中島と暮らした10日間

だんご

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33 中島9日目。コーヒーOK

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 ……眠い。
 書類整理がひたすら眠い……
 この激しい眠気……
 社会人として……
 どうなの……?

 「……っ?!」

 ヤバい!
 今完全に寝てたっ?!
 なんてこったっ!!
 誰かに見られてたら大変だよっ!!
 ……誰も見てないよな?

 (パチッ)

 ……佐々木さんと目が合った……よ?

 「田中さん。コーヒータイム。OK?」

 「お、OKです……」

 笑顔でさ。
 親指立てられてさ。
 廊下指されたらさ。
 そりゃ行きますよ。
 『ちょっとツラかせやぁ?!』なリアクションですよ。
 ボコボコにされる未来が見える……
 怖っ……

 「ホイ、ブラック。おごりだから飲みなさい」

 「あ、ありがとぅございます?」

 あれ?
 焼き入れなんじゃ?

 「田中さん、朝から目が線だったからね。家の方、大変だったの?」

 「あっ……すいません。仕事に影響出しちゃって……」

 「いや、まだ大丈夫だけど……影響出るほど大変だったのかなぁ~ってね」

 ウチの職場、先輩が神がかってる……
 
 「いや、あの、すいませんでした……」

 「あっ、責めてるんじゃなくてね?中島、どうなってるかなぁ~って。逃げてないかなぁ~って好機し……心配になっちゃてね?」

 今、好奇心って言おうとしましたね?

 「いえ、中島自体は何とか大丈夫なんですが、その他の事がちょっと……」

 「その他?」

 とりあえず、夕べの出来事を話してみた。

 「えっ?! 何ソレっ?! 怖っ!! 怖過ぎっ!!」

 「自分もかなりパニックってしまって、鍋蓋とまな板でしばらくかまえてました……」

 「ぶふっ!装備が弱いっくふっ!」

 「枕元にフライパン準備して寝たんですが……3回金縛りにあいました……」

 「うわぁ……怪奇現象だったの?金縛りって、幽霊出たりした?」

 「いえ、最初の2回が何もないヤツで。最後のが……」

 「最後のが……?」

 厨房ですよ☆

 「ぶっははははははは☆オモシロ過ぎ!」

 「夢ですけどガヤガヤしてる中ずっと眠かったんですよ……」

 「田中さんは、真面目にオモシロいね~……ぶふっ☆」

 堪えてらっしゃる……

 「昨夜の爆音が、多分野生な動物だったかな?で解決はしました……一応」

 「そこは良かったね……いや、お疲れ様です……ぷふっ」

 ツボにハマられている。

 「……それで目が線だったんだねぇ~。てっきり中島の飼い主さんと連絡つかなくて何とか……って思ってたよぅ」

 「それもありますねぇ……」

 「あるのっ?!」

 そう言えば、何にも話して無かったっけ?

 「いや、妹が急に京都に行くって中島預けて行ったんですが……」

 「あ……妹さんのセンスだったんだ……」

 「まぁ、はい。脱皮する辺りで1回連絡取れなくなって……その時は充電忘れだったらしいんですけど」

 「脱皮……課長から聞いたよ。中島の脱皮……連絡取れなかったんだね…って、昨日から携帯気にしてるのって?!」

 「はい……ここしばらく、連絡取れてないんです……」

 「そっちの方がヤバいでしょっ?! えっ?!何日も?!」

 「一昨日の夜にメール来たんですが、それっきりで……」

 「ちょっと?!1人旅なのっ?!警察や親御さんに連絡したのっ?!」

 「多分1人旅で、最後のメールが『山越えして飛行機に乗る』だったので判別がつかなくて……」

 「えっ……っと、どうゆう事?」

 「あの、妹は時々山に入って数日して戻る事が多々ありまして……」

 「えっ……っと?どうゆう事?」

 「山に入って連絡って言うか、電波が無くて行方不明になる事が多々ありまして……」

 「えっと、まって……田中さんの妹さんは、野人って言うこと?」

 「ほぼ野人です……」

 「山越え……」

 「山越えです……」

 「電波無し……」

 「はい……どこの山に入っているのかもわからないし、どの飛行機かもわからないし……」

 「どこの山……」

 「はい……人里に来れば電波通じて、メールが機能すると思うんですが……」

 「人里……」

 「3日通じ無かったら各所に連絡しようと思ってたんです……」

 「3日……」

 「その心配が強かったんですよ」

 「何か妹さん、特殊過ぎて何とも言えないね……」

 「はい……」

 「大変だね……田中さん……」

 「はい……」

 何か話しててシオシオになった気分。
 全然スッキリしないの。
 自分、しぼむ一方よ?

 「あ~……うん。一応何があっても動き易い様に課長に話といていい?田中さん、納品もあるだろうし」

 「あっ、はい。助かります。お願いします」

 「うん。任せといて。もし休みとるなら、納品も受け持つから」

 「佐々木さん……本当にありがとうございます」

 「ほれ、納品。いっといで」

 「はい!ありがとうございます!」

 出るタイミングで課長が販売機コーナーに向かっていた。
 佐々木さん……ありがとうございます。

 会社に戻ると、課長からいつでも休みを取っても大丈夫の許可をいただいた。
 ありがたいです。
 ……ただ、課長のシャツにコーヒーの飛沫が飛んでいたのは、見なかった事にした。




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