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推しのライブ
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呼吸が出来ない。
心臓の音がドクドクと波打つ。
涙も鼻水も溢れてくるのに声は掠れて息を吸えない。
助けて。
その場で立って居られなくなり地面にヨロヨロと膝を付く。
目の前の世界が色を失っていく。
耳から入ってくる音が段々と遠くなっていく。
私、このまま死ぬの?
今日は推しのライブで、人生で一番楽しかった日なのに。
助けて。
だが、人々は私なんてその場に存在していないかのように見向きもせず通り過ぎて行く。
どうして?
「大丈夫ですか?」
霞がかった視界に目を閉じようとしたその時。
こちらへ伸ばされる誰かの手が見えた。
私は、縋るように震える手をその手へ伸ばす。
だが、視界がボヤケて距離感が分からず手を掴む事が出来ない。
「本当にこの手を掴んでいいんですか?」
一瞬何か言われたようだが、その言葉の意味を理解する事は出来なかった。
ようやく伸ばされた手を取ることが出来た。
その手を掴むとふと急に体が軽くなり立ち上がる事が出来た。
驚いて手を差し出してくれた相手を見る。
パーカーのフードを目深く被り俯いており、表情が読み取れない。
とにかくお礼を言わなくては。
「あの……」
「さて、では行きましょうか」
パーカーの人はそう言うと私の手を握ったまま歩き出した。
え?え?行くって何処へ?
「貴女を迎えに来ました」
その言葉を聞いて恐る恐る後ろを振り返る。
そこには倒れたまま動かなくなった私が転がっていた。
周りには大勢の人が私を取り囲み声をかけていた。
『大丈夫ですか!?』
『誰か救急車呼べますかー!?』
「行きますよ」
私はそのまま手を引かれ歩き出した。
後ろの方ではまだ喧騒が止まない。
この人は死神なのだろうか。
これから行くのは天国なの?地獄なの?
私は本当に死んだの?
「何も心配はいりません」
そんな私の考えが伝わったのか、死神は答えた。
「最後に良い夢が見れて良かったですね」
「ちなみに貴女の死因は極度の興奮状態による心臓発作です」
行けるのなら天国がいいな。
天国でもライブってあるかな。
あったらいいな。
頭の輪っかがサイリウムだったりして。
私は、死んでもそんな呑気な事を考えていた。
心臓の音がドクドクと波打つ。
涙も鼻水も溢れてくるのに声は掠れて息を吸えない。
助けて。
その場で立って居られなくなり地面にヨロヨロと膝を付く。
目の前の世界が色を失っていく。
耳から入ってくる音が段々と遠くなっていく。
私、このまま死ぬの?
今日は推しのライブで、人生で一番楽しかった日なのに。
助けて。
だが、人々は私なんてその場に存在していないかのように見向きもせず通り過ぎて行く。
どうして?
「大丈夫ですか?」
霞がかった視界に目を閉じようとしたその時。
こちらへ伸ばされる誰かの手が見えた。
私は、縋るように震える手をその手へ伸ばす。
だが、視界がボヤケて距離感が分からず手を掴む事が出来ない。
「本当にこの手を掴んでいいんですか?」
一瞬何か言われたようだが、その言葉の意味を理解する事は出来なかった。
ようやく伸ばされた手を取ることが出来た。
その手を掴むとふと急に体が軽くなり立ち上がる事が出来た。
驚いて手を差し出してくれた相手を見る。
パーカーのフードを目深く被り俯いており、表情が読み取れない。
とにかくお礼を言わなくては。
「あの……」
「さて、では行きましょうか」
パーカーの人はそう言うと私の手を握ったまま歩き出した。
え?え?行くって何処へ?
「貴女を迎えに来ました」
その言葉を聞いて恐る恐る後ろを振り返る。
そこには倒れたまま動かなくなった私が転がっていた。
周りには大勢の人が私を取り囲み声をかけていた。
『大丈夫ですか!?』
『誰か救急車呼べますかー!?』
「行きますよ」
私はそのまま手を引かれ歩き出した。
後ろの方ではまだ喧騒が止まない。
この人は死神なのだろうか。
これから行くのは天国なの?地獄なの?
私は本当に死んだの?
「何も心配はいりません」
そんな私の考えが伝わったのか、死神は答えた。
「最後に良い夢が見れて良かったですね」
「ちなみに貴女の死因は極度の興奮状態による心臓発作です」
行けるのなら天国がいいな。
天国でもライブってあるかな。
あったらいいな。
頭の輪っかがサイリウムだったりして。
私は、死んでもそんな呑気な事を考えていた。
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