兄がそれを知る。そうなったら…日が沈む前に、お前たちはまた鎖につながれる」

馬車の中の空気は息苦しいほどだった。

人々が苦しむのを見ながら何もできない——それはアデムの胃を掻き回すような感覚だった。

しかし、彼女は正しかった。今は無謀な行動を取るべき時ではなかった。

「…どうやってこれと向き合って生きてるんだ?」
マリクがついに尋ねた。彼の声は以前より静かだった。

エヴリンは深く息を吸い、膝の上で手を握りしめた。

「向き合ってなんかいない。毎日、変えたいと思っている。だからこそ、ルシャールが必要なんだ。だからこそ、お前たちが必要なんだ。私はこの制度を終わらせる。でも、一人ではできない」

彼女の言葉は、彼らの心の奥深くにある何かを揺さぶった。

変化の約束。より良い未来への希望。

しかし、外では現実は変わらなかった。

さらに広がる畑。さらに深まる苦しみ。さらに響く鞭の音。

そして、彼らにできることはただ一つ…前に進み続けることだけだった。
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