上 下
16 / 88
1年生

第16話 バイト仲間

しおりを挟む
ボクがバイトに行き始めてから何日か経った。
ボクの勤務時間は18時から22時。ボクが更衣室で制服に着替えて更衣室から出ると隣の女子更衣室から一人の女性が出てきた。

紫帆「お疲れ様。あら?新人さん?」
高嗣「あ、お疲れ様です。は、初めまして。佐藤高嗣です。よろしくお願いします。」
紫帆「こちらこそ初めまして。私は松山紫帆よ。よろしくね。お互い頑張りましょう。アナタはどこの部門に配属しているの?」
高嗣「ぼ、ボクはグロッサリーです。あ、あ、あなたはどこに配属しているんですか?」
紫帆「私はレジよ。あなた、もう少し落ち着いたら?緊張しすぎよ。もう少しリラックスしなさい。リラックス出来ない時は手の平に人と書いて食べなさい。」
高嗣「…わかりました。」
紫帆「じゃあ私戻るわね。がんばってね、新人さん。」

話し終えると松山さんは、仕事現場へ戻って行った。
松山さんは間違いなくボクより年上の女性。20代半ばくらいかな。化粧がちょっと濃い目だったな。

あれから何日か経ち、ボクはまた松山さんと再開した。

高嗣「お疲れ様です。」
紫帆「お疲れ様です。あら!久しぶりね!名前何だっけ?」
高嗣「佐藤です。」
紫帆「あー。佐藤さんね。ごめんなさい。すっかり忘れちゃってて。」
高嗣「大丈夫ですよ。」
紫帆「私今日はあとこれで上がるからまたね。」
高嗣「お疲れ様でした。」

松山さんは女子更衣室へ入って行った。
 それから数日後。ボクは学校へ行くと講義室へ入り後ろの方の席へ腰かける。

紫帆「お隣よろしいでしょうか。」
高嗣「は、はい。…って松山さん!」
紫帆「…佐藤くん!…同じ学校だったの?気が付かなかったわ。」
高嗣「ボクもです…。」
紫帆「あなたとは何だか奇遇ね!良かったらお友達になりましょう?」
高嗣「いいんですか?ボクなんかで。」
紫帆「もちろん大歓迎よ。それにあなた悪い人じゃなさそうだし。」
高嗣「…ありがとうございます!よろしくお願いします!」

ボクと松山さんは友達になった。
女性とも仲良くなれることに対して意外なことだと感じた。
ボクが女性と友達…意外だな。
講義中ちょっとドキドキしていた。
ボクは講義を終えると松山さんに声をかける。

高嗣「…あ、あの。松山さん。」
紫帆「何?」
高嗣「…れ、連絡先を交換しませんか?」
紫帆「…うーん。電話番号ならいいわよ。実はね、私既婚者で子持ちなの。だからあまり連絡は出来ないと思うけど、いいかな?」
高嗣「大丈夫ですよ。」
紫帆「ありがとう!改めてよろしくね!」

ボクたちは連絡先を交換した。
しおりを挟む

処理中です...