滅びゆく王国と平等の国を築く王女

第９話：人間を超えた計画

蝋燭の灯りが大きなオークのテーブルの上で揺らめき、ルシャール侯爵は王国の詳細な地図を広げた。

エヴリンヌ、アデム、マリク、ジャヒは身を乗り出し、羊皮紙に記されたさまざまな要塞、道路、拠点をじっくりと見つめた。

「正直なところ」
ルシャールは腕を組みながら話し始めた。

「解放された者たち、共感者たち、そして雇える傭兵をすべて集めたとしても、わたしたちは圧倒的に数で劣るだろう」

彼の指は王都——王国の中心にある巨大な城壁に囲まれた要塞——を指し示した。

「王国軍は5万人以上いる。それに、王太子と国王にのみ忠誠を誓う精鋭の王宮警備隊は含まれていない。わたしたちが5千の兵を集められたら幸運だ」

三人の黒人の男たちは互いに視線を交わした。
それは厳しい数字だった。

マリクは嘲笑った。
「じゃあ、何の意味があるんだ？壁にぶつかって壊れるまでやるつもりか？」

しかし、エヴリンは揺るがなかった。
「方法があるはずだ。試す前にこの大義を諦めるわけにはいかない」

ルシャールは彼女の決意に笑みを浮かべた。
「その通りだ、王女様。だからこそ、わたしは別の道を探してきた」

アデムは眉を上げた。
「別の道？」

侯爵は背筋を伸ばし、視線を鋭くした。
「もしわたしがこう言ったらどうだろう…この世界を超えた力が、わたしたちを助けてくれるかもしれないと。」

部屋は静寂に包まれた。

「何の話だよー？」
ジャヒはついに腕を組んで尋ねた。

ルシャールは身を乗り出し、声を落とした。
「妖精族だ。エルフだ。王国が拡大する前にこの地を歩いていた神話の存在たち」

マリクは眉をひそめた。
「妖精ってことか？」

「そうだ」
ルシャールはうなずいた。
「妖精、エルフ、そして見えない存在たち。ほとんどの者は彼らを単なる伝説だと思っているが、わたしは知っている」

彼は引き出しを開け、古びたエルフ語の文字で埋められた羊皮紙を取り出した。

「これは、200年以上前にフェルダリスカ王国と妖精族の間で結ばれた最後の条約の記録だ。そこには、この地の正当な継承者が誠意を持って彼らの助けを求めた場合、森の長老たちが応じるかもしれないと書かれている」

エヴリンの目が大きく見開かれた。
「つまり…彼らが私たちのために戦ってくれるかもしれないと？」

「あるいは、力を与えてくれるかもしれない」
ルシャールは訂正した。

「もし彼らを見つけ、わたしたちの大義が正しいことを証明できれば、武器や魔法、あるいは戦士さえも与えてくれるかもしれない。それで形勢を逆転できる」

これまで黙っていたアデムがついに口を開いた。
「そして、その存在たちをどこで見つけるんだ？」

ルシャールは息を吐いた。
「エルダーツリーの森だ。西の果てにある広大な神秘の森で、人間の軍隊が足を踏み入れようとしない場所だ」

エヴリンは胸に手を当てた。「もし私たちがそこに行ったら…彼らは話を聞いてくれると思う？」

ルシャールは真剣な表情で一人ひとりを見た。

「何もしなければ、始める前から終わりだ。しかし、見えない存在の力を借りれば…まだチャンスはある」

重い沈黙が部屋を包んだ。

そして、アデム、マリク、ジャヒは互いを見つめ——それから王女を見た。

マリクは笑みを浮かべた。
「まさか、奴隷から解放された後に妖精と関わることになるとは思わなかったが…まあ、いいだろう」

ジャヒはくすくす笑った。
「死を待つよりはましだよねー？」

アデムはただうなずいた。
「…もしこれが唯一の道なら、準備を始めるべきだぞ」

エヴリンは、興奮と恐怖で鼓動が高まる心を抑え、拳を握りしめた。

「なら、決まりだ。明日——エルダーツリーの森に向かう。」

ルシャールは微笑んだ。
「では、神々——そして妖精族——がわたしたちと共にありますように」