青の向こうへ

瀬南 葵

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この世界には、幸福がない。不幸もない。絶望もない。
それなのに何故か存在している。
幸福も、不幸も、絶望も。
無理矢理作り上げているのだ。世界の勝手な価値観で決まっている。

それによって、幸福である人、不幸である人が出てきてしまう。
普通である人、普通でない人が出てきてしまう。本当はそんなもの存在しないのに。

普通も幸福も不幸もないのに、何故分けたがるのだろうか。何故自分が上だと言いたがるのだろうか。


僕は、今までそういう人を沢山見てきた。そして多分、僕もそういう人たちの中の一人だった。
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