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016 郵便
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「荷物届いた。ありがとう。お金まで使わせてしまったね。」
みーたんから電話をした。
「カギはこっちから送るね。」
「捨てて!」
急に大きな声でびっくりした。
「え?いいの?」
よく考えたら、このカギはわざわざみーたんのために新しく作ったコピーのカギ。
「そうだよね、私のものみたいになってるもんね。そのために作ってくれたんだもんね。最後に1つだけ信用してもらえるならば、きちんと捨てておきます。」
なにも言わなかった。
無言時間が過ぎていく。
「じゃあね。ありがとう。本当にありがとう。」
電話の切れた音を、こうちゃんはどんな気持ちで聞いたのだろう。
しばらくしてまた箱が届いた。
開けてみると、こうちゃんの実家に置いてあったものと、学生時代の写真やらなんやら、みーたんが写っているもの全て、みーたんと旅したもの全てであった。
別便で大量の手紙が届いた。
日付を見ると、毎日毎日書き綴っている。
何がいけなかったのか、どうすればいいのか、もう生きられない、という自責の念やら、幸せにねという私への言葉、自分も必ず立ち直るという宣言、この先も遠くから愛し続けるなどなど、毎日毎日、その日の気分で内容は異なる。
また、あの時は渋滞で良かった。もし来ていたら3人とももうこの世にはいない。或いはボクは殺人犯で、みーたんは嘆き苦しんでいただろう、なんてことも書いてあった。
もう人格が崩壊していた。
でももうみーたん自身にはどうすることもできない。
みーたんが破壊したこうちゃんの人格、みーたんの責任なのに何もできないし、何かをする資格もない。最低なことをしてしまったのだから。
みーたんはじぶんで彼を病院に連れていくことはできないから、この手紙を持って心理カウンセラーのところへ行った。
「それは貴女のメンタルも心配です。まずあなたは自責の念から離れてください。元来、恋愛は自由です。婚約と言ってもまだ口約束。取り消すことができる性質のものです。こういうときは法律を頼るという考えもありですよ。」
自分だけ助けられているような気がして複雑だった。
「その上で、この手紙を拝読すると、彼は相当苦しんでいますね。ここに貴女が介入するのは逆効果です。私のところに来てくれたら話は聞いて差し上げたいですが、こればかりは。。。」
この大量の手紙は月に1回送られてきて3ヶ月続いた。
それっきり、パッタリと止んだ。
みーたんから電話をした。
「カギはこっちから送るね。」
「捨てて!」
急に大きな声でびっくりした。
「え?いいの?」
よく考えたら、このカギはわざわざみーたんのために新しく作ったコピーのカギ。
「そうだよね、私のものみたいになってるもんね。そのために作ってくれたんだもんね。最後に1つだけ信用してもらえるならば、きちんと捨てておきます。」
なにも言わなかった。
無言時間が過ぎていく。
「じゃあね。ありがとう。本当にありがとう。」
電話の切れた音を、こうちゃんはどんな気持ちで聞いたのだろう。
しばらくしてまた箱が届いた。
開けてみると、こうちゃんの実家に置いてあったものと、学生時代の写真やらなんやら、みーたんが写っているもの全て、みーたんと旅したもの全てであった。
別便で大量の手紙が届いた。
日付を見ると、毎日毎日書き綴っている。
何がいけなかったのか、どうすればいいのか、もう生きられない、という自責の念やら、幸せにねという私への言葉、自分も必ず立ち直るという宣言、この先も遠くから愛し続けるなどなど、毎日毎日、その日の気分で内容は異なる。
また、あの時は渋滞で良かった。もし来ていたら3人とももうこの世にはいない。或いはボクは殺人犯で、みーたんは嘆き苦しんでいただろう、なんてことも書いてあった。
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