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41話 アイトさん、わらわの元の種族は……
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一体何が起きたんだ!?
百年王を肉片にした光の網は見渡す限りどこまでも続いている。
これは魔術なのだろうか?
だとしたら、一体誰が?
何にしろ、ナナさんが注意してくれなかったら僕も同じく肉片になるところだった。
「アイトー、大丈夫ー?」
落下する僕をミミが風の魔術で受け止めてくれた。
「君も無茶をするなぁ」
再びボンネットの上に降り立った僕に、イルヴァーナは呆れたように言う。
「イルヴァーナさん、あの光の網は魔術だったんでしょうか?」
上を見ると光の網はいつの間にか消え去っていた。
「わからないな。少なくとも私はあんな魔術は見たことないよ」
そして後ろを見やる。
「彼女たちなら心当たりがあるんじゃないかな?」
ナナさんとシシーが見交わしあっている。
少なくともナナさんはあの光の網のことを知っているはずだ。でないと僕に注意なんてできないだろうし。
百年王が死んだことで天気も穏やかになっていく。
飛行船は浮遊島に着陸した。
すると避難していた鳥人たちが集まって来る。
「皆さま方、百年王を倒されたのですね」
鳥人の長は朗らかな調子で言う。
「はい。これでシルフの封印も解かれるでしょう」
「既にシルフ様方の風を感じておりまする」
確かに暖かく心地よい風を肌に感じる。
これがシルフの風なのか。
すると、僕らの周りに半透明の女性たちが風に乗って泳いでいるのが見えた。
その姿や雰囲気はどことなくミミに似ている気がする。
「よーし、シルフども! 百年王を倒してキサマらの封印を解いたのはコチラらのアイトさんだぞ!」
ナナさんが恭しく僕のことを示す。
「よって、アイトさんをシルフの王にするのだ! 異論があれば殺す!!」
ナナさんの無茶振りにシルフたちは顔を見合わせる。
「申し訳ありません。私たちには既に女王様がおられます」
「よし、殺す!」
「ダメだよナナさん!」
今にもシルフに襲い掛かろうとするナナさんを僕が抑える。
「女王とは誰なんだい?」
イルヴァーナが尋ねる。
するとシルフたちは一斉にミミの方に向かって頭を下げる。
「ミミ女王様です」
「うぃ?」
当のミミはポカンとしている。
「ミミって女王だったのー?」
ミミが僕らに尋ねて来るが誰も肩を竦めるだけだ。
「うーん、困ったなぁー。ミミはもうサラマンダーの大臣だもんなー」
ミミは難しい顔をして考える。
「両立はむずかしそうだからー。アイトーが女王でいいよー」
「女王じゃなくて王様ね、ミミ。てなわけでアイトさんが王様ってことでいいですね?」
と、言われても僕は王なんてなるつもりはない。
「僕はいいよ。ナナさんに譲ります」
「えぇー、いいんですかー? じゃあ、アイト王様の命によりこのナナが女王に就任します!」
シルフたちから拍手が起こる。その度に心地良い風が吹く。
「一体何なのコレは!?」
シシーが誰ともなしに問いかけるが、誰も答えられる者はいなかった。
◆
それから僕らは王都に帰る準備に入った。
その時に僕とイルヴァーナはナナさんとシシーにあの光の網について尋ねてみた。
「あれは天使が施している結界みたいなモノです」
ナナさんが説明してくれた。
「じゃあ、あの上に天使たちがいるってこと?」
「まぁ、そうですね」
てことは、天使たちは地上の人間たちが攻めてくることを警戒しているのだろうか?
「……ねぇ、ナナ。いつまでも隠せることじゃないですわ」
シシーが促すように言う。
「言われなくてもわかってるし。どうせこのまま帰ればイースのクソ野郎が言いふらすだろうし」
ナナさんはため息を吐きながら僕らに視線を向ける。
「魔神には元の種族があるとイースは言っていましたよね?」
僕は頷いた。
イースは元人間、ニニはモンスター。ミミは妖精でシシーは亜人だ。
その中でナナさんだけはまだ教えてもらっていなかった。
「わらわの元の種族は天使です」
そしてナナさんは空を指差す。
「わらわはあのレーザー・ネットの向こう側からこっちに来たんですよ」
ナナさんが、天使だった?
百年王や千年王を使ってこの国を縛り付けている張本人たち。
僕らにとっての敵。
そうだったのか。
だからナナさんは自分の元種族をあまり言いたくなかったのか?
でも、だとしても……
「少し嫌いになっちゃいました?」
ナナさんの問いかけに僕は首を振る。
「ううん。ナナさんが何者だったとしても、ずっと一緒にいたいっていう気持ちは決して変わらないよ」
僕の正直な気持ちを伝えた。
すると彼女はクルリと背を向けて走り去ってしまった。
「え? ナナさん!?」
「大丈夫です。柄にもなく照れてるんでしょう」
慌てる僕にシシーがニヤニヤしながら言う。
そう言われると僕まで何だか恥ずかしくなってきた。
百年王を肉片にした光の網は見渡す限りどこまでも続いている。
これは魔術なのだろうか?
だとしたら、一体誰が?
何にしろ、ナナさんが注意してくれなかったら僕も同じく肉片になるところだった。
「アイトー、大丈夫ー?」
落下する僕をミミが風の魔術で受け止めてくれた。
「君も無茶をするなぁ」
再びボンネットの上に降り立った僕に、イルヴァーナは呆れたように言う。
「イルヴァーナさん、あの光の網は魔術だったんでしょうか?」
上を見ると光の網はいつの間にか消え去っていた。
「わからないな。少なくとも私はあんな魔術は見たことないよ」
そして後ろを見やる。
「彼女たちなら心当たりがあるんじゃないかな?」
ナナさんとシシーが見交わしあっている。
少なくともナナさんはあの光の網のことを知っているはずだ。でないと僕に注意なんてできないだろうし。
百年王が死んだことで天気も穏やかになっていく。
飛行船は浮遊島に着陸した。
すると避難していた鳥人たちが集まって来る。
「皆さま方、百年王を倒されたのですね」
鳥人の長は朗らかな調子で言う。
「はい。これでシルフの封印も解かれるでしょう」
「既にシルフ様方の風を感じておりまする」
確かに暖かく心地よい風を肌に感じる。
これがシルフの風なのか。
すると、僕らの周りに半透明の女性たちが風に乗って泳いでいるのが見えた。
その姿や雰囲気はどことなくミミに似ている気がする。
「よーし、シルフども! 百年王を倒してキサマらの封印を解いたのはコチラらのアイトさんだぞ!」
ナナさんが恭しく僕のことを示す。
「よって、アイトさんをシルフの王にするのだ! 異論があれば殺す!!」
ナナさんの無茶振りにシルフたちは顔を見合わせる。
「申し訳ありません。私たちには既に女王様がおられます」
「よし、殺す!」
「ダメだよナナさん!」
今にもシルフに襲い掛かろうとするナナさんを僕が抑える。
「女王とは誰なんだい?」
イルヴァーナが尋ねる。
するとシルフたちは一斉にミミの方に向かって頭を下げる。
「ミミ女王様です」
「うぃ?」
当のミミはポカンとしている。
「ミミって女王だったのー?」
ミミが僕らに尋ねて来るが誰も肩を竦めるだけだ。
「うーん、困ったなぁー。ミミはもうサラマンダーの大臣だもんなー」
ミミは難しい顔をして考える。
「両立はむずかしそうだからー。アイトーが女王でいいよー」
「女王じゃなくて王様ね、ミミ。てなわけでアイトさんが王様ってことでいいですね?」
と、言われても僕は王なんてなるつもりはない。
「僕はいいよ。ナナさんに譲ります」
「えぇー、いいんですかー? じゃあ、アイト王様の命によりこのナナが女王に就任します!」
シルフたちから拍手が起こる。その度に心地良い風が吹く。
「一体何なのコレは!?」
シシーが誰ともなしに問いかけるが、誰も答えられる者はいなかった。
◆
それから僕らは王都に帰る準備に入った。
その時に僕とイルヴァーナはナナさんとシシーにあの光の網について尋ねてみた。
「あれは天使が施している結界みたいなモノです」
ナナさんが説明してくれた。
「じゃあ、あの上に天使たちがいるってこと?」
「まぁ、そうですね」
てことは、天使たちは地上の人間たちが攻めてくることを警戒しているのだろうか?
「……ねぇ、ナナ。いつまでも隠せることじゃないですわ」
シシーが促すように言う。
「言われなくてもわかってるし。どうせこのまま帰ればイースのクソ野郎が言いふらすだろうし」
ナナさんはため息を吐きながら僕らに視線を向ける。
「魔神には元の種族があるとイースは言っていましたよね?」
僕は頷いた。
イースは元人間、ニニはモンスター。ミミは妖精でシシーは亜人だ。
その中でナナさんだけはまだ教えてもらっていなかった。
「わらわの元の種族は天使です」
そしてナナさんは空を指差す。
「わらわはあのレーザー・ネットの向こう側からこっちに来たんですよ」
ナナさんが、天使だった?
百年王や千年王を使ってこの国を縛り付けている張本人たち。
僕らにとっての敵。
そうだったのか。
だからナナさんは自分の元種族をあまり言いたくなかったのか?
でも、だとしても……
「少し嫌いになっちゃいました?」
ナナさんの問いかけに僕は首を振る。
「ううん。ナナさんが何者だったとしても、ずっと一緒にいたいっていう気持ちは決して変わらないよ」
僕の正直な気持ちを伝えた。
すると彼女はクルリと背を向けて走り去ってしまった。
「え? ナナさん!?」
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そう言われると僕まで何だか恥ずかしくなってきた。
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