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2巻
決意
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私*「・・・・・」
目が覚めると、先程のようにベッドの上に寝ていた。そして、足元には月音がベッドに顔をつけるようにして寝ていた。
私*「・・・・・」
──月音さん・・・
私は重い体を起こし、カーテンの掛かっている窓に行き、カーテンを開けた。外は既に夜になっており、満月が綺麗に上空に上がっていた。今までに見たことの無い、少し青い月だった。
私*「はぁ・・・」
一つのため息を吐いた。私はこの時点でかなりの疲労が溜まっていた。肉体的な疲労もあるのだが、一番は精神的な疲労。これが圧倒的に疲労が溜まっている。
私*「そう言えば・・・」
ぼーっと月を見ていた時、ふと、頭の中にある記憶が蘇った。
私*「私に話し掛けてきたのは・・・」
私が気を失う直前、頭の中に命令された言葉、そして声、その記憶が頭の中に蘇ったのだ。しかし、気を失った直後からの記憶は無い。
私*「誰なんだろう・・・」
?*「・・・何がですか?」
私*「うおっ!?」
後ろから急に声がした事に驚いた私は、変な声を出しながら後ろを振り返った。するとそこには、先程まで寝ていた月音がその場に立っていた。
私*「びっくりした・・・驚かさないでよ・・・」
月音「すみません・・・」
私*「まぁ、いいよ。傷の方は大丈夫なの?」
私が指摘をすると、月音は腕を巻くって包帯やガーゼなどを私に見せてきた。片方の腕だけでも四ヶ所はガーゼや包帯などが巻いてあった。しかし、月音は・・・
月音「大丈夫です。思ったよりは軽かったので・・・」
私*「・・・・・」
笑顔を見せてきた。その笑顔は自然な感じではなく、彼女が作った笑顔。私にとってはとても痛々しく悔しい気持ちを漂わせるような、そんな笑顔だった。
月音「それより、梨由さん・・・」
私*「ん、何?」
月音「ちょっと提案なんですが・・・」
私*「・・・提案?」
月音「先程の戦い、見させていただきました」
私*「・・・っ!?」
──戦い!?私は戦闘なんて・・・
月音「やはり、覚えていないのですね・・・」
私*「・・・えっ?」
月音「先程の梨由さんは、人が変わってしまったかのような感じでした」
私*「っ!」
私はこの時に確信した。自分にはもう一人の自分がいるという事に。
月音「・・・このままここに居たらまたあいつらに狙われます」
私*「・・・・・」
月音「・・・私と一緒に来ませんか?」
私*「・・・えっ?行くって・・・」
月音「別の世界にです」
『別の世界』、もう既に驚かなくなってしまった。現在進行形で私の周りでは非現実的な事が起きている。もう『別世界』なんて言う言葉を聞いても驚きはしない。私が返す言葉は・・・
私*「・・・何で?」
この言葉に限られる。いや、他にもいろいろあったんだろう、しかし、今の私の頭の中にはこの言葉しか浮かんでこなかった。
月音「ここに居ては、危険だからです」
私*「・・・・・」
月音「ここに居たら、殺されてしまいます」
私*「・・・・・」
私は迷っていた。精神的に限界が来ているこの状況で、また危険な場所に行かなくてはならないかもしれないからだ。しかし、今の状況で、あいつらに会えば今度は確実に殺られる、その為にはこの世界ではなく別の世界に逃げ込んだ方がいいのかもしれない。
私*「私は・・・」
月音「・・・憎くはないんですか?」
私*「・・・っ!」
月音「もしも、あいつらが憎いのであれば、行動すべきです」
私*「・・・・・」
月音の言った通り、私はあいつらが憎い。自分の人生を奪ったあいつらを、私は心の底から憎んでいる。それも復讐したいくらいにね。その為、月音からその言葉を聞いた時、私の考えは一つに決まった。
私*「・・・分かった。あなたに付いていく」
月音「本当ですか!」
私*「私はあいつらが憎い、だから・・・」
私は一つ深呼吸をした。そして・・・
私*「私はあいつらに復讐したい・・・!」
月音「・・・そうですか」
月音にそう言うと月音は、部屋を出ていった。しかし、すぐに戻ってきて私に新しい服を差し出してきた。私がキョトンとしていると、月音は不思議な顔をして私に問いかける。
月音「何をしてるんですか?早く着替えてください」
私*「えっ・・・だって・・・」
月音「その格好で外に行くんですか?」
私*「えっ・・・」
今現在の私の格好は、スウェットの上からジャージを羽織るというとてもダサいものだ。とてもではないが、この格好では外には出られない。急に恥ずかしくなった私は月音から奪うように服を貰い慌てて着替える。
私*「・・・・・」
月音「おぉ、似合ってるじゃないですか!」
着替え終わって鏡を見てみると、全体的に白が多く、所々に黒い線が描かれているジャージだった。っと言ってもダサい感じのものではなく、とてもシンプルで清潔感のある色合いをしていた。
月音「それじゃ、行きますか・・・」
私*「行くって・・・どうやって?」
月音「ちょっと待っててください」
月音は私に背中を向けて右腕を前に出した。その瞬間、空中に青い楕円形の変な物が出現した。どうやら、別世界への出入り口のようだ。
私*「えっ?この中を通るんですか?」
月音「そうです。この中を通って別の世界に移動します」
私*「へ、へぇ・・・」
──なんか・・・普通だな・・・
移動手段が思ってたよりも普通すぎてある意味驚いた。いや、この状況も非現実的なんだろうけど、私が思ってたのとは違かった。私は、『瞬間移動』を予想していたのだが・・・
月音「移動しますよ。早くしてください」
私*「あ、はい」
私は慌てて楕円形の出入り口を通った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
風夜「あいつら、あの世界に行ったみたいだぜ?」
シレ「逃げたのね・・・」
風夜「追うか?」
シレ「えぇ、もちろん追うわ。風夜、あいつを送り込んで」
風夜「あいつ?あぁ、あいつか。でもいいのか?」
シレ「構わないわ。あいつを完全復活させる訳にはいかないわ」
風夜「・・・分かったぜ」
シレ「急がないと・・・」
シレ「あの子が気付くのも時間の問題ね・・・」
目が覚めると、先程のようにベッドの上に寝ていた。そして、足元には月音がベッドに顔をつけるようにして寝ていた。
私*「・・・・・」
──月音さん・・・
私は重い体を起こし、カーテンの掛かっている窓に行き、カーテンを開けた。外は既に夜になっており、満月が綺麗に上空に上がっていた。今までに見たことの無い、少し青い月だった。
私*「はぁ・・・」
一つのため息を吐いた。私はこの時点でかなりの疲労が溜まっていた。肉体的な疲労もあるのだが、一番は精神的な疲労。これが圧倒的に疲労が溜まっている。
私*「そう言えば・・・」
ぼーっと月を見ていた時、ふと、頭の中にある記憶が蘇った。
私*「私に話し掛けてきたのは・・・」
私が気を失う直前、頭の中に命令された言葉、そして声、その記憶が頭の中に蘇ったのだ。しかし、気を失った直後からの記憶は無い。
私*「誰なんだろう・・・」
?*「・・・何がですか?」
私*「うおっ!?」
後ろから急に声がした事に驚いた私は、変な声を出しながら後ろを振り返った。するとそこには、先程まで寝ていた月音がその場に立っていた。
私*「びっくりした・・・驚かさないでよ・・・」
月音「すみません・・・」
私*「まぁ、いいよ。傷の方は大丈夫なの?」
私が指摘をすると、月音は腕を巻くって包帯やガーゼなどを私に見せてきた。片方の腕だけでも四ヶ所はガーゼや包帯などが巻いてあった。しかし、月音は・・・
月音「大丈夫です。思ったよりは軽かったので・・・」
私*「・・・・・」
笑顔を見せてきた。その笑顔は自然な感じではなく、彼女が作った笑顔。私にとってはとても痛々しく悔しい気持ちを漂わせるような、そんな笑顔だった。
月音「それより、梨由さん・・・」
私*「ん、何?」
月音「ちょっと提案なんですが・・・」
私*「・・・提案?」
月音「先程の戦い、見させていただきました」
私*「・・・っ!?」
──戦い!?私は戦闘なんて・・・
月音「やはり、覚えていないのですね・・・」
私*「・・・えっ?」
月音「先程の梨由さんは、人が変わってしまったかのような感じでした」
私*「っ!」
私はこの時に確信した。自分にはもう一人の自分がいるという事に。
月音「・・・このままここに居たらまたあいつらに狙われます」
私*「・・・・・」
月音「・・・私と一緒に来ませんか?」
私*「・・・えっ?行くって・・・」
月音「別の世界にです」
『別の世界』、もう既に驚かなくなってしまった。現在進行形で私の周りでは非現実的な事が起きている。もう『別世界』なんて言う言葉を聞いても驚きはしない。私が返す言葉は・・・
私*「・・・何で?」
この言葉に限られる。いや、他にもいろいろあったんだろう、しかし、今の私の頭の中にはこの言葉しか浮かんでこなかった。
月音「ここに居ては、危険だからです」
私*「・・・・・」
月音「ここに居たら、殺されてしまいます」
私*「・・・・・」
私は迷っていた。精神的に限界が来ているこの状況で、また危険な場所に行かなくてはならないかもしれないからだ。しかし、今の状況で、あいつらに会えば今度は確実に殺られる、その為にはこの世界ではなく別の世界に逃げ込んだ方がいいのかもしれない。
私*「私は・・・」
月音「・・・憎くはないんですか?」
私*「・・・っ!」
月音「もしも、あいつらが憎いのであれば、行動すべきです」
私*「・・・・・」
月音の言った通り、私はあいつらが憎い。自分の人生を奪ったあいつらを、私は心の底から憎んでいる。それも復讐したいくらいにね。その為、月音からその言葉を聞いた時、私の考えは一つに決まった。
私*「・・・分かった。あなたに付いていく」
月音「本当ですか!」
私*「私はあいつらが憎い、だから・・・」
私は一つ深呼吸をした。そして・・・
私*「私はあいつらに復讐したい・・・!」
月音「・・・そうですか」
月音にそう言うと月音は、部屋を出ていった。しかし、すぐに戻ってきて私に新しい服を差し出してきた。私がキョトンとしていると、月音は不思議な顔をして私に問いかける。
月音「何をしてるんですか?早く着替えてください」
私*「えっ・・・だって・・・」
月音「その格好で外に行くんですか?」
私*「えっ・・・」
今現在の私の格好は、スウェットの上からジャージを羽織るというとてもダサいものだ。とてもではないが、この格好では外には出られない。急に恥ずかしくなった私は月音から奪うように服を貰い慌てて着替える。
私*「・・・・・」
月音「おぉ、似合ってるじゃないですか!」
着替え終わって鏡を見てみると、全体的に白が多く、所々に黒い線が描かれているジャージだった。っと言ってもダサい感じのものではなく、とてもシンプルで清潔感のある色合いをしていた。
月音「それじゃ、行きますか・・・」
私*「行くって・・・どうやって?」
月音「ちょっと待っててください」
月音は私に背中を向けて右腕を前に出した。その瞬間、空中に青い楕円形の変な物が出現した。どうやら、別世界への出入り口のようだ。
私*「えっ?この中を通るんですか?」
月音「そうです。この中を通って別の世界に移動します」
私*「へ、へぇ・・・」
──なんか・・・普通だな・・・
移動手段が思ってたよりも普通すぎてある意味驚いた。いや、この状況も非現実的なんだろうけど、私が思ってたのとは違かった。私は、『瞬間移動』を予想していたのだが・・・
月音「移動しますよ。早くしてください」
私*「あ、はい」
私は慌てて楕円形の出入り口を通った。
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風夜「あいつら、あの世界に行ったみたいだぜ?」
シレ「逃げたのね・・・」
風夜「追うか?」
シレ「えぇ、もちろん追うわ。風夜、あいつを送り込んで」
風夜「あいつ?あぁ、あいつか。でもいいのか?」
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