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大切な人
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「リリー、どうしてそんなに悲しそうな顔をしているの?」
物思いに耽っていたリリーは、ウィリスの一言でハッと我に返った。
呪いが解けたウィリスを祝福しなければいけないのに、感情がそのまま顔に出ていたらしい。
「も、申し訳ありませんっ!決して悲しくなど…っ」
不敬とも言われても当然の態度を取ってしまい、リリーは蒼白になった。
慌てて否定すると、ウィリスが寂しげに笑う。
「そうか、リリーは悲しくないのか。…私はこんなに悲しいというのに」
「え……?」
ウィリスの言葉に、リリーは呆然と彼を見上げた。
「呪いが解けたら、もうリリーが一緒に寝てくれないだろう?それがとてもつらく感じるんだ」
「ウィリス様…?」
彼は今、なんと言ったのだろう。
リリーにとって都合のよすぎる内容に、これは夢だとさえ思えた。
「だがリリーはなんとも思わないんだな…それはもっと悲しいよ」
「そ、そんなこと…っ!!」
寂しそうなウィリスを見て、リリーは思わず叫んでいた。
「私も…っ!私も、とても寂しいですっ!もうウィリス様と一緒にいられないなんていや!昔、領地で私を助けてくださったのも、きっとウィリス様だったのでしょう?」
「リリー!」
その刹那、リリーはウィリスの逞しい腕に抱きこまれていた。
筋張った彼の手が、何度もリリーの髪を撫でる。
「やっと思い出してくれたのか。あの日からずっと、私は君のことを忘れたことはなかった。…リリー、これからもずっと、私の隣にいて欲しい」
「……っ」
ウィリスの甘ったるい囁きがリリーの体の芯を震えさせる。
リリーは急に恥ずかしくなって、それに耐えるように目を伏せた。
だが、今言わなくては、大切な大切な彼を失ってしまう。
だからリリーは勇気を出して口を開く。
「はい。ウィリス様の…御心のままに」
この瞬間、リリーは世界でたった一人の大切な人を手に入れたのだった。
物思いに耽っていたリリーは、ウィリスの一言でハッと我に返った。
呪いが解けたウィリスを祝福しなければいけないのに、感情がそのまま顔に出ていたらしい。
「も、申し訳ありませんっ!決して悲しくなど…っ」
不敬とも言われても当然の態度を取ってしまい、リリーは蒼白になった。
慌てて否定すると、ウィリスが寂しげに笑う。
「そうか、リリーは悲しくないのか。…私はこんなに悲しいというのに」
「え……?」
ウィリスの言葉に、リリーは呆然と彼を見上げた。
「呪いが解けたら、もうリリーが一緒に寝てくれないだろう?それがとてもつらく感じるんだ」
「ウィリス様…?」
彼は今、なんと言ったのだろう。
リリーにとって都合のよすぎる内容に、これは夢だとさえ思えた。
「だがリリーはなんとも思わないんだな…それはもっと悲しいよ」
「そ、そんなこと…っ!!」
寂しそうなウィリスを見て、リリーは思わず叫んでいた。
「私も…っ!私も、とても寂しいですっ!もうウィリス様と一緒にいられないなんていや!昔、領地で私を助けてくださったのも、きっとウィリス様だったのでしょう?」
「リリー!」
その刹那、リリーはウィリスの逞しい腕に抱きこまれていた。
筋張った彼の手が、何度もリリーの髪を撫でる。
「やっと思い出してくれたのか。あの日からずっと、私は君のことを忘れたことはなかった。…リリー、これからもずっと、私の隣にいて欲しい」
「……っ」
ウィリスの甘ったるい囁きがリリーの体の芯を震えさせる。
リリーは急に恥ずかしくなって、それに耐えるように目を伏せた。
だが、今言わなくては、大切な大切な彼を失ってしまう。
だからリリーは勇気を出して口を開く。
「はい。ウィリス様の…御心のままに」
この瞬間、リリーは世界でたった一人の大切な人を手に入れたのだった。
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