滅びゆく王国と平等の国を築く王女

第１７話：夜の訪れと新たな魅力

エルフたちは、森の聖域の奥深くにある広々とした装飾が施された客室を提供してくれた。

部屋は天井に埋め込まれた柔らかく光る結晶で薄暗く照らされ、穏やかで幻想的な雰囲気を醸し出していた。

ベッドは魔法のかかった蔓で編まれており、シルクのようなシーツがかけられており、驚くほど快適だった。

四人——エヴリン王女、ジャヒ、マリク、アデム——はそれぞれのベッドに座り、長い一日の疲れを癒していた。

疲労が彼らを包んでいたが、その雰囲気は軽く、戦争と革命の重苦しさとは対照的だった。

ジャヒは腕を伸ばし、柔らかい枕に寄りかかった。
「なあ…前は考えたこともなかったけど、王女様と一緒に過ごしてて気づいたことがあるんだよねー？」

エヴリンは首を少し傾け、金色の髪が肩にかかった。
「あら？それは何かしら？」

マリクはくすくす笑った。
「白人の女も実は魅力的だってことだよ」

一瞬の沈黙の後、アデムが笑い出した。
「マジで。オレは白い肌ってなんか病弱そうだと思ってた。でも、エブリン王女を間近で見て…違うんだ。その白い肌には輝きがあって…なんていうか、無垢に見える」

マリクはうなずいた。
「ああ、なんか…純粋な感じがするんだよ」

エヴリンの指がシルクのシーツの上でわずかに震え、息が少し乱れた。

もちろん、王女として彼女はこれまでにも称賛されてきた。しかし、これは違った。

これらの男たちはかつて奴隷であり、彼女の王国が見下してきた人々だった。それでも今、彼らはここにいて、彼女を心から称賛する目で見つめていた。

彼女の磁器のような頬に薄い赤みが差したが、彼女は冷静さを保ち、威厳を失わなかった。

ゆっくりと優雅な動きで、彼女は頭を傾け、唇に薄く、知っているような笑みを浮かべた。
「あら？つまり、私がお前たちの心をときめかせるってこと？」

彼女の声は柔らかだが、からかうような色気が込められており、それは威厳がありながらも魅惑的だった。

ジャヒはつばを飲み込んだ。

マリクは頭の後ろを掻き、視線をそらした。

最も率直なアデムでさえ、一瞬ためらってから笑みを浮かべた。
「まあ…そうだな」

エヴリンはかすかに笑い、繊細な指で口を覆った。
「大胆ね。でも、私はそれをむしろ魅力的だと思うわ。」

彼女のサファイアブルーの瞳はエルフの光の下で輝いていた。
「そして、正直言うと…あなたたち三人もとても魅力的よ」

男たちは驚いて互いを見つめた。だって、初めて、王女が彼らを『お前』呼ばわりじゃなくて、『あなた』に切り替えたから。まるで、彼らを単なる『元奴隷』としか思っていないような新しい心の変化が......

驚愕した頭を振り切って、アデムは笑みを浮かべた。
「そう？オレたちがあんたの王国の基準では『野蛮人』だとしても？」

エヴリンの遊び心のある表情は、より優しく、より本物のものに変わった。
「私の王国の基準は時代遅れで不当だわ。私は目の前にいるのは、強さと名誉と優しさを持った男たちだと思っている——絶対に『野蛮人』なんかじゃない」

部屋は一瞬静まり、彼らの間に言葉にされない理解が通じた。

マリクはあくびをして、緊張を解いた。
「ふう。まあ、そろそろ寝るか。明日は大事な日になるぞ」

ジャヒはうなずいた。
「ああ。エルフを説得して、僕達と一緒に戦ってもらわなきゃならないからね～」

エヴリンは優雅に立ち上がり、寝間着を整えてからベッドに身を横たえた。
「おやすみなさい、みんな」

「おやすみ、王女様」

明かりが完全に消えると、三人の男たちはこれからの旅について考えていた——
戦うべき戦いだけでなく、彼らの心に芽生えた奇妙で予期せぬ感情についても。