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42話 アイトさん、王宮の見学に行ってきますね!
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僕らは浮遊島から王都に戻ってきた。行く時は二日程かかっていたのに、帰りは一日もかからず帰り着くことができた。
その理由は、ナナさんが浮遊島にいるシルフたちの半分を一緒に連れて帰った為だ。シルフの風によってかなりの速度が出せていた。
シルフ以外の三種の妖精たちにも王都に集うよう命令を出したらしい。
ナナさん曰く、妖精たちがいるのといないのとじゃ魔術の質が異なるらしい。
千年王戦に備えてのことだろう。
王宮に戻ると、イースの姿はなかった。代わりにイルヴァーナの部下たちが出迎えた。
「イシュー王子はどこにおられる?」
「王子は今、オーロラ平原におられます。そこで王国中の魔術師や兵士、冒険者たちを集合させています」
イルヴァーナの部下が言うには、イースは千年王との戦いのことを発表し、召集をかけたらしい。
「千年王はオーロラ平原にいるのか?」
イルヴァーナの問いかけにシシーが頷く。
「あのオーロラ平原は国内で最も魔力が溜まりやすい場所なの。だから天使たちはそこに千年王を配置したのですわ」
ナナさんはウンザリしたように首を振る。
「ちょっと! そんな話はどうでもいいわ!こっちは旅から帰ったばかりなんだから休ませろっての! アイトさんが過労で倒れたらどうするつもりだ?」
するとイルヴァーナの部下は少しビビった様子で後退りする。
「あ、はい。イシュー王子からみなさんにはお休みしていただくよう指示を受けております」
「当然だ!」
ナナさんが腕を組んで頷いている。
というわけで、僕らはその日、王宮で休息を取ることになった。
僕は割り振られた部屋で窓の外をぼんやり眺めていた。
ちなみにナナさんは今、王宮の見学に出掛けている。
ただ、その目がやたらとキラキラと輝いていたことから、保管されている宝物などを強奪するつもりじゃないかと密かに僕は心配している。
窓の外では、王都の上空を魔術師達が慌ただしく飛び交っている。
みんなオーロラ平原に向かっているのだろう。
これからこの国最大規模の戦いが行われようとしている。まだ千年王は目覚めていないそうだが、どうにも落ち着かなかった。
僕は懐から古びた羽ペンを取り出した。
これは浮遊島を出発する直前に鳥人の長から感謝の印として貰ったモノだ。
なんでも、一族に古くから伝わる代物らしい。そんな大切なモノを貰うのは気が引けたが、ぜひ貰って欲しいと真剣な顔つきで言われていた。
正直なところ特に貴重なモノにも思えないが、羽ペンに刻まれた元の持ち主の名前には驚いた。
アルゴン・クリプトン。
その名前を僕は行く先々で目にしているように思う。
僕らは知らないうちにアルゴン・クリプトンの軌跡を辿っていたのかもしれない。
ふと視界の隅に黒い影が走る。
すると、僕の肩にミミの解放者である黒猫が飛び乗ってきた。
いつの間にか僕の部屋に入ってきていたらしい。
彼はやたらと羽ペンに足を伸ばしている。
「これが気に入ったのかい?」
そう問いかけると、黒猫は一声鳴いて羽ペンに飛びかかった。
「あ!」
僕は驚いて羽ペンを落としてしまった。その衝撃でペン先が外れてしまった。
「あらら、取れちゃったよ」
羽ペンの持ち手部分を持ち上げると、ポロっと何かが落ちてきた。
「これは……」
細長く尖ったソレは方位コンパスの針に見える。
羽ペンの中に隠されていたらしい。
なんでこんなモノが?
黒猫はそんな僕をジッと見つめていたが、プイッとそっぽを向いて部屋の外へと出て行ってしまった。
なんとも気まぐれな猫だ。
その理由は、ナナさんが浮遊島にいるシルフたちの半分を一緒に連れて帰った為だ。シルフの風によってかなりの速度が出せていた。
シルフ以外の三種の妖精たちにも王都に集うよう命令を出したらしい。
ナナさん曰く、妖精たちがいるのといないのとじゃ魔術の質が異なるらしい。
千年王戦に備えてのことだろう。
王宮に戻ると、イースの姿はなかった。代わりにイルヴァーナの部下たちが出迎えた。
「イシュー王子はどこにおられる?」
「王子は今、オーロラ平原におられます。そこで王国中の魔術師や兵士、冒険者たちを集合させています」
イルヴァーナの部下が言うには、イースは千年王との戦いのことを発表し、召集をかけたらしい。
「千年王はオーロラ平原にいるのか?」
イルヴァーナの問いかけにシシーが頷く。
「あのオーロラ平原は国内で最も魔力が溜まりやすい場所なの。だから天使たちはそこに千年王を配置したのですわ」
ナナさんはウンザリしたように首を振る。
「ちょっと! そんな話はどうでもいいわ!こっちは旅から帰ったばかりなんだから休ませろっての! アイトさんが過労で倒れたらどうするつもりだ?」
するとイルヴァーナの部下は少しビビった様子で後退りする。
「あ、はい。イシュー王子からみなさんにはお休みしていただくよう指示を受けております」
「当然だ!」
ナナさんが腕を組んで頷いている。
というわけで、僕らはその日、王宮で休息を取ることになった。
僕は割り振られた部屋で窓の外をぼんやり眺めていた。
ちなみにナナさんは今、王宮の見学に出掛けている。
ただ、その目がやたらとキラキラと輝いていたことから、保管されている宝物などを強奪するつもりじゃないかと密かに僕は心配している。
窓の外では、王都の上空を魔術師達が慌ただしく飛び交っている。
みんなオーロラ平原に向かっているのだろう。
これからこの国最大規模の戦いが行われようとしている。まだ千年王は目覚めていないそうだが、どうにも落ち着かなかった。
僕は懐から古びた羽ペンを取り出した。
これは浮遊島を出発する直前に鳥人の長から感謝の印として貰ったモノだ。
なんでも、一族に古くから伝わる代物らしい。そんな大切なモノを貰うのは気が引けたが、ぜひ貰って欲しいと真剣な顔つきで言われていた。
正直なところ特に貴重なモノにも思えないが、羽ペンに刻まれた元の持ち主の名前には驚いた。
アルゴン・クリプトン。
その名前を僕は行く先々で目にしているように思う。
僕らは知らないうちにアルゴン・クリプトンの軌跡を辿っていたのかもしれない。
ふと視界の隅に黒い影が走る。
すると、僕の肩にミミの解放者である黒猫が飛び乗ってきた。
いつの間にか僕の部屋に入ってきていたらしい。
彼はやたらと羽ペンに足を伸ばしている。
「これが気に入ったのかい?」
そう問いかけると、黒猫は一声鳴いて羽ペンに飛びかかった。
「あ!」
僕は驚いて羽ペンを落としてしまった。その衝撃でペン先が外れてしまった。
「あらら、取れちゃったよ」
羽ペンの持ち手部分を持ち上げると、ポロっと何かが落ちてきた。
「これは……」
細長く尖ったソレは方位コンパスの針に見える。
羽ペンの中に隠されていたらしい。
なんでこんなモノが?
黒猫はそんな僕をジッと見つめていたが、プイッとそっぽを向いて部屋の外へと出て行ってしまった。
なんとも気まぐれな猫だ。
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