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第四章
蓮花君に会いたい
しおりを挟むーーープロローグーーー
光のアーチが完全に消えてしまった……
「ど、どうしよう、、、、」
もう、元の世界に戻れない。
十二時になってしまった。
蓮花君にひどいことを言ってしまったことももう、謝れない、、、
「帰りたい、、、、」
「なぜです?」
シルバーさんがそう紫苑の顔を覗き込んで聞いてきた。
「だって、、、あっちでやらないといけないことが、たくさんあるんです。、、、、シルバーさん、紫苑のことを、もとの世界に返せる方法とか、知りませんか?」
紫苑はシルバーさんにダメもとで聞いてみた。
「知りません。そもそも、これはあの方が決めた理、決して覆すことはできないのです。」
「・・・・・・・・」
「あ、やらなきゃいけないことって何ですか?私が代わりに何とかします!」
シルバーさんは、紫苑の片手を強く握る・・・・・・
そして嬉しそうに、紫苑の耳元で囁く
「貴方は、現世のことなんてぜ~んぶ忘れちゃって、私とここでお菓子を食べながらお話をすればよいのです」
「机の上には、お菓子がまだまだたくさんありますよぉ。」
「これからはずうっと一緒にいられますねぇ」
「はぁ。夢心地です♥」
パンッ!!
紫苑はシルバーにビンタした。
それはもう、思いっきり。
・・・・・・最低
家に帰りたがってる人に普通あんなこと嬉しそうに言える?
紫苑は、さっきからベタベタ紫苑の体を触ってくるシルバーから、サッと距離を置く。
そうすると、シルバーは、ゆっくりと、紫苑に向かって歩いてくる。
やだやだやだやだ!
怖い怖い怖い怖い!!
紫苑は全速力でシルバーがいないところを目指して走っる。
走れば走るほど、森の中は険しくなり、暗くなる。
だが、やっぱり元の世界には戻れなかった。
「あっ!」
ズズッ
木の根につまずいて転んだ
痛い、膝に擦り傷ができてる
紫苑は後ろを振り向いた
シルバーさんは、見えなかった。
良かった。
追いついてはいないようだ
『紫苑さんが考えなさすぎなんですよ!ああいう人は、たいてい頭の中でよからぬことを企んでいるものなんです!』
不意に前に蓮花君が紫苑に言ったことを思い出した。
そうだね、蓮花君の言うとおりだったよ・・・
「蓮花君に会いたい。」
蓮花君の作った重箱弁当が食べたい。
蓮花君の作ったシュークリームが食べたい。
ああ、もとの世界に戻りたいよ…
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