不器用なたかしと器用な仲間たち

1年生

第17話 出会った頃のボクとヒロ-4-

ジェイミー「オーマイガー！」

　少年は落ち込んでいる様子だ。ボクは突っ立ったままその場で話しかけず黙り込んでいた。話しかけにくかった。同い年だし。そもそも人が苦手だし。
ボクが黙って突っ立っているのが気になったのか少年はボクの方に視線を向ける。

ジェイミー「さっきから何、俺のことジロジロ見てるの？」
高嗣「え…えーと、その…。」
ジェイミー「こっち見てないで早く下に行けば？」
高嗣「…。」
ジェイミー「…それとも俺が可哀想なヤツに見えるの？」
高嗣「い、い、いや！そんなわけではありません!」
ジェイミー「じゃあ何だよ。ははーん。もしかして俺が可愛くてかっこ良くて仕方なくて見つめてるとか？」

少年はさっきとは態度が急変し、カッコつけた仕草をする。

高嗣「あ、うんと、その。」

ボクがボソボソ言っていると少年の表情が変わった。

ジェイミー「ねぇ!さっきからボソボソ言ってモジモジしてるけど、一体何な訳？！ハッキリしてよ！」
高嗣「え！怖い!」
ジェイミー「怖い？怒らせたそっちが悪いよ！…言っておくけど、俺はハッキリしない人は正直好きじゃない!」

バタン!

少年は怒って部屋に戻ってしまった。ボクはその場で泣いていた。

ボロボロ

高嗣「ご、ごめんなさい。ごめんなさい。」

　少しして下から父と佳巳さんが上に上がってきた。上に上がってきた2人はボクの泣いている様子を見て心配して駆けつける。

太蔵「高嗣。ここにいたのか。心配したんだぞ。どうしたんだ？その顔。」
高嗣「…お父さん。」
佳巳「高嗣くん。どうしてここにいたんだい？」
高嗣「…それは。」

ボクは少年のいる部屋に視線を向ける。

佳巳「ヒロか。ヒロを追いかけてここへ来たんだね。」

ボクは言われた通りに頷く。

佳巳「…ごめんね。高嗣くん。うちの息子が。普段はあんな子ではないんだけどね。ボクに似て社交的な性格なんだ～！ただ、日本人が苦手でね。日本人相手には素っ気ない態度を取るんだ。まあ、それは元々家の事情が原因なんだけどね。」
太蔵「高嗣は彼と仲良くなりたいのか？」
高嗣「…ううん。そういうわけではないけど、居間にいた時から視線が合って気づいたら追いかけてて。」
太蔵「追いかけるってことは気になってるんじゃないのか？彼のことが。」
高嗣「さっき彼からも聞かれました。ボクがずっと俺の方を見ていると…。」
太蔵「それで？」
高嗣「モジモジしてたら怒られちゃいました。ハッキリしない人は好きじゃない!って言われました。」
太蔵「やっぱり高嗣。気になってるんだよ、彼のこと。仲良くなりたいんだろ？」
高嗣「…そうなのかな？」

ガチャ

少年が再び部屋から出てきた。