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42 ガッチリ、ムキムキ、ゴリッゴリ
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「豆断ち、ですね。確かに殿下は豆の聖女の契約者ですから、普段よりも魔力を消耗するというのは理解できますが」
ポリーが差し出したティーカップからは、先程とは違うお茶の香りがする。
日本ではティーバッグを数回使って紅茶を飲んでも、別に気にしていなかった。
ふんだんに茶葉を使って一杯だけ飲むなんて、かなりの贅沢である。
「そうそう。だから、あれよ。豆の聖女に触ると御利益があるのよ」
「だとしても、妙齢の女性にあんなに触れるような方ではありません」
じっと見つめるポリーの瞳には、明らかな非難の色が見える。
やはり、ポリーはクライヴがあずきに好意を持っていると思っているらしい。
「えー……。だって、信じられないよ。クライヴは王子様でしょう? ないない。ありえない」
「では、アズキ様の方はどうなのですか? 殿下をどうお思いになっているのです?」
「どうって。……豆王国の豆王子」
的確に表現できたと思ったのだが、ポリーは不満らしく、ため息をつかれてしまう。
「そうではありません。私的な殿下です」
「私的と言われても」
「では、殿下のお顔をどう思いますか?」
「顔? ……イケメンね」
それはもう、間違いない。
仮にクライヴが日本に行こうものなら、アイドルでもモデルでも大人気になること請け合いである。
ただ顔がいいだけではなく丁寧な物腰で上品なのだから、女性が食いつかないわけがない。
「イケ?」
「ああ。ええと、美少年ね。かなりの美少年」
「なるほど。つまり、好ましいとお思いなのですね」
「まあ、格好良いわ」
少なくとも、外見に負の要素が見当たらない。
女性が羨むほどの綺麗な瞳に、滑らかな肌、目鼻立ちも整っていて、サラサラの金髪も美しい。
まさに、絵に描いたような美少年である。
「では、性格は」
「え? 優しいわね。色々気を使ってくれるし」
あずきの答えを聞いたポリーは、満足げにうなずく。
「では、アズキ様としては殿下に嫌悪感はなく、どちらかというと好印象……ということで、よろしいですか?」
「まあ、そうなるのかな」
「でしたら、もう少し殿下と親しくしていただいてもよろしいと思います」
親しくって何だろう。
そもそもクライヴと険悪なわけでもないし、普通で問題ないと思うのだが。
「もうじき、豆の聖女が現れた祝いの舞踏会が開かれます。そこで殿下のパートナーになるのは、アズキ様です」
確かに以前、そんな話をクライヴと貴族の男性がしていたし、メイナードも同じようなことを言っていた。
「クライヴが豆の聖女の契約者だから、って話でしょう?」
「もちろん、それもあります。ですが、殿下は今まで特定の相手をパートナーにしたことはありません。一定以上の立場の御令嬢と、順番にダンスのお相手をしたくらいです」
まあ、独身の王子なのだからお近づきになりたいという貴族は多いだろう。
容姿も身分も本人の性格もいいのだから、これ以上ない優良物件と言っていい。
「そうやって、将来のお相手探しをしていたってことでしょう?
「周囲は、そのつもりです。ですが殿下は業務としてそれをこなしていました」
「わからないわよ? 実はいい人がいて、隠しているのかも」
豆の王子の秘めたる恋というやつだ。
秘める必要性が皆無な気もするが、こういうものはロマンなので細かいところを突っ込んではいけない。
「いえ。ご本人にお聞きしましたので、間違いありません」
さすがは乳姉妹と言いたいが、そんなことをあずきにまでバラしてもいいのだろうか。
「……そういうポリーは、どうなの?」
クライヴのことを良く思っているような言い分だったし、乳姉妹として気心も知れているようだ。
ここは淡い恋心のひとつでも吐露されるかもしれない。
だが、あずきのドキドキに反して、ポリーは侍女として見せたことのない、薄笑いを浮かべた。
「私が、殿下をですか? ――ありえませんね」
「そ、そうなの?」
別にクライヴへの告白を聞きたかったわけではないが、好意的な意見が来るものとばかり思っていた。
まさかの完全否定に、驚きを隠せない。
「殿下は美少年です。王家どころか国中でも並ぶ者のいない美少年と言っていいでしょう。ですが、私の好みはもっとガッチリとして、ムキムキで、ゴリッゴリな、年上の男性です」
「ガッチリ」
「ええ。――ガッチリ、ムキムキ、ゴリッゴリです」
謎のキャッチフレーズのような響きが、あずきの脳を占拠していった。
「ですので、殿下はちょっと……いえ。完全に物足りません。圧倒的にゴリゴリ成分が不足しています」
「そ、そうね」
何と返したらいいのかわからず、とりあえず相槌を打つ。
クライヴはあずきを抱っこして王宮内移動できるくらいなので、十分に筋肉はあると思う。
だが線としては細いし、ゴリゴリなど欠片も存在しない。
「アズキ様はどうですか? ガッチリ、ムキムキ、ゴリッゴリ派ですか?」
「た、たぶん違うわ」
「では、殿下は好みですか?」
「そ、そうね。ゴリゴリよりは」
目が据わっているポリーの迫力に押され、声が少し上擦る。
返答に満足したのか、ポリーの表情が和らぐ。
おかげで、あずきはようやく謎の緊張から解放された。
「でしたら、親しくして差し上げてください。舞踏会でパートナーの聖女につれないあしらいをされては、王子の沽券にも関わりますし」
別に嫌そうにするつもりはないのだが、そう言われると少し心配になってくる。
「親しくって、何をするものなの?」
「そうですね。笑顔を向けていただき、殿下のそばから離れずにいていただけると」
「それ、今と何が違うの?」
普通に笑顔くらい出るものだし、どこかに行く時には大抵クライヴが一緒に来てくれているのだが。
「そう言われると、確かに。……といいますか、そんな状態だということ自体が、特別なのです」
「じゃあ、今まで通りでいいってこと?」
「……何か、違う気が。そうですね……恋人のようにしてほしいということです」
「勝手に?」
つれない対応とやらをするつもりはないが、恋人気取りで振舞われたら、クライヴだって困るだろう。
「まあ、そうなのですが。でも、そうではないんです」
「あからさまに嫌がられたら、さすがにショックだから。嫌よ」
「ああ、もう。……どうしたら」
何かに打ちひしがれた様子のポリーが、頭を抱えている。
「それに私、恋人がいたことないから。どうするのが正解か、わからないわ」
「――本当ですか!」
急に元気を取り戻したポリーが、あずきに食らいつく勢いで叫んだ。
「え、うん」
高校生活は部活一色だったし、一年前にササゲが死んでからはとてもそれどころではなかった。
友人にも恋人がいない子は多いが、こうしてあえて伝えるというのは何だか恥ずかしい。
「そうでした。まずは、その確認が先でした。意図せず、最重要情報を入手するとは。運が向いていますね」
何やらブツブツの呟くと、ポリーはあずきに笑みを送る。
「アズキ様。私はここで失礼いたします」
「あ、うん? 待って。結局、どうしたらいいの?」
「仲良くしてください。それでは、失礼いたします」
美しい角度でお辞儀をしたポリーは、豆の籠を抱えて颯爽と立ち去ってしまった。
あとに残されたあずきは暫しの逡巡の後、ソファーから立ち上がる。
「仲良く、って。幼稚園児じゃないんだから。一体どうしろっていうのよ」
そのまま寝室に向かうと、ベッドにゴロリと転がった。
ゴロゴロと横に転がり、もう一度転がってベッドの中央に戻ると、外出した疲れで一気に体を重く感じてくる。
次の瞬間、あずきはあっという間に夢の世界に旅立っていた。
ポリーが差し出したティーカップからは、先程とは違うお茶の香りがする。
日本ではティーバッグを数回使って紅茶を飲んでも、別に気にしていなかった。
ふんだんに茶葉を使って一杯だけ飲むなんて、かなりの贅沢である。
「そうそう。だから、あれよ。豆の聖女に触ると御利益があるのよ」
「だとしても、妙齢の女性にあんなに触れるような方ではありません」
じっと見つめるポリーの瞳には、明らかな非難の色が見える。
やはり、ポリーはクライヴがあずきに好意を持っていると思っているらしい。
「えー……。だって、信じられないよ。クライヴは王子様でしょう? ないない。ありえない」
「では、アズキ様の方はどうなのですか? 殿下をどうお思いになっているのです?」
「どうって。……豆王国の豆王子」
的確に表現できたと思ったのだが、ポリーは不満らしく、ため息をつかれてしまう。
「そうではありません。私的な殿下です」
「私的と言われても」
「では、殿下のお顔をどう思いますか?」
「顔? ……イケメンね」
それはもう、間違いない。
仮にクライヴが日本に行こうものなら、アイドルでもモデルでも大人気になること請け合いである。
ただ顔がいいだけではなく丁寧な物腰で上品なのだから、女性が食いつかないわけがない。
「イケ?」
「ああ。ええと、美少年ね。かなりの美少年」
「なるほど。つまり、好ましいとお思いなのですね」
「まあ、格好良いわ」
少なくとも、外見に負の要素が見当たらない。
女性が羨むほどの綺麗な瞳に、滑らかな肌、目鼻立ちも整っていて、サラサラの金髪も美しい。
まさに、絵に描いたような美少年である。
「では、性格は」
「え? 優しいわね。色々気を使ってくれるし」
あずきの答えを聞いたポリーは、満足げにうなずく。
「では、アズキ様としては殿下に嫌悪感はなく、どちらかというと好印象……ということで、よろしいですか?」
「まあ、そうなるのかな」
「でしたら、もう少し殿下と親しくしていただいてもよろしいと思います」
親しくって何だろう。
そもそもクライヴと険悪なわけでもないし、普通で問題ないと思うのだが。
「もうじき、豆の聖女が現れた祝いの舞踏会が開かれます。そこで殿下のパートナーになるのは、アズキ様です」
確かに以前、そんな話をクライヴと貴族の男性がしていたし、メイナードも同じようなことを言っていた。
「クライヴが豆の聖女の契約者だから、って話でしょう?」
「もちろん、それもあります。ですが、殿下は今まで特定の相手をパートナーにしたことはありません。一定以上の立場の御令嬢と、順番にダンスのお相手をしたくらいです」
まあ、独身の王子なのだからお近づきになりたいという貴族は多いだろう。
容姿も身分も本人の性格もいいのだから、これ以上ない優良物件と言っていい。
「そうやって、将来のお相手探しをしていたってことでしょう?
「周囲は、そのつもりです。ですが殿下は業務としてそれをこなしていました」
「わからないわよ? 実はいい人がいて、隠しているのかも」
豆の王子の秘めたる恋というやつだ。
秘める必要性が皆無な気もするが、こういうものはロマンなので細かいところを突っ込んではいけない。
「いえ。ご本人にお聞きしましたので、間違いありません」
さすがは乳姉妹と言いたいが、そんなことをあずきにまでバラしてもいいのだろうか。
「……そういうポリーは、どうなの?」
クライヴのことを良く思っているような言い分だったし、乳姉妹として気心も知れているようだ。
ここは淡い恋心のひとつでも吐露されるかもしれない。
だが、あずきのドキドキに反して、ポリーは侍女として見せたことのない、薄笑いを浮かべた。
「私が、殿下をですか? ――ありえませんね」
「そ、そうなの?」
別にクライヴへの告白を聞きたかったわけではないが、好意的な意見が来るものとばかり思っていた。
まさかの完全否定に、驚きを隠せない。
「殿下は美少年です。王家どころか国中でも並ぶ者のいない美少年と言っていいでしょう。ですが、私の好みはもっとガッチリとして、ムキムキで、ゴリッゴリな、年上の男性です」
「ガッチリ」
「ええ。――ガッチリ、ムキムキ、ゴリッゴリです」
謎のキャッチフレーズのような響きが、あずきの脳を占拠していった。
「ですので、殿下はちょっと……いえ。完全に物足りません。圧倒的にゴリゴリ成分が不足しています」
「そ、そうね」
何と返したらいいのかわからず、とりあえず相槌を打つ。
クライヴはあずきを抱っこして王宮内移動できるくらいなので、十分に筋肉はあると思う。
だが線としては細いし、ゴリゴリなど欠片も存在しない。
「アズキ様はどうですか? ガッチリ、ムキムキ、ゴリッゴリ派ですか?」
「た、たぶん違うわ」
「では、殿下は好みですか?」
「そ、そうね。ゴリゴリよりは」
目が据わっているポリーの迫力に押され、声が少し上擦る。
返答に満足したのか、ポリーの表情が和らぐ。
おかげで、あずきはようやく謎の緊張から解放された。
「でしたら、親しくして差し上げてください。舞踏会でパートナーの聖女につれないあしらいをされては、王子の沽券にも関わりますし」
別に嫌そうにするつもりはないのだが、そう言われると少し心配になってくる。
「親しくって、何をするものなの?」
「そうですね。笑顔を向けていただき、殿下のそばから離れずにいていただけると」
「それ、今と何が違うの?」
普通に笑顔くらい出るものだし、どこかに行く時には大抵クライヴが一緒に来てくれているのだが。
「そう言われると、確かに。……といいますか、そんな状態だということ自体が、特別なのです」
「じゃあ、今まで通りでいいってこと?」
「……何か、違う気が。そうですね……恋人のようにしてほしいということです」
「勝手に?」
つれない対応とやらをするつもりはないが、恋人気取りで振舞われたら、クライヴだって困るだろう。
「まあ、そうなのですが。でも、そうではないんです」
「あからさまに嫌がられたら、さすがにショックだから。嫌よ」
「ああ、もう。……どうしたら」
何かに打ちひしがれた様子のポリーが、頭を抱えている。
「それに私、恋人がいたことないから。どうするのが正解か、わからないわ」
「――本当ですか!」
急に元気を取り戻したポリーが、あずきに食らいつく勢いで叫んだ。
「え、うん」
高校生活は部活一色だったし、一年前にササゲが死んでからはとてもそれどころではなかった。
友人にも恋人がいない子は多いが、こうしてあえて伝えるというのは何だか恥ずかしい。
「そうでした。まずは、その確認が先でした。意図せず、最重要情報を入手するとは。運が向いていますね」
何やらブツブツの呟くと、ポリーはあずきに笑みを送る。
「アズキ様。私はここで失礼いたします」
「あ、うん? 待って。結局、どうしたらいいの?」
「仲良くしてください。それでは、失礼いたします」
美しい角度でお辞儀をしたポリーは、豆の籠を抱えて颯爽と立ち去ってしまった。
あとに残されたあずきは暫しの逡巡の後、ソファーから立ち上がる。
「仲良く、って。幼稚園児じゃないんだから。一体どうしろっていうのよ」
そのまま寝室に向かうと、ベッドにゴロリと転がった。
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