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20話アイトさん、邪魔者が来たようですよ
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僕たちが頂上に着いたのは、中間地点から出発して約3時間後のことであった。
頂上と言っても、それは整備された道のことであり、樹自体はさらに上まで伸びている。
それでもとんでもない高さだ。すぐ真上に厚く暗い雲が垂れ込めている。こんなに雲を近くで見たのは初めてだった。
雲を眺めていると、何やら巨大な影らしきモノが蠢いているように見えた。
もっと目を凝らして見ようとしたところで、ナナさんから声を掛けられた。
「おぉー、アイトさん見てください! さすがの眺めですねー」
そこからの眺めは想像以上だった。
下の廃墟どころかそのさらに先の海まで遠く見渡せる。
よく見ると、海の先に別の陸地も見える。
「すごいや! 本当に世界は広いんだね! いつかあの海の先にも行ってみたいよ」
そう言ってナナさんの方を見てみると、彼女は大きくため息を吐いた。
「……せっかく景色を楽しんでいたというのに、無粋な羽虫どもが集まって来ましたね」
「え?」
ナナさんが周囲を睨みつける。
それにつられて周りを見ると、驚いたことに黒い服を見に纏った者たちが僕たちを取り囲んでいた。
「ナナさん、この人たちって前に言っていた――?」
「そうです。こいつら卑怯にも木を足で登らずに魔術を使ってズルしたんですよ」
ナナさんは咎めるように言うが、自分も数時間前に魔術を使って登ろうとしたではないか。
もちろん、彼女にそんなツッコミを入れるつもりはないが。
「ふん、わらわたちに用があるようだが……雑魚どもじゃ話を聞く気にもならないぞ」
ナナさんの威圧的な様子に黒衣の男たちは後退りした。
「これは失礼した」
男たちの背後から女性の声が聞こえた。
ゆっくりとした歩調で僕らに歩み寄ってくる女性は、他の者たちと同じく黒衣を身に纏っている。
漆黒の黒髪が腰まで伸びている。それに対して肌は色白だ。
様子を見るに、彼女がこの魔術師集団のリーダーらしい。
「私は魔導技士団第四部隊の隊長イルヴァーナだ」
魔導技士だって?
僕はイルヴァーナという女性の言葉に驚いた。
この王国で知らない者はいないであろう優秀な魔術師たちの組織……
そんなすごい人たちが目の前にいると思うと、思わず足がすくんでしまう。しかし、ナナさんを見ると全く物怖じしていないどころか、彼らに虫けらを見るような視線を向けている。
「で?」
ナナさんは威圧するような声音で言う。
「ふふ、そう警戒しないでくれ。まずは君たちにお詫びをしたくてね」
「お詫び?」
イルヴァーナの横に別の男が現れた。
それはクエスト屋で僕とナナさんに話しかけてきた男だった。
「彼が君たちに不愉快な思いをさせてしまった聞いたのでね」
彼女の言葉を受けて、男は僕らに頭を下げた。
「この前の無礼、申し訳ありませんでした」
突然の謝罪に僕は戸惑った。一方ナナさんは当然とばかりに頷いている。
「跪いて頭を垂れるべきところだが、今回は見逃してやる。さっさと消えろ」
するとイルヴァーナは困ったように笑みを浮かべる。
「ここまで会いに来た私たちにもう立ち去れというのかい? もう少し話をしようじゃないか」
ナナさんはイライラしたように首を振る。
「見逃してやると言っている。それとも少し痛い目に遭わないとわからないか?」
「ちょ、ナナさん!」
周囲の空気がピリピリしているのを感じる。
イルヴァーナは表面上は友好的だが、他の魔術師たちは張り詰めている。
「あの、話ってなんでしょうか?」
ナナさんがさらに何か言う前に僕はイルヴァーナに尋ねた。
「もちろんあの湖で起きた事を詳しく話して欲しいんだ。君たちは知っているだろうが、伝説の存在だった水の妖精が姿を現した」
僕は頷いた。
「それに呼応するように、王国の魔術師たちの魔力が増加している。もちろん私たちもね」
「え!?」
それは初耳だぞ。
僕はナナさんの方に目を向けた。彼女も肩を竦めている。
「すいません、イルヴァーナさん。僕たちも正直なところよくわからないんです」
僕は正直に答えた。
しかし、イルヴァーナは納得していないようだ。
「そこの彼女はウンディーネたちの女王になったのだろう?」
半ば、いや、完全に強引にだったけど。
「それはそうですけど――」
「それに彼女は魔神なのだろう?」
イルヴァーナの言葉に僕は言葉が詰まった。
今彼女はなんと言った?
ナナさんが魔神であることを知っている者が僕以外にもいるとは思わなかった。
「ふん、わらわが魔神であると知っていて、その舐めた態度か」
ナナさんはズイッとイルヴァーナに近寄った。
身長はイルヴァーナの方が高いのでナナさんは見上げる形になっているが、威圧感は凄まじいモノがあった。周りの魔術師たちの中にはさらに後退りしている者もいた。
「うん、少し痛い目に遭っとこうか!」
ナナさんは軽くパチンと指を鳴らした。
その瞬間、僕とナナさん以外の人たちがバタバタと倒れていった。
「ナナさんまさか――」
「あぁ、大丈夫ですよ。気絶させただけですから…あら?」
ナナさんは首を傾げる。
その視線の先にはイルヴァーナがいた。膝を付いているが、気を失ってはいない。そして黒い大きな剣を身を庇うようにして構えている。
「それは……魔剣か?」
ナナさんは訝し気な顔をしている。
「さすがだよ、ナナシュテンナンダールナターシアンナナナ」
イルヴァーナがゆっくり立ち上がりながら言った。
「どうしてナナさんの本名を?」
ていうか、よくそんなスラスラとナナさんの本名を言えることにも驚きだ。
「魔神と契約している者は君だけだけではないということさ」
イルヴァーナは不敵な笑みを浮かべている。
「やっぱりね……隠れてないで出てきなさいよ!」
ナナさんが虚空を睨み付けながら言った。
すると、イルヴァーナの斜め上の空間が歪みはじめ、その中から長い金髪の女の子が姿を現した。年齢はナナさんと同じくらいだが、その身にまとっているフリフリのレースが付いた黒い服によって幼く見える。
「オホホ! まさかあなたみたいな品のない野蛮者を開放するモノ好きがいるだなんて思いませんでしたわ、ナナ」
「相変わらずいけ好かない女だな」
ナナさんは金髪の女の子を睨み付けている。
「紹介しよう」
イルヴァーナは女の子を手で示す。
「私のパートナーである魔神、シシルシファルシアーネスランだ」
頂上と言っても、それは整備された道のことであり、樹自体はさらに上まで伸びている。
それでもとんでもない高さだ。すぐ真上に厚く暗い雲が垂れ込めている。こんなに雲を近くで見たのは初めてだった。
雲を眺めていると、何やら巨大な影らしきモノが蠢いているように見えた。
もっと目を凝らして見ようとしたところで、ナナさんから声を掛けられた。
「おぉー、アイトさん見てください! さすがの眺めですねー」
そこからの眺めは想像以上だった。
下の廃墟どころかそのさらに先の海まで遠く見渡せる。
よく見ると、海の先に別の陸地も見える。
「すごいや! 本当に世界は広いんだね! いつかあの海の先にも行ってみたいよ」
そう言ってナナさんの方を見てみると、彼女は大きくため息を吐いた。
「……せっかく景色を楽しんでいたというのに、無粋な羽虫どもが集まって来ましたね」
「え?」
ナナさんが周囲を睨みつける。
それにつられて周りを見ると、驚いたことに黒い服を見に纏った者たちが僕たちを取り囲んでいた。
「ナナさん、この人たちって前に言っていた――?」
「そうです。こいつら卑怯にも木を足で登らずに魔術を使ってズルしたんですよ」
ナナさんは咎めるように言うが、自分も数時間前に魔術を使って登ろうとしたではないか。
もちろん、彼女にそんなツッコミを入れるつもりはないが。
「ふん、わらわたちに用があるようだが……雑魚どもじゃ話を聞く気にもならないぞ」
ナナさんの威圧的な様子に黒衣の男たちは後退りした。
「これは失礼した」
男たちの背後から女性の声が聞こえた。
ゆっくりとした歩調で僕らに歩み寄ってくる女性は、他の者たちと同じく黒衣を身に纏っている。
漆黒の黒髪が腰まで伸びている。それに対して肌は色白だ。
様子を見るに、彼女がこの魔術師集団のリーダーらしい。
「私は魔導技士団第四部隊の隊長イルヴァーナだ」
魔導技士だって?
僕はイルヴァーナという女性の言葉に驚いた。
この王国で知らない者はいないであろう優秀な魔術師たちの組織……
そんなすごい人たちが目の前にいると思うと、思わず足がすくんでしまう。しかし、ナナさんを見ると全く物怖じしていないどころか、彼らに虫けらを見るような視線を向けている。
「で?」
ナナさんは威圧するような声音で言う。
「ふふ、そう警戒しないでくれ。まずは君たちにお詫びをしたくてね」
「お詫び?」
イルヴァーナの横に別の男が現れた。
それはクエスト屋で僕とナナさんに話しかけてきた男だった。
「彼が君たちに不愉快な思いをさせてしまった聞いたのでね」
彼女の言葉を受けて、男は僕らに頭を下げた。
「この前の無礼、申し訳ありませんでした」
突然の謝罪に僕は戸惑った。一方ナナさんは当然とばかりに頷いている。
「跪いて頭を垂れるべきところだが、今回は見逃してやる。さっさと消えろ」
するとイルヴァーナは困ったように笑みを浮かべる。
「ここまで会いに来た私たちにもう立ち去れというのかい? もう少し話をしようじゃないか」
ナナさんはイライラしたように首を振る。
「見逃してやると言っている。それとも少し痛い目に遭わないとわからないか?」
「ちょ、ナナさん!」
周囲の空気がピリピリしているのを感じる。
イルヴァーナは表面上は友好的だが、他の魔術師たちは張り詰めている。
「あの、話ってなんでしょうか?」
ナナさんがさらに何か言う前に僕はイルヴァーナに尋ねた。
「もちろんあの湖で起きた事を詳しく話して欲しいんだ。君たちは知っているだろうが、伝説の存在だった水の妖精が姿を現した」
僕は頷いた。
「それに呼応するように、王国の魔術師たちの魔力が増加している。もちろん私たちもね」
「え!?」
それは初耳だぞ。
僕はナナさんの方に目を向けた。彼女も肩を竦めている。
「すいません、イルヴァーナさん。僕たちも正直なところよくわからないんです」
僕は正直に答えた。
しかし、イルヴァーナは納得していないようだ。
「そこの彼女はウンディーネたちの女王になったのだろう?」
半ば、いや、完全に強引にだったけど。
「それはそうですけど――」
「それに彼女は魔神なのだろう?」
イルヴァーナの言葉に僕は言葉が詰まった。
今彼女はなんと言った?
ナナさんが魔神であることを知っている者が僕以外にもいるとは思わなかった。
「ふん、わらわが魔神であると知っていて、その舐めた態度か」
ナナさんはズイッとイルヴァーナに近寄った。
身長はイルヴァーナの方が高いのでナナさんは見上げる形になっているが、威圧感は凄まじいモノがあった。周りの魔術師たちの中にはさらに後退りしている者もいた。
「うん、少し痛い目に遭っとこうか!」
ナナさんは軽くパチンと指を鳴らした。
その瞬間、僕とナナさん以外の人たちがバタバタと倒れていった。
「ナナさんまさか――」
「あぁ、大丈夫ですよ。気絶させただけですから…あら?」
ナナさんは首を傾げる。
その視線の先にはイルヴァーナがいた。膝を付いているが、気を失ってはいない。そして黒い大きな剣を身を庇うようにして構えている。
「それは……魔剣か?」
ナナさんは訝し気な顔をしている。
「さすがだよ、ナナシュテンナンダールナターシアンナナナ」
イルヴァーナがゆっくり立ち上がりながら言った。
「どうしてナナさんの本名を?」
ていうか、よくそんなスラスラとナナさんの本名を言えることにも驚きだ。
「魔神と契約している者は君だけだけではないということさ」
イルヴァーナは不敵な笑みを浮かべている。
「やっぱりね……隠れてないで出てきなさいよ!」
ナナさんが虚空を睨み付けながら言った。
すると、イルヴァーナの斜め上の空間が歪みはじめ、その中から長い金髪の女の子が姿を現した。年齢はナナさんと同じくらいだが、その身にまとっているフリフリのレースが付いた黒い服によって幼く見える。
「オホホ! まさかあなたみたいな品のない野蛮者を開放するモノ好きがいるだなんて思いませんでしたわ、ナナ」
「相変わらずいけ好かない女だな」
ナナさんは金髪の女の子を睨み付けている。
「紹介しよう」
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