『家族魔法』によって現れた少女に夫扱いされてる

リオロ

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夫ことレッカ転送されました

治癒の魔法 キースヒーリング

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暗黒物質実食後、胃は粗ぶり、目は開けなくなり、まともに会話できなく、いえ、話はなぜか通じていました。
話が通じる理由は後々知ることとなりました。
「あぁうぅぁーあぁあぁうーあああぁあぁー(胃が苦しい、目が焼ける、鼻が痛い)」
「大丈夫か、レッカ。あのお好み焼きにあれるぎーでもあったのか?貧弱だな」
おそらく、いや、絶対プレアであろう声が聞こえる、耳がようやく戻ってきたようです。
しかし相変らず目は開けそうにない、しみる。
「おぉうー(ふざけないでください)」
「そのアザラシみたいな鳴き声はなんだ、一体なにが原因でそうなっている」
「おあーおぉあうぁー(邪悪料理神、暗黒物質系お好み焼き)」
目が熱い。
焼き鳥屋で七味唐辛子がついた手で目を擦るとこうなる。
鼻が痛い。
わさびをねじ込んだあと塩水をぶち込むとこうなるだろう。
胃が痛い。
邪神召喚の儀式に使う上級魔神ズールを刻んだあと、アナザースライムを擦りおろし、その他くらーけんなどをぶち込んで作られたお好み焼き(邪)を食すとこうなった。
ちなみにこの知識はお好み焼き(邪)を口に入れた直後、直接脳内に流れ込んできた。
「おい、本当に大丈夫か……?さすがに心配だぞ」
「あああぁあぅあぅあー?(ならなぜ食べさせたんですか?)」
「なぜ食べさせたんだって……こんなことになると思わなかったのだ、プレア様が食べたときは身体が火照るくらいだったし」
「おぁうおぉおあぁあぁあんお(ほてるどころじゃありませんよ)」
「ホテルか、こんな状況でもスケベな心は健在だな」
「あぁうおえあおえ(早くこれ治してください)」
「そんな状況でも殺気が……しかも魔力滲み出てて凶悪になってしまっている!? お好み焼きの所為で魔力が!? 仕方ない……これは必要事項だから、その、プレア様……じゃない、私もファーストだ。許せ」
「あい?あんおぉおおだ(はい?なんのことを)」
ゆっくりとなにかがこちらに近づいてくるのがわかる。
それは私の顔すぐそばまでに来ており甘く少し弱々しい吐息がかかった。
「ほう、私の素晴らしい生命の息吹を感じリラックスしたか。でも……これはしないと魔法の条件が足りないからな」
「んんー!?」
それは優しく、私の口に触れた、激痛に見舞われていた鼻が機能を取り戻す。とても落ち着く香りだ。
5秒ほどして惜しむように口からそれは離れた。
「こ、ここれでレッカの身体の異常は治るぞ……。その、プレア様がしてあげたのだ、感謝しろ」
なにをしたか知りませんが分からないが治るのであればありがたい。
胃は相変らず痛くて死にそうだ。
「治癒魔法 キースヒーリング」
プレアが多分、魔法を唱えたのだろう。
身体の中で暴れまわっていたお好み焼き(邪)の感覚は消え、目の痛みもなくなった。
「アぁ……ようやく治りましたね、床に寝てたんですか、私。それよりどうしてそんなに顔紅いんですか?ゆでダコみたいで滑稽ですよ」
「どうしてって……それはプレア様、私がレッカ、貴様にだな…………あれはノーカンだ、儀式的なものであって信愛関係の証ではないからな」
「いやなんのことをですか……?」
「知らないならそれでいいさ。明日は激しいぞ?早めに寝ておけ」
ちらりとスマイルフォン(以降スマフォと称す)で時間を確かめる。
午前3時。
駄目だ、なぜか眠くなる気がしない。
「プレア、あなたの殺人りょう……り、って寝てるし」
さきほどまでエラそうに早めに寝とけとか言っていたが、こんなすぐ寝れるのか。
スヤスヤと愛らしい寝息を立て、子供のような肢体を時々動かしながら目を閉じ幸せそうに熟睡していた。
黙って大人しくしていればこんなに愛らしい者なのかと実感させられる瞬間である。
ただし黙っていれば、である。
「うむにゃぁ……レッカょ……足を、なめりょ……」
寝言でもこういうことをいうのは無いと思う。
ちなみに私はMではない。
……プレアを眺めていると眠くなってきた。
ベットに運んであげるのが一番良い行動なのだが、あかんこれ。
寝よ。
………………。
「おい!レッカ!レッカ!」
「なんですか……」
「なんですか……じゃないぞ! なぜ、き、き貴様! プレア様の上に乗っかっている! まさかと思うがプレ、私が寝ている間にその……」
「その、の後なんて言ったんですか?ゴニョゴニョ言ってて伝わらないです。まぁ言いたいことは予想できますがね、してませんよ。はい。寝相悪いんですよ、私。それに床みたいな体系ですもんね、どこがとは言いませんが」
「な、失礼な!Bはあるぞ!」
顔と体系に嘘って書いてあります。
でも大きいのって肩凝るらしいですよ、メリットデメリットがあるのです。
「別に無いのが悪いとは言ってないですよ、無いほうが好きな人だっていますよ」
「だれだ、それは……」
「画像みたのですから知ってるでしょう?」
プレアは思い出したのか顔を真っ赤にし幼い肢体をモゾつかせる。
そして私に指を差し声高らかに尋ねた。
「おまえ、レッカはプレア様のこと好きか!?」
私は頭の中ですでに考えていた答えを一字一句間違えず読み上げた。
「好きです。外見はタイプです。しかし性格、偉そうで他人を引きずり込むようなの、どうにかならないですか?」

「ならんな! これがなくなってはプレア様ではなくなってしまう! あれだ、酢豚にパイナップルがなくなるような感じだ」


「それ、いらなくないですか?」
こうして私ことレッカは外見少女のプレアが巻き起こす波乱万丈に巻き込まれていくのです。
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