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49話 アイトさん、あれは人工太陽ですよ
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ドックに向かう天使たちのシャトルがやって来た。それはナナさんが呼び出したモノと形状が似ている。しかし、異なるところもあった。それには光の翼のようなモノが生えているのだ。
「あれに乗ってドックの中に入りましょう」
僕らは体に空気を纏わせて、さらに遮蔽の魔術を施す。そしてドックに向かうシャトルに飛び乗った。
「この天使のシャトル、どこに行っていたんだろう?」
「他の大陸とかですかね。少なくともわらわがいた時には他の王国とは交流がありましたね。資源を調達しなければなりませんでしたし」
「そうなの?」
意外だ。
それならどうして天使たちはアナフィリア王国を敵対視するのだろう?
「アナフィリア王国は魔力に溢れている。天使たちは魔力の存在を脅威に感じているのかもしれないね」
イースが僕の疑問に答える。
「このまま争い合うばかりなんでしょうか?」
「そうとも。和解できないかと考えているのかい? 無駄だよ。ヤツらは千年以上考えを改めていないんだから。それより千年王を倒すことに集中しなくてはね」
イースの言葉に頷きながらも僕は漠然と不安を感じていた。
◆
ドックに入り切ったところで僕らはシャトルから飛び降りた。
遮蔽の魔術が上手く機能しているおかげで誰にも見つからない。
僕が驚いたのは、そのドック内にいる天使たちの姿だ。
僕ら人間と変わらない姿をしているのだ。彼らが地上にいたとしても天使だとは気づかないだろう。
ナナさんが無言で指差す。その方向に通路があった。
僕たちはナナさんに従って通路を進み続けた。そして薄暗い通路の先に光が見えてくる。
この先、何が待っているかわからない。
僕はいつでもボックスディメンションから魔剣を取り出せる準備をしながら光の中に進み出た。
「え!?」
僕は自分の目を疑った。
太陽に照らされて、綺麗に刈りそろえられた芝生が広がっている。
その上を子供たちとその母親らしき女性が歩いている。
どうやらドックの外には出たらしいのだが……
「ここはっ!?」
「たぶん公園ですね。わらわがいた時は工場だったんですけど」
ナナさんは説明してくれるが、僕が気になっているのはそこじゃない。
「なんで太陽が!?」
「人工太陽ですね。わらわがいた時よりも自然なモノになっていますね」
人工の、太陽?
ちょっと僕の想像を越えすぎていて思考が追いつかない。
「それで、千年王を管理している場所はどこにあるんだい?」
「地上監視センターってとこだろう。わらわもそこに連れて行かれていたからな」
「じゃあ、さっさと行こう。こうしている間にも千年王は強くなり続けているからね」
そうだ。今この瞬間にもイルヴァーナや亜人王たちは僕らを信じて戦ってくれている。
早く千年王のエネルギー源を破壊しないと。
僕は楽しそうに芝生を歩いている親子から目を逸らした。
公園を抜けるとそこには見たこともない景色が広がっていた。
地面は土や石畳とも違う、よくわからない素材で覆われている。そして周りに建っている建物は王宮よりも遥かに高く大きい。窓がたくさんあることから何十階もありそうだ。
その建物の間を様々な形の車が飛び交っている。
ナナさんが呼び出したキャンピングカーにも驚かされたけど、コチラらの方がより凄い。
「ふーん、空飛ぶ自動車が実現しているんですねー。わらわがいた頃よりも随分と進歩しているようです」
通りを歩きながらナナさんが言う。
「あれに乗って行った方が良さそうだね」
イースが空飛ぶ自動車を指差す。
「でもどうやって?」
「私に任せてもらおう」
イースは笑みを浮かべた。
「あれに乗ってドックの中に入りましょう」
僕らは体に空気を纏わせて、さらに遮蔽の魔術を施す。そしてドックに向かうシャトルに飛び乗った。
「この天使のシャトル、どこに行っていたんだろう?」
「他の大陸とかですかね。少なくともわらわがいた時には他の王国とは交流がありましたね。資源を調達しなければなりませんでしたし」
「そうなの?」
意外だ。
それならどうして天使たちはアナフィリア王国を敵対視するのだろう?
「アナフィリア王国は魔力に溢れている。天使たちは魔力の存在を脅威に感じているのかもしれないね」
イースが僕の疑問に答える。
「このまま争い合うばかりなんでしょうか?」
「そうとも。和解できないかと考えているのかい? 無駄だよ。ヤツらは千年以上考えを改めていないんだから。それより千年王を倒すことに集中しなくてはね」
イースの言葉に頷きながらも僕は漠然と不安を感じていた。
◆
ドックに入り切ったところで僕らはシャトルから飛び降りた。
遮蔽の魔術が上手く機能しているおかげで誰にも見つからない。
僕が驚いたのは、そのドック内にいる天使たちの姿だ。
僕ら人間と変わらない姿をしているのだ。彼らが地上にいたとしても天使だとは気づかないだろう。
ナナさんが無言で指差す。その方向に通路があった。
僕たちはナナさんに従って通路を進み続けた。そして薄暗い通路の先に光が見えてくる。
この先、何が待っているかわからない。
僕はいつでもボックスディメンションから魔剣を取り出せる準備をしながら光の中に進み出た。
「え!?」
僕は自分の目を疑った。
太陽に照らされて、綺麗に刈りそろえられた芝生が広がっている。
その上を子供たちとその母親らしき女性が歩いている。
どうやらドックの外には出たらしいのだが……
「ここはっ!?」
「たぶん公園ですね。わらわがいた時は工場だったんですけど」
ナナさんは説明してくれるが、僕が気になっているのはそこじゃない。
「なんで太陽が!?」
「人工太陽ですね。わらわがいた時よりも自然なモノになっていますね」
人工の、太陽?
ちょっと僕の想像を越えすぎていて思考が追いつかない。
「それで、千年王を管理している場所はどこにあるんだい?」
「地上監視センターってとこだろう。わらわもそこに連れて行かれていたからな」
「じゃあ、さっさと行こう。こうしている間にも千年王は強くなり続けているからね」
そうだ。今この瞬間にもイルヴァーナや亜人王たちは僕らを信じて戦ってくれている。
早く千年王のエネルギー源を破壊しないと。
僕は楽しそうに芝生を歩いている親子から目を逸らした。
公園を抜けるとそこには見たこともない景色が広がっていた。
地面は土や石畳とも違う、よくわからない素材で覆われている。そして周りに建っている建物は王宮よりも遥かに高く大きい。窓がたくさんあることから何十階もありそうだ。
その建物の間を様々な形の車が飛び交っている。
ナナさんが呼び出したキャンピングカーにも驚かされたけど、コチラらの方がより凄い。
「ふーん、空飛ぶ自動車が実現しているんですねー。わらわがいた頃よりも随分と進歩しているようです」
通りを歩きながらナナさんが言う。
「あれに乗って行った方が良さそうだね」
イースが空飛ぶ自動車を指差す。
「でもどうやって?」
「私に任せてもらおう」
イースは笑みを浮かべた。
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