中島と暮らした10日間

だんご

文字の大きさ
27 / 53

27 中島7日目。迎え酒?

しおりを挟む
 「たけ。暇してたら、飲むぞ。何かツマミ持って来て」

 朝7時。
 マスターからの電話。
 謎。
 いや待て。
 多分だけどマスター、家に帰ってないな?
 オールでやっちゃった感じか?
 おいおい……

 中島に葉っぱを入れて、昨日の残り物を器に詰める。
 マスターだけオールだったなら足りる量。
 その他がいたら、足りない量。
 ……多分、いるな。ミッツとか。

 冷蔵庫には牛肉とかもろもろ。

 牛肉と玉ねぎでしぐれ煮もどきつくるか。
 
 玉ねぎを薄切りにして、切った牛肉と一緒にフライパンでちょこっと生姜を入れて炒める。
 火が通ったら、酒・砂糖・みりん・出汁醤油を入れて煮立たせる。
 煮立ったらかさ増しの為、5mmのサイコロ豆腐とくずきりを入れる。
 あとは、汁気が飛ぶまで煮詰める。
 そうすれば完成。

 もう1つ。
 きゅうり使っちゃおうか。
 とりあえず、叩ききゅうりのポン酢合え。
 きゅうりを叩き、適当な大きさに切る。
 密閉型の袋にポン酢・胡麻油・輪切り唐辛子を入れて終了。

 これでいいな。
 
 自分は食ってから出るか。
 昨日の揚げなすの和え物と、きゅうりの浅漬け。
 コレは好みが分かれそうだから、自己消費。
 もともと自分の為の物だしな。
 朝飯、ほぼ漬物で食べた感じがする。
 揚げなすも漬物っぽくなってたわ。
 まぁ完食。

 トマト煮込み、しぐれ煮もどき、きゅうりのポン酢合えを持って出発。
 一応、紙コップも持って行くか。
 あと……コンビニでパックご飯も買って行こう。
 誰か求めているような気がするから。



 「おはよ~ございま~す。出前に来ましたよ~」

 店のドアを開けると、マスター・ママさん・ミッツ・まっさん・サト先生がいた。
 ほぼフルメンバー。

 「えっ?まさかオールしちゃった?」

 「その通り!たけ、待ってたぞ!」

 「いや、コンビニの方が早いでしょうに」

 「たけしさんのオツマミが食べたいってママさんが……」

 馬鹿ミッツ。
 学んでないな?
 あっ叩かれてる。

 「ごめ~んミッツ。ぶつかったぁ~」

 棒読みだ。

 「あ~……ちょっと足りないけど?」

 「たけの愛情で胸一杯になるからさぁ。何か食べたい。けど出来ればたくさん食べたい」

 まっさんが欲望を吐き出したよ。

 「一応、レンチン出来るパックご飯も買って来ましたよ?」

 「やだぁ~たけったら♡愛してるぅ♡ちゅ~♡」

 ヤダ止めて。
 ママさん。自分のホッペ食べないで?

 「トマト煮込み美味しいぃ♡」

 「こらミッツ!(ペシンッ)ツマミ食いはイケません!」

 まっさん、オカン風味出してる。

 ミッツ。
 普通はみんなに分けてから手を出すんだ。
 せめて器に分けてからだ。

 「だってぇ……うまそうだったから、つい……」

 「母ちゃん恥ずかしい!そんな子に育てた覚え、ないよ!」

 まっさん。
 育てられた覚えもないと思うよ?

 「ご、ゴメンよ?か、母ちゃん……」

 ほら、まっさん。
 ミッツがぎこちない。

 「ご飯順番だぞ~」

 「「「「は~い」」」」

 配給かな?
 マスターがレンチン出来た順番に渡している。

 「なんか~汁物も欲しいなぁ~?ねぇ?たけぇ~♡?」

 マスター。
 ママさんが怖い。
 自分のホッペ消えちゃうかも。

 「マスター。鰹節と醤油ある?」

 「おう。あるぞ」

 「貰っていい?」

 「おう!なんか作るのか?コンロ1個しかないぞ?」

 「お湯だけあればいいよ。お椀はないよねえ……」

 「ないな」

 「んじゃ、紙コップ使うか……味見してダメだったらゴメンね?」

 「おう!」

 紙コップに鰹節を入れて、醤油をかける。
 お湯を注ぐ。

 「ほい。醤油汁」

 「ひねりの無い名前だな……」

 「試してみて?イケる?」

 ママさんがお試し第1号。

 「っ!! うまっ!! マジでイケるわっ!」

 「あ~……酒量多かったから、余計にそう思うだろうさ」

 マスターが呆れてる。
 どんだけ飲んだのさ。

 「たけぇ~。俺もコレお願いぃ」

 「俺もっ!!俺も欲しいっス!」

 「俺達もよろしく」

 「私おかわり♡」

 全員だね。
 紙コップに醤油汁を作っていく。

 「コレとろろ昆布入れると、もう少し美味しいんだよねぇ」 

 「そうなんスねぇ……」

 「ミッツ。食いながら喋るなよ……ほら、ご飯とんでるぞ?母ちゃん、恥ずかしい!」

 「今度はたけが母ちゃんか……」

 「冷蔵庫にあるもので適当に作ったから、味の保証はしないけどねぇ」

 「いや、旨いよ……たけ、嫁に来ないか?養うぞ?」

 「結構です。自分、嫁候補はいるんで」

 「そっか……」

 そんなガッカリせんでも……
 けど、遠慮します。
 サト先生、目がマジなんだもん。
 好意だけいただいておきます。

 「けど、よくこんな短時間で準備できたなぁ?」

 「トマトの方は昨日のですねぇ。今日のは、しぐれ煮もどきときゅうりだけですよ」

 「マジかぁ……たけぇ、嫁に来ない?」

 「えっ、まっさん……どうしよう……」

 「俺との差が酷い!傷付くぞ?」

 「冗談ですよ」

 「なんだぁ冗談かぁ……」

 だからそんなガッカリせんでも。
 お気持ちだけで結構です。
 
 「たけぇ~♡きゅうりサッパリしてて美味ちぃ♡また作って♡」

 「良かった。また作って持って来ますね?「今」へ?」

 ママさんの無茶苦茶フリ来ましたが?
 時計を見ると10時ジャスト。
 開いてる……
 いや、他の店、開いてるけども。
 
 「たけぇ♡おねが~い♡」

 「スマン、たけ。領収書切っていいから。な?」

 「ん~……了解。マスターポン酢ある?密閉型の袋じゃなくても、袋ある?」

 「ポン酢も袋もあるぞ。あっ胡麻油と唐辛子もあるな」

 「すげぇな。流石マスター」

 材料ピッタリだ。
 まぁあからさまな材料だからね。

 「他に何かいります?」

 「ツマミ系が根絶やしにされたからなぁ……適当に頼む」

 「うわぁ……了解ですぅ」

 根絶やしに……
 みんな、どんだけハッチャケちゃったのさ。
 日曜は基本的に常連貸し切りデーだからいいのか?
 いや、店開いてる見て、新たな客が来るかも知れないし……大丈夫?
 怖いわぁ。

 お近くのスーパーできゅうりを買って、シーチキン缶とコンビーフを買った。
 ちょっとお高いのがアレだけど。
 手間賃にして貰おう。
 ついでにバケット。
 あと、じゃ○りこサラダ味

 「毎度ど~も~。出前でぇ~す」

 「待ってたぞ!たけ!」

 「たっけぇ~♡」

 飲んでる。
 みんな、また飲んでる。

 「あっ、迎え酒ぇ?」

 「二日酔い来る前に飲む酒は、ただ休憩してただけですからね?!」

 「にゃるほどぉ~」

 数分で酔っ払いが数人完成しとる。
 ホラーかよ……

 「たけぇ……俺……俺にツマミを……」

 まっさん。なんか超回復の豆を欲しがるアニメの主人公みたいになっとるよ?
 まぁいいけど。
 突っ込みは省きます。

 「まっさん……任せて。じっちゃんの名にかけて!」

 「別物っ?!」

 「まあまあ……あっマスター。バケット薄切りして貰っていい?」

 「おう!パン切りあるからな」

 「じゃ、まな板と包丁借りるねぇ~」

 叩ききゅうりを袋に仕込む。
 多分、待てない酔っ払いの為に、シーチキンマヨとコーンビーフマヨを作り、勝手にディップして食べる様にしておく。

 「たけの気遣いが腹に染みるなぁ~」

 どうやら超回復モードに入ってくれたらしい。

 「マスター。お湯をまたお願いしていい?」

 「おう!」

 さてと。
 じゃ○りこを砕きますか。
 2個買ったから、両方の中身をバッキバキにする。
 そのまま湯を注ぎ、混ぜるとポテトサラダに大変身。

 「じゃ○りこって、ポテトサラダになるんスねぇ!」

 「あ~……揚げられる前に戻った感じじゃない?」

 「なるほどっス。あっウマイ♡」

 ここで一息ついて、自分も緑の瓶のラガービールを飲む。
 午前中から飲む酒、罪深い味がする。
 たまらん。

 「マジで嫁に来ないか?マジで養うぞ?」

 ……サト先生の本気度が上がった。

 「マジで勘弁して下さい……」

 自分のテンションが下がった。

 「ミッツぅ♡一緒に転がろぅ?」

 ママさんは愉快な状態になっている。

 「えっ?えっ?」

 ミッツは混乱した。

 「ようやく飲めるわ」

 マスターは休憩している。

 「きゅうり、楽しみだなぁ」

 まっさんは張り切っている。

 このメンバー、ゲームに例えると状態異常が激しいな。
 まっ、それが楽しいんだけどな。

 


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...